魔法少女の心臓 Magical girl heart

#002. バレンタインデーの血

　退院した。少女の行方はわからなくなった。

　2日後にバレンタイン。私は幼馴染みの雄介ゆうすけに義理チョコを渡す為、チョコを作っていた。
「うーん、此れじゃない」
私はそう云い、チョコを食べる。中々良い味の物が作れない。
「…此れだ！」
中々良い味のチョコが作れた。私はそのチョコに、白いクリームのペンで、文字を書いた。

『ダ』『イ』『ス』『キ』

うわ、なんか恥ずかしい…。
「義理チョコじゃ、ないな…」
私はチョコを箱に入れて、箱を可愛い袋に、保冷剤と供に入れた。

　──2日後、バレンタインデーが来た。
　私は教室で、雄介に義理チョコを渡した。
「義理チョコ？ありがとう」
彼は箱を受け取り、机の中に入れた。
　私はその後、自分の席に座った。

　　　　　　　◾️

　──魔法少女になってから、私は毎日同じ夢を見る様になった。私以外の人々が、破裂して血を撒き散らすと云う、かなり非現実でグロテスクな夢だった。その夢を見始めた頃から私は、属に云う反抗期になっていた。母に反抗して、父に反抗して…そして何かのストレスを発散する為に私は、家にあった皿を床に叩きつけて割った。母から、「何やってんのよ！反抗期なんだか知らないけど！ふざけないで！」と怒鳴られ、父からは、「利香、お前は私達を嫌っているのか？なんなのだ？」と嫌味だかなんだかを云われて…私は両親を更に嫌った。私は学校で雄介に、
「私、反抗期っぽい」
「知らないよ。オレ」
「えー…」
私は残念そうに云って、
「義理チョコ、どうだった？」
彼は顔を赤くして、
「大好きだ。利香」
と云った。

　　　　　　　◾️

　私は、あの男に呼び出されていた。