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後編 青年と大精霊
25,言いたかったこと
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それからライアは一時間ずっと泣き続けた。
アーロルはずっと彼女のことをギュッっと抱きしめていた。
ようやく落ち着いたころ、ライアは決心したように口を切り出した。
「あのね、アーロル。精霊が、こんなこと言っちゃっていいのかわからないんだけど、私、昔から、あなたのこと――」
今回のことがあって、やはり構わず伝えないといつ言えなくなってしまうかわからない。
そう思った彼女は真っ先にそう切り出した。しかし、
「待ってくれ、ライア。すまん、おれも言いたいことがあるんだが先に言っていいか?」
「え?」
「俺、ずっとライアのことが好きだったんだ。」
アーロルもまた、前から自分で言おうと決めてはいたようだ。
「へ……?」
「初めて会った日には自覚していなかったのに、あの後町に帰ってから気づいたんだ。俺はあの可愛い精霊に恋をしたって――。」
「そんな……私、今までさんざんあなたに好きって言えなくて困ってたのに、そんな、もっと早く言ってくれればよかったのに……」
精霊が人間に恋するなどということも、その逆も、まったく聞いたことがない。
この世界においてそれは決して結ばれることのない、禁断の恋だったのだ。
「ごめんな……」
「ふふっ。でも、よかった。私もあなたのこと大好きよ。」
二人はギュッと抱き着いて、そのまま黙り込んだ。
ライアにも体温が回ってきて、いつしか逆に熱いくらいになった。
次第にライアの顔が赤くなっていく。
「ね、ねえ、あのね、アーロル、」
「ん? なんだい?」
「私がなんで大精霊になったか、分かってる?」
「俺にいっぱい蜜をくれるためって……」
「ああ、やっぱり知らなかったのね。だと思ったわ。」
「いや、もちろん森をより一層管理できるようになるとか、さらに強くなれるとか、知ってるぞ。さすがに俺だってそんな自分都合で考えているわけじゃ――」
「でも肝心なこと知らないんでしょ?」
「なにか他にもあるのか――?」
「上位の精霊はね、人間との間に子供を作れるのよ。」
アーロルはずっと彼女のことをギュッっと抱きしめていた。
ようやく落ち着いたころ、ライアは決心したように口を切り出した。
「あのね、アーロル。精霊が、こんなこと言っちゃっていいのかわからないんだけど、私、昔から、あなたのこと――」
今回のことがあって、やはり構わず伝えないといつ言えなくなってしまうかわからない。
そう思った彼女は真っ先にそう切り出した。しかし、
「待ってくれ、ライア。すまん、おれも言いたいことがあるんだが先に言っていいか?」
「え?」
「俺、ずっとライアのことが好きだったんだ。」
アーロルもまた、前から自分で言おうと決めてはいたようだ。
「へ……?」
「初めて会った日には自覚していなかったのに、あの後町に帰ってから気づいたんだ。俺はあの可愛い精霊に恋をしたって――。」
「そんな……私、今までさんざんあなたに好きって言えなくて困ってたのに、そんな、もっと早く言ってくれればよかったのに……」
精霊が人間に恋するなどということも、その逆も、まったく聞いたことがない。
この世界においてそれは決して結ばれることのない、禁断の恋だったのだ。
「ごめんな……」
「ふふっ。でも、よかった。私もあなたのこと大好きよ。」
二人はギュッと抱き着いて、そのまま黙り込んだ。
ライアにも体温が回ってきて、いつしか逆に熱いくらいになった。
次第にライアの顔が赤くなっていく。
「ね、ねえ、あのね、アーロル、」
「ん? なんだい?」
「私がなんで大精霊になったか、分かってる?」
「俺にいっぱい蜜をくれるためって……」
「ああ、やっぱり知らなかったのね。だと思ったわ。」
「いや、もちろん森をより一層管理できるようになるとか、さらに強くなれるとか、知ってるぞ。さすがに俺だってそんな自分都合で考えているわけじゃ――」
「でも肝心なこと知らないんでしょ?」
「なにか他にもあるのか――?」
「上位の精霊はね、人間との間に子供を作れるのよ。」
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