魔法少女 is living dead Magical girl is living dead

#001. 開演

　今日は晴れだった。空は蒼くて、地は血で染まり、何もかもが変わってしまった。

　──私は塩長遥しおながはるか。中2の14。特徴は、ちょっと胸が大きい事ぐらいで、其れ以外は何も無い。
　私は学校で虐められている。
「何か喋れよ！」
「うぅ…」
殴られ蹴られ散々な毎日。虐めっ子の名前は大咲柳おおさきやな。
　虐められる理由は、私のクラスに居る、稲葉莧寺いなばけんじと云う、イケメンな感じの人と話していたのを見られて、嫉妬されて今に至る。

　ある日、私は屋上から外を見ていた。すると、何かの騒ぎ声が聞こえて、校門の方を見ると、先生達が学校の外に居る人と、口論になっていた。
「もう！柵を叩かないで！こわれるでしょう？！」
1人の先生が、外の人の髪を掴み、
「2度と来るんじゃねぇ！」
すると、外の人は先生に抗って、先生の腕に噛み付いた。
「うわぁ！何しやがる！」
血が激しく飛ぶ。
「うぅ…あぁ！」
噛まれた先生は震えだし、静止した。
「先生？」
「ウァァ！」
「ひぃ！」
先生なる物は、叫び声を挙げた先生の首元に噛み付いた。
「ギギ、アギャ…」
血が激しく飛び、校門付近はまるで殺人現場の様になった。
「噓？」
私は屋上を出て、教室に戻った。教室は賑やかで、五月蝿かった。
　私は自分のロッカーに向かった。すると、ロッカーには見慣れない物が入っていた。
　銃の様で、銃じゃない物の様。
　其れを手にした時、放送が鳴った。
「み、皆さん！雀蜂が侵入しました！雀蜂が侵入しました！皆さん！う、うわぁぁぁ！助けてくれぇ！」

ゴリッ　ビチャッ　プツン

放送が切れてしまった。
「………」
全員唖然として、声が出なく、数秒程の静寂が教室中を舞った。
「うわぁぁぁぁ！逃げろー！」
全員が叫び声を挙げ、教室から飛び出した。私も出ようとしたが、稲葉莧寺に止められた。
「行くな」
「え？うん」
教室には、私と稲葉莧寺、赤谷康介あかやこうすけと、よりにもよって大咲柳が残った。
「チッ、こんなのと一緒かよ…」
大咲が云った。
「大咲！やめろ！」
「チッ」
大咲が舌打ちし、赤谷の腹を殴った。
「痛ーよ！何すんだよ？！」
「腹立つのよ！」
私と稲葉はただただ呆れて、
「行くか？」
「そうしましょうか」
そう云って教室の扉を開けて、廊下に出た。
　廊下には、普通じゃない者達が居た…
「何だよ、アレ…」
　其れは肌が灰色っぽく、口から血を垂らし、言語を話さない、とても同じ人間とは思えない外見をしていた。
「ウァ？」
「あっ」
其れ達は一斉に此方を向き、歩いて来た。
「やべぇぞ！」
其れはどんどん近づいて来た。私は教室の掃除用具から箒を取り出して、ぶっ壊して槍の様にして、其れに突進した。
「塩長！」
　私は箒を其れの左眼に刺した。すると、血が大量に出て、バタッと倒れた。
　私は箒を抜き取り、他の奴等にも刺した。廊下中が血で染まった。