偽の暴君,漆黒騎士の許嫁です

yu-kie

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第1章【許嫁の始り】

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 数日後…

 マヤはある日王女として孤児院のお祭りに足を運んだ。姉たちは国内各地を回ることはよくあったが、マヤがそういったことをするのは初めて。

 護衛の騎士をつれ馬車はマヤをのせて走りだし、施設へと到着した。

お祭りは、施設の小さな子供達によるダンス。マヤと年の近い子供達による合唱。イベントの最後はみんなでテーブルを囲んで彼らの精一杯のもてなしで差し出されたものを口にした。

 帰るとき…施設にいたものだろうこの国には珍しい褐色の肌のみすぼらしい青年が今日のお礼だとごっそりマヤにプレゼントした。

「ご婚約おめでとうございます。子供達が作ったお菓子です。どうぞお召し上がりください。」

「ありがとうございます。」

 受け取ると、青年は足早に人混みの中へと姿を消した。

 「なにかしら、帰ったらみんなで食べようかしら、まず一個だけ食べてみよう!ふふふ。」

マヤは帰りの馬車の中で嬉しそうに木箱を開け…人の形の焼き菓子を手に取りひとつ口にしたのだった。

 その直後、馬車は突然強く左右に揺れ出し、馬車の扉がふっ飛び、中から瑠璃色の毛色の小柄なメスの獅子が飛び出してきた。一度は立ち止まり…マヤの護衛の騎士の攻撃を軽々とかわすと、林の中へと姿を消した。

 護衛の騎士達がマヤの安全を確かめるため馬車の中を覗けばそこには焼き菓子の入っている蓋の開いた木箱と食べかけの焼き菓子が床に転がっていた。

この日マヤは突如消え…そして、残された箱と焼き菓子は城へと届けられたのだった。マヤの残した唯一の手がかりとして…。

国中が大騒ぎになるなか…リュシンも呼ばれ、捜索に乗り出すことが決まった。

しばらくピッシュ国の城に滞在することになったリュシンは会議に参加し…手がかりとなる焼き菓子と箱からあることが判明したことを知る。

 「箱には、白紙のメッセージカードが残されていました!」

不思議に思ったリュシンは兵の一人に火であぶるように指示をすると…そこには【リュシン・ザバスへの復讐である。】と書かれた文字が浮き上がっており、お菓子の成分に獣化の成分が含まれていることが判明したのであった。

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