青色ドラゴン娘は夢を見る

2章《旅・立》

《5》集合体。

巨体な烏は空高く舞う僕に何度も威嚇をするが僕は去ろうともせず…

体当たりをする。

烏に怯まず…弱点を探す。

烏の額の石が紫に輝き、力を与えているかのようだった。

尻尾をぶつけたり、互いに噛みつきあったりして、巨大な烏は、小さなほころびのように、小さな烏が巨体に同化したり離れたりしたのを見つけ…集合体であることに気がついた。

ならば、烏たちを正気に戻せたら散らばるのではないかとアイは思いついた。

『癒しの風。』

※

僕は翼を広げ羽ばたかせ全身を使い青と翠の光の粒を放出し、大量の光の粒は巨体の烏を包んだ。

邪悪な紫の魔石は破裂した。

癒しの力を吸収した反動で破裂したのだ。

巨体は無数の烏の群れへと変化し散らばった。

烏は片付いた。さて、皆は黒魔女をとらえれたか…ひとまずこの姿のままで屋敷の方に僕は飛んだ。

※

黒魔女は烏の呪いが解けたのを目の当たりに…

その時すでに討伐隊に囲まれて、魔女は動じることなく呪いのちからを発動させ、討伐隊を錯乱させた。

見えてるものが幻だったりして、敵を攻撃したはずなのに味方を攻撃したり、そんな風で屋敷回りはぐちゃぐちゃ。

屋敷の屋根で魔女は嘲笑う。

『仲間に何してくれてるの？』

魔女は自身の前に飛ぶドラゴンの僕に目を丸くした。