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10話【2人の誓い】*
しおりを挟むその日の夜遅く、図書室の扉の開く音がし、私室で読書して待つヨナのもとへルイスは現れた。
「お疲れ様です。」
「ああ。」
ヨナが部屋の入り口で普段着のワンピース姿で出迎え、ルイスを案内するよう部屋奥へ寄り添うように入っていった。
* ・* ・ * ・ * ・* ・ *
長い時間、寝室での行為の後で二人は服を着ると、ベッドに向かいあって座った。
「ヨナ、大事な話をする。」
「はい。」
ルイスはヨナのてを握った。
「先の話になるが、お前をいつか妻に迎えたい。」
「嬉しいんですが、私はずっとここにはいられないんです。」
ヨナは嬉しい反面叶わないことだと思い悲しくなった。
「わかっている。ヨナが私を受け入れてくれるなら、派遣の任務を終えたら故郷でヨナのできることをして欲しい。」
「出来ること?」
ヨナは考えた事もなかったルイスの言葉に、思わず首をかしげた。
「ああ。一緒になれる方法はあるんだ。ヨナは魔女、私とヨナの関係を最高位の魔女に話せば問題はきっと解決する。」
「……あっ!」
ヨナはようやくその意味を理解した。【自分が王族と同等である証】を持って来ればよいのだと気がついた。
「それは派遣の任期が終わってからの方がよいですか?今、戦争が起きないか噂されています。もしも戦争が起きたら、私は強制的に戻され、この国の勝敗によっては戻れなくなるかもしれません。焦っているわけではないのですが大変な時期こそ共に戦いたいのです。ルイス様が認めてくださるなら、休暇をもらい、直ぐにでも故郷マルスーン国で最高位の魔女様から【マルスーンの魔女の証】を手にして、あなたと結ばれたなら、あなたの力になれるはずです!」
ヨナはルイスのてを握り訴えれば、ルイスはとても幸せそうに、満面の笑みを向けると、ぐいっとヨナを引き寄せ強く抱き締めた。
「ヨナ、ありがとう。私は何て幸せなんだ!」
「ルイス様、痛いです!じゃあ、早急に休暇の申請しますね。」
「ああ。なあヨナ、もう一回…」
ルイスは胸に包み込むヨナを見つめれば、ヨナは潤んだ瞳で見上げ、小さく恥じらうように頷くと、ルイスは再びヨナと体を重ねた。
・ * ・* ・ * ・
翌日、再びルイスは総大将に呼び出され、ヨナの事を報告した。総大将は、ヨナが戦力になるなら、好都合であると…おおいに喜び、戦争が起きるかもしれないこの時期、期待を膨らませたのだった。
・ * ・* ・ * ・
ヨナは行動が早く、数日後申請をとると、図書室の休館日を三日ほど持ち、ナハース国を旅立った。
聖獣の大きな狼にまたがるヨナは藍色のフード付きのロングコートを身にまとい、ナハースの国境を目指せば、戦争を匂わせる敵国の密兵に襲撃され、魔力を集めた紫色の球体を複数投げつければバンバンと敵の頭上で爆発をし、バタバタと兵は気絶し、ヨナはルーを走らせ先を進んだ。
「侵入者が増えてるのかしら?」
ヨナは様々な憶測を脳内に繰り広げながら〈度々遭遇する襲撃を魔法で蹴散らし〉今、行動すべきなのだと改めてその身に感じた。国境の門へ着き、急ぐように通行書を見せた。ヨナは国境を抜け、マルスーン国の王都へと向かったのだった。
(早く、早く戻ってあなたの役にたちたい!私はもう、あなたが好きで、好きで!会えなくなるのは嫌なんです!)
「ルイス様、必ずよい結果を持ってもどります!」
数日前の晩の濃密な逢瀬を思いだし、胸の奥を熱くさせたヨナの姿は恋しているせいか、以前よりより美しく輝いていた。
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