竜騎士は魔女猫を溺愛中。

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1章〔記憶を戻した自分のその先。〕

王さま公認の印。

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王様は魔法使いのワルーい顔に気付かず、話を続けた。

「小さな魔女。君はもう一つの姿が人を惑わすとか…ギルも惑わされているんじゃないかね?可愛がって裏切られる心配はないのかね?」


「…王様、この子は10年もの間記憶と力を封じられていたそうです。封印が解けてからは色々と私を助けてくれます。遠征中も盗まれたドラゴンを手懐け奪い返し、また、私の命を狙うものから救ってくれました。賢く、優しい子です。封じられた時に何をしたかは知りませんが悪さをした罰を受けたのでしょう。お陰で私は可愛い子猫を我が家に迎え家族同然にしております。だからでしょうか、私はこの子を信じております。ですから敵ではありません。」

「ふむ、疑って悪かったね。シルムが若い頃その魔女の誘惑にやられたようでね、封印魔法をかけたと聞いている。」

王は隣にたつ魔法使いをちらりと見て、再びギルを見て話した。

ギル様は魔法使いを睨んでいた。

「シルム殿は先程から私の大事なララを睨んでいるようですが。」

「シルム、あれを猫の魔女殿に渡してやりなさい。」

「はい。」

シルムと呼ばれる魔法使いは私の目の前に来ると手にもつ木箱を開けた。

「魔女猫、ギル殿から降りなさい。王公認の魔女の印を渡す。」

魔法使いのシルムは睨んだように見えた目は、近くで見ると切なく見える何故だろう。箱から出てきたのはおっきな桃色の魔石のブローチでギル様に付けていただいてるピンクの首輪にシルム様は恐る恐る付けられ、頭をくしゃりと撫で、彼の両手が私の両頬をプニプニと引っ張った。

「はへ?悪いことしたから怒っていたんじゃないれふか?」

んーうまく話せない。

「ギル殿の愛情で今の君がいるのだね。主を大切にしてね。」

「はい!」

どうやらシルム様は許してくれたみたいです。

睨んでいるように見えた視線はそうじゃなかったのだけど…その意味は今だ不明。ただ解ったのは許してくれたと言うことだ。

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