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小兎な許嫁編(2)
11.
しおりを挟む図書館の管理補佐として、初日…クランは館長であるハラン・ガナン60歳の男に挨拶をした。
「この度は図書館の管理補佐に参りました、クラン・ハミンです。よろしくお願い致します。」
白いブラウスにシンプルな黒のロングスカートでやって来たクランに館長は制服として藍色のローブを手渡した。
「今日からあなたは図書館の管理の一員です。これは本の整理作業する我々の制服です。城で見分けがつくよう持ち場ごとに色違いのローブを身につけております。」
そういって手渡されたローブをクランは身に付けた衣類の上にはおった。
乳白色の髪は後ろに束ねたがやや右寄りのため右肩に束が垂れている状態である。18歳に間もなくなる少女は見た目はそれより幼く見え小柄なため、可愛らしい。ハランは髪を撫でたい衝動をこらえて、仕事内容を教える、もう一人の管理補佐のヤイバ・スーリア25歳の男を紹介した。
「ヤイバ、こちらは今日から図書館の管理補佐の任についたハミン国の姫様だ、ラパス様の婚約者様だから変なきを起こさぬよう…仕事内容を教えて差し上げなさい。」
「はー、ヤイバ・スーリアです!よろしくお願いしますね。」
ヤイバはこの国に珍しい赤茶色の髪の青年、クランの見た目幼すぎな容姿と、城にいる18歳の人間を何人か思い浮かべ見比べ…。首をかしげながらクランを連れて館内を歩き始めた。
こうして図書館の管理補佐の仕事が始まり…クランは本の乱れ、修復作業が日課になった。しかしこの初日に、ラパスの訪問はなかった。クランも全くきにすることなく…日々初めて見る本の多さに心弾ませ熱心に仕事に明け暮れ…クランは婚約して初めての…18歳の誕生日を迎えた。
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