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友達no.7
しおりを挟むアズの一日は伝書の無い日や、半日だけですむ日は、空いた時間にふわふわ運送内での手伝いをしていた。伝書の時以外は人の姿ですごすアズはこの日、午後には伝書を終えて帰宅すると、今日は手伝いは要らないからと、お休みをもらうことになったのだった。
+ + +
紺色のワンピース、足には赤いサンダル。赤いポーチを肩からさげて、走り出した。向かった先は食堂で、お昼のピークを過ぎたそこは客も二人ほど、アズは店に入って人を呼んだ。
「ルカー!」
厨房奥からアズと年の近い子供が現れた。見た目は黒いズボンに黒いサンダル。上は黒いシャツで、シャツの上にはコック服。髪は短い黒髪で少し目付きの鋭い、中性的な子供だった。
「あー!アズ、来てくれたの?じゃあお出掛けしようよ!」
「うん!行こ行こー!」
全身黒一色のルカはコック服を厨房の隅にある椅子に置いてホールの母親に声を掛けるとアズの手をとり店を飛び出したのだった。
二人は町の出店を渡り歩き、アイスを食べながら歩いていた。
町の中央にある塔には神官という人が竜の神様を守っている。今日は塔で年に数回ある儀式に王様が参列して、近衛部隊が警護していた。
遠巻きにそれを観察するのは集まった町に住む人達。アズたちは、アイスを食べ終え、その人ごみの中へと入って行った。
アズはルカとてを繋いではしゃいでいるなか、警護する近衛部隊に最近知り合ったジューンの姿を見つけ、ジューンもアズに気がつき目を見開かせた。
アズはルカに気づかれないよう小さく会釈し、塔の中で行われる儀式がよく見える場所へと移動したのだった。
ジューンは巡回を装い、アズたちの前に現れ、偶然を装い声をかけた。
「やあ、今日はお休みですか?」
「午後からよていが空いたので親友と食べ歩きしてます。」
アズは目を細めて笑い、ルカはアズの腕にしがみつくと、ジューンを睨むようにして、ジューンから離れようとしていた。
「アズ気を付けて!アズは可愛いから拐われちゃう!帰ろう!」
「お仕事頑張ってください。じゃあ。」
アズはルカと共に人ごみを抜け、遥か遠くへ走り去った。
「ジューン!持ち場を動くな!私語禁止!」
「はい!」
ジューンは、アズと親しげな少年に思われる全身黒で統一したルカに不快感を抱き…警護の決められた配置場所へと異動した。
アズたちはそのあと服屋にたちよった。
「ルカは女の子だからスカートはいてみたら?」
「嫌!料理人はスカートははかないの!」
頑なにスカートを拒否するルカに、アズは店内にある黒ユリと白ユリの髪どめを目にして、ルカに勧めた。
「私は白ユリの髪どめつけたいな!ルカー!お揃いでこの黒ユリの髪どめつけたら?」
「お揃い!髪どめかあ~」
「ルカ、嫌なんだ?」
アズは金色の瞳を潤ませれば、ルカは慌て出していた。
「違うよーアズと特別な仲だってみんなに見せつけたいから、つける!つけるからなくなー」
「じゃあ決まりだね!」
こうして、アズは笑顔になると二人で髪どめを手にしてアズは白ユリの髪どめを買いルカは黒ユリの髪どめを買い、二人は互いの前髪端に髪どめをつけると再びてを繋いで町の中を食べ歩いたのだった。
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