魔法少女 is living dead Magical girl is living dead

霜月麗華

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#002. Magical girl is living dead

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 私達は廊下を進み、外を目指した。廊下にはまだ其れ達が居た。
「アレ、何なんだろうな?」
「ゾンビじゃん…」
 すると稲葉は、床に落ちていた瓶を、其れの近くにあるロッカーに向けて投げた。投げられた瓶はロッカーに当たって割れた。
 其れ達は音に反応し、ロッカーに向かって歩いた。
「やっぱり…音か」
稲葉が云った。
「ねぇ、あれって眼見えてんの?」
大咲が赤谷に訊いた。
「いや、僕に聞かないで」
「はぁ、役に立たないわね?」
すると稲葉が口を開き、
「行くぞ」
私達は音を出さずに廊下を進んだ。
「結構雑魚いじゃないの?」
大咲が小声で云った時、其れ達が一斉に此方を向き、
「ウァァ」
と云って此方に向かって歩いて来た。
「走れ!」
稲葉が皆んなに云った。
「マジかよ!役立たずなの大咲じゃねーか!」
赤谷が云い、
「はぁ?!」
大咲がキレた。
 私達は普段歩く廊下を走った。すると、大咲が脚を挫いて、倒れた。
「大咲!」
稲葉は助けようとした。
「嫌…噓…来ないで…嫌…嫌…嫌ーー!」
「大咲!」
大咲の首に其れが噛み付いた。血が激しく飛び、壁に付く。
「ギギ……あぁ」
「噓だろ?」
其れ達は死んだ大咲に群がり、肉を喰う。
「に、逃げよう!」
「あ、あぁ…」
私達は廊下を走った。


【5分後】

 私達は仕方なく、空いていた家庭科室に避難した。
「どうする?」
「私に聞かれても、、」
稲葉は頭を抱えて、椅子に座る。
「でもまずは、学校から出ないと」
赤谷が云い、家庭科室の棚から庖丁を取り出し、
「奴等って、頭が弱点じゃないか?」
「え?」
稲葉は、
「訳がわからねー…」
私は外を見て、
「この学校で生き残ってる人って、私達だけかな?」
「不吉なこと言わないでくれよ」
稲葉はそう云い、
「行くか?」
「……そうしましょうか」
私はポケットに入れていた銃の様な物を取り出し、廊下に出た。
「塩長、お前の持ってる奴、何だ?」
稲葉が訊いた。
「分からない。何故か自分のロッカーに入ってた」
「ハンドガンかな?」
赤谷が云った途端、廊下の奥から其れが此方を向いた。
「マズい!」
稲葉が云った。私は銃を構えて、
「遠いよ!」
「と、兎に角狙うんだ!」
「わかってるわよ!」
赤谷にキツく当たってしまった。
「あーもう!兎に角当たれー!」
私は引き金を引いた。轟音が鳴り響き、弾の様な物が勢いよく銃から出て、廊下の奥に居る其れの頭に当たった。
「やった!」
私は2人の方を向いて、
「どうよ?」
「お、お前…何だよ、その姿。変だぞ?」
稲葉が云った。赤谷は
「その銃、やっぱり…変だ」
「え?」
私は身なりを確認した。服は、見た事ない服だった。まるで、アニメに出てくる魔法少女見たいな…変な服だった。
「何…これ?」
腕の力が抜けて、ダラっとした。其れと同時に、元の姿に戻った。
「弾を撃った時、何か違和感はなかったか?」
稲葉に訊かれた。
「…ハンドガンなのに、スコープみたいなのが眼に見えた…あと、弾が落ちなかった様な気が…」
「…能力?」
赤谷が突然、
「弾撃った時の音、しなかったよね?バンって…」
私には理解出来ない状況だった。
「でも、話す前に…此処を出ようぜ?」
稲葉が云った。気付かない内に、其れが廊下にうじゃうじゃ居た。
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