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しおりを挟むスティアは帰ってゆくライカの後ろ姿を見送りながら瞼から頬を伝う涙を拭いかんがえていた。
(私の体は魔王のときのようにはうまく行かないのね、そうよね、あの力があれば私が私じゃなくなる。昔みたいな野蛮なことはしたくないもの。きっとこれでいいのよ、うん!)
こうしてスティアは前世の力は器が(体)が違う為に出せないのだと納得させた。
気持ちはパッと切り替わったスティアほ、先程までしょんぼりしていたのが嘘のように、清々しい表情になり、屋敷に向かい駆け出した。
「ルル、キキお部屋に戻りましょ?」
「「ワッフン。」」
ドレスの裾は風に舞い、ズロースを露わにしていることも気にもとめず狼達と、屋敷の自室へ向けておいかけっこを始めたのだった。
††††
更に1週間立つ頃、父リューイは一週間早く仕事復帰の初日を迎えた。
「父様大丈夫ですか?」
駆け寄るスティアは父の手を握り心配そうに見上げると、リューイは凛として佇んでいたのが頬を緩ませスティアをギュッと抱きしめた。
「スティア~父をあんじてくれるのか~可愛い子だぁ~大丈夫だ。ライカ殿下が頑張っておられるんだ、私の怪我ももう大分良くなったからね、医師から許可をもらって今日から復帰だ。ほらもうこんなに元気に…」
リューイは調子に乗りスティアを抱き上げ持ち上げる直前、強い電撃を受けたようにビリビリビリ!と痛みが走り思わずスティアを抱き上げていた腕が力をなくし、スティアは落下。迎えに来ていたライカが見事にスティアをキャッチした。
「あなた、無理はいけませんよ。」
「わかっている。はっはっは、無理はしないよ。スティア~抱っこはしばらく、おあずけだ。すまないね。」
「はい。」
スティアはライカの腕の中で笑顔で答え、ライカはスティアを離すタイミングに困りながらも、ミルクの匂いのするスティアの髪に鼻を寄せ、鉄壁無表情のまま思わずスティアを連れたまま屋敷を出ようとしたところで、追いかけてきた母ルティーの手が伸びスティアを捕獲。
ライカの腕の中は空っぽになり、ライカは思わずため息を漏らした。
「ライカ殿下、気に入っていただくのはよいですが、スティアは置いていってください。」
「…」
ライカはスティアを奪われ一瞬ルティーを思わず睨むが、ルティーも負けじと口をへの字にして睨み返し、二人の視線を遮るようにリューイが間に入り、ライカの背中をポンポンと軽く叩き〈屋敷を出ようと〉促した。
「お父様、ライカ様、行ってらっしゃいませ!」
母の腕の中からスティアは出かける二人に声をかけ、ようやく冷静になった母が続くように声を発した。
「あなた、気をつけて。」
「行ってくる。」
スティアは父の背中を、ライカの背中を見送りながら、ふとこの先のことを考えた。
(ライカ様はあの日大丈夫だと言っていたよね。私には魔法も使えないし…力だって弱い、それによく泣いちゃう。でも!父の役にたちたい。私にも何かできないかしら。私にできる事…)
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