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2章《旅・立》
《3》野宿。
しおりを挟む朝が来て…黒魔女討伐隊は出発した。
基本部隊となって団体で行動する。
命を狙われる危険があるためだ。
そして、目的地周辺でチームごとに散らばり総索する。
討伐と、発生源を絶つ事が任務とされた。
僕らは皆基本陽気で愉快にいるが、それはある意味メンタルを安定化させるためでもあった。
敵に遭遇すれば命にか関わることも多く前任者の数名命を亡くしたものもいたと聞く。
移動を始め、その日の夜はテントを張り野宿した。
薪の火の番を交互にするのだか、僕が交代し、火の前に坐り…皆休んでいるため…孤独を感じたりする。
耐えれない。
トラウマが孤独を支配しようとして、僕は身を屈め、彼を呼ぶ。
『ゼイヤ…。』
石から幻が現れる。
…黒髪をなびかせた凛々しい…頼れる…尊敬する人。
《姫、どうしました?》
『孤独は怖いの。』
僕は目を潤ませ両手を広げる。
幻のゼイヤさんが抱き締めてくれる。
暖かなわずかな感触。
彼がおまじないだと僕の唇に自分の唇を寄せる。
口を通して伝わる安心感。
孤独の恐怖が息を潜める。
『ゼイヤさんありがとう。もう大丈夫。』
そう言うとゼイヤさんは石に戻った。
火の番、ちゃんとしないとね。
僕は薪火の前で頬を叩き気合いをいれる。
『みはり、みはり!』
こうして夜は更けていった。
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