獅子騎士と小さな許嫁

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小兎な許嫁編(1)

9.

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 ここ数日、クランは父王と喧嘩中である。ラパスとの婚約が世に知れて間もなく隣国にでた為に危険な目にあって、さらった犯人をかばったのだ。父王は激怒し、クランが国から出ることを禁じた。

 クランは1か月後には18歳を迎える。見た目はそれより幼いのだが…クランは窓の外をみて本日何度目かのため息をついた。

 その日の夜の食事の後テーブルを囲み父王はクランに告げた。

「クランひとつだけ…お前の望みを聞きたいが何がある?」

「ナクシス国に行きたいです。他の国が危険ならラパス様の国なら安全じゃないですか?それにラパス様の事がもっと知りたいです。」

 ハミン国王はため息をつき…王の后がクランの擁護に回った。

あなた、ナクシス国の女王に相談されてはどうです?ようやくできた婚約者の相談くらい聞いていただかないと。ラパス様の敵は多くいるようですし。」

 ハミン国王は急に名案とばかりににやつきだした。

「うむ。それはいい!早速書簡を送ることにしよう。」

 后はやれやれ、と言った感じでクランに笑みを向けたのだった。




 <数日後。>

 ナクシス国のルイヴ女王より書簡が来た。それは、好奇心旺盛なクランの性格を考えクランにナクシス国の図書館の管理補佐を任せたいと言う。女王の判断で、行き帰りの護衛はナクシス国から提供すると書かれていた。書簡を受取ったハミン国王は言い出したことに後悔し…その日の夜の食卓は葬式のようであった。

「…と言うわけだ。まさか、クランを向こうに預けることになるなんて…」

 書簡の内容を説明したハミン国王は深いため息をつき、后はやれやれと言った感じで言葉を発した。

「護衛をつけてくださるならよいではないですか?あのナクシス国の護衛なら強いかたをつけてくださるでしょう。あちらの国の事も色々分かればこちらも有利でしょう。良かったのではありませんか?」

 后の笑みに王はようやく笑顔を取り戻した。

 クランはそのやり取りを目にしこれからの事を考え目を輝かせたのだった。

(はわぁわわわぁ~。どんな本があるのかしら。童話?歴史書?色んな技術書もみてみたい
!)
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