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婚約
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翌日、朝食の席、家族全員勢揃い。
そして、キャリーが座ると、さっそく母が、「婚約の承諾早くしなさいね。」そう言ってきた。
妹は、「お姉ちゃん、婚約するの?皇太子の義妹になれる。すごいわ」と、
父と兄は無言…
キャリーは、一言も口をきかず、食事を終え、学校へ向かった。
このままどこか遠くへ行けたらいいのに…
そんなことを思いながら学校で授業を受けていた。
そして決心がつかないまま、約束の日がやってきた。
皇太子は、相変わらずの無表情で出迎えた。
そしてキャリーに「決心つきましたか?」と聞いてきた。
キャリーは、「人生がかかっていることを1週間で決めないといけないのは、正直に申し上げて酷です。ただ待って頂いても、決心はつかないと思います。結婚はいつになるか伺っても?」
皇太子は、「キャリー嬢が大学を卒業したら結婚する方向で」とのこと。
キャリーは、まだあと4年ある。
この間に、なんとかいい方向にもっていきたい。逃げられるならそうしたい。
とにかく時間稼ぎが出来そう。
そう考えていたら、「婚約期間から、皇室で仮住まいしてもらうことになるから」と付け加えられた。
これは時間は稼げるが、逃げることが出来なくなる…
どうしよう。そう思っていたら、「自由時間は約束通りある生活になるから」と付け加えられた。
なので聞いてみた。
「自由時間は、1日どれぐらいありますか?」
すると、「毎日いつの時間と決められるといいが、公務をしだすと難しい場合もあるからそこは理解してほしい。」そう言われた。
そしてキャリーは、覚悟を決め、「わかりました。サインします」と承諾書にサインした。
そして、キャリーは、一つ気になり聞いてみた。
「もし、私達に子供が出来ない場合、離婚は出来ますか?」 すると
「不妊が原因で離婚ということは今までないから、おそらく難しい。私には弟がいるので、その子供が継承していくので、子供が出来なかった場合も、気にしなくていい」と言われた。
「そうですか。ただ、私自身、身の置き所がない場合、離婚していただけますか?」と聞くと、「まだ結婚もしていないのに、そんなに深刻に考えなくていいよ。」
そう言って話を打ち切られた。
たしかに結婚前だけど、後継者が出来ない場合、いつの時代も、攻められるのは、女性なのに。
そう思っていたけど、今これ以上の話は、続けられないわ、そう思って諦めた。
そして、婚約者として、皇太子妃教育が翌日から始まった。
同時に、生活の拠点も皇室となった。
家族と離れて暮らすことに寂しさが全くない、キャリー。私、薄情なのかな?
いや、愛情も、優しい言葉もかけてもらってないから仕方ない。そう思い、振り返ることなく、実家から飛び立った。
家族は、迎えにきた、皇室の車まで、見送りに来たけど、キャリーに「立派な皇太子妃になりなさい」、「皇室って家族は呼んでもらえるの?」など、自分たちの思いを伝えてきただけ。誰もキャリーの体調や、今後を気にかけてくれなかった。
諦めていたけど、私はこの家族には、愛されなかったな、そう思って車に乗り込んだ。
手を振る家族を、横目に無言で出発。
キャリーの新しい生活が始まる
そして、キャリーが座ると、さっそく母が、「婚約の承諾早くしなさいね。」そう言ってきた。
妹は、「お姉ちゃん、婚約するの?皇太子の義妹になれる。すごいわ」と、
父と兄は無言…
キャリーは、一言も口をきかず、食事を終え、学校へ向かった。
このままどこか遠くへ行けたらいいのに…
そんなことを思いながら学校で授業を受けていた。
そして決心がつかないまま、約束の日がやってきた。
皇太子は、相変わらずの無表情で出迎えた。
そしてキャリーに「決心つきましたか?」と聞いてきた。
キャリーは、「人生がかかっていることを1週間で決めないといけないのは、正直に申し上げて酷です。ただ待って頂いても、決心はつかないと思います。結婚はいつになるか伺っても?」
皇太子は、「キャリー嬢が大学を卒業したら結婚する方向で」とのこと。
キャリーは、まだあと4年ある。
この間に、なんとかいい方向にもっていきたい。逃げられるならそうしたい。
とにかく時間稼ぎが出来そう。
そう考えていたら、「婚約期間から、皇室で仮住まいしてもらうことになるから」と付け加えられた。
これは時間は稼げるが、逃げることが出来なくなる…
どうしよう。そう思っていたら、「自由時間は約束通りある生活になるから」と付け加えられた。
なので聞いてみた。
「自由時間は、1日どれぐらいありますか?」
すると、「毎日いつの時間と決められるといいが、公務をしだすと難しい場合もあるからそこは理解してほしい。」そう言われた。
そしてキャリーは、覚悟を決め、「わかりました。サインします」と承諾書にサインした。
そして、キャリーは、一つ気になり聞いてみた。
「もし、私達に子供が出来ない場合、離婚は出来ますか?」 すると
「不妊が原因で離婚ということは今までないから、おそらく難しい。私には弟がいるので、その子供が継承していくので、子供が出来なかった場合も、気にしなくていい」と言われた。
「そうですか。ただ、私自身、身の置き所がない場合、離婚していただけますか?」と聞くと、「まだ結婚もしていないのに、そんなに深刻に考えなくていいよ。」
そう言って話を打ち切られた。
たしかに結婚前だけど、後継者が出来ない場合、いつの時代も、攻められるのは、女性なのに。
そう思っていたけど、今これ以上の話は、続けられないわ、そう思って諦めた。
そして、婚約者として、皇太子妃教育が翌日から始まった。
同時に、生活の拠点も皇室となった。
家族と離れて暮らすことに寂しさが全くない、キャリー。私、薄情なのかな?
いや、愛情も、優しい言葉もかけてもらってないから仕方ない。そう思い、振り返ることなく、実家から飛び立った。
家族は、迎えにきた、皇室の車まで、見送りに来たけど、キャリーに「立派な皇太子妃になりなさい」、「皇室って家族は呼んでもらえるの?」など、自分たちの思いを伝えてきただけ。誰もキャリーの体調や、今後を気にかけてくれなかった。
諦めていたけど、私はこの家族には、愛されなかったな、そう思って車に乗り込んだ。
手を振る家族を、横目に無言で出発。
キャリーの新しい生活が始まる
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