戦いの終わりに

トモ

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寝室へ走って向かったマーガレットを追いかけた、母。

そっと部屋をノック。

返事がないので、「マーガレット。お母さんよ。入っていい?」

返事はない。でも拒否の声もない。

母は、そっと部屋に入った。

そして、ベッドの布団にくるまったマーガレットに優しく声をかけた。

「マーガレット、ごめんなさいね。お母さんが乱暴された後の処理を全部引き受けてくれたせいで、心に深い傷を負わせてしまって。男の人がみんな乱暴で、悪い人ばかりじゃないのよ?アガサ人だからと、毛嫌いしないであげられない?」

そう言うと、マーガレットは、「ルドーさん、確かにいい人のようだけど、戦争がきたら国が違う人は敵になるわ!善人の顔をして、女を傷つけるもの!」
と声を震わせて泣きながら訴えてきた。

母は、「人を傷つける人は、同じ国の人でも傷つけることもあるし、違う国の人が絶対そうとは限らないのよ?戦争だから仕方ないとは言わないわ。ただ、アガサ人だからと、最初から拒否だけは、やめてあげられないかしら?」
すると、「明日には帰るんだから、仲良くする必要ないもん。」
マーガレットは、頑なに拒否。

母は、「マーガレットの気持ちはわかったわ。ゆっくりおやすみなさいね」

そう伝え、母は部屋を出て行った。

マーガレットは、心の中では、ルドーさんは多分優しい、いい人だと思う。それに上品だった。

押しかけてきた兵士とは全く違う。それはわかる。頭では理解出来るけど、心が拒否。身体も震えるの。
それを伝えることがどうしても出来なかった。
13歳の当時、心に深い傷を負い、3年経っても男性恐怖症になったことを隠して、辛い日々を過ごしていた。

母は、部屋から出て、夫と長男、ルドーの4人で話をした。

ルドーには、事情を話した。

険しい顔をしたルドー。そして「戦争が終わったのに、押し入り強姦を…」と怒りの様子。

「当時13歳だったマーガレットには、ショックが大きかっただろう。同じ国民として許せないな。今はトラウマになっているのでは?」

そう聞いたルドーに「家族以外の男性に恐怖心があるみたいだけど、マーガレットは私達に心配かけないよう、隠しているのよ」

「そうですか。カウンセリングを受けた方がいいと思いますがデリケートな部分だし、思春期だし。判断難しいですね」

そう言って「マークのお母さん。辛いことを聞きますがいいですか?暴行をした相手の特徴、思い出せる範囲で教えていただけますか?お父さん、辛いことを奥さんにお聞きしてすみません。ただそのまま、野放しにしていい人間じゃないので。終戦後に、一般家庭に押し入ってるのは完全に規律違反です。特定して捕まえようと思います」

とルドー。今までの優しい雰囲気から一変した。

そして思い出せる範囲を声を震わせながら話だした母。

男たちは、拳を握り締め、静かに聞いていた。
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