元悪徳魔導士は白猫魔女の愛妻を持つ

yu-kie

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魔女のお目付け役になった話

12 新しい魔導士

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 魔法省の長の前、ジンは魔導士の正装で直立していた。

「ジン・レペサ・スハン、どうやら君がいるほうが、森の遺跡泥棒から情報収集しやすいようだ。今回、闇組織の詳細もわかり、討伐に向け部隊を結成することが決まった。魔女グリアのやり方をみてわかると思うが、彼女が捕まえた泥棒は皆死にかけで運ばれているため、情報収集もままならなかった。人間離れした神経の彼女1人に任すには大変なのも一つの理由だと思われることから魔法議会で、君を魔女グリアと森を守る役目をしてもらうことが決まった。」

「それはお目付け役と言うことですか?」
「そうだ。君がしっかり魔女をサポートし、魔導士の育成も任せたいと考えている。」
「育成ですか?」
「君はもともと最高位の魔導士の1人。現場復帰はできないが、若い魔導士をそちらに派遣し、君たちの役目の手伝いをして勉強してもらう。それだけだ。」
「グリアの家に住まわせるんですか?」

 ジンが少し不服そうに聞けばレイは表情一つ変えずに頷いた。

「そうだ。」
「わかりました。」

 ジンは渋々頷き、部屋に1人の少女が入室した。

「ルイ・シュア。10歳だがこの春最年少魔導士になった。能力はあるがまだ集団での行動には不向きなため、親代わりになったつもりで頼みたい。」

 可愛らしく、おかっぱ頭の少女はニコニコとしてジンの前に現れお辞儀をした。

「ルイ・シュアです!よろしくお願いいたします!」

 ジンは目眩がしそうになり数歩後退りしたのち、一礼をした。

「わかりました。」
「頼んだ。」

 こうしてルイを連れ、ジンはグリアの待つ森へと向かった。ジンは心の中で泣き叫んだ。

(グリアだけならまだしも、扱いにくい…こ、子供も一緒なんて。俺にできるのか?いや命令だ。無理なんて言ってられない。俺がしっかりしないと!やるしかない!じゃないか。)

 ルイはジンのてを握り、ジンは作り笑いをして誤魔化しながらてを握り返すとグリアの待つ、森の家に転移した。

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