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任務・隣国
シャロの任務・隣国 2
しおりを挟む転移した最初の日、シャロ達はジアーナ国王太子に呼ばれ謁見の間に通された。
表向きはニサが、親戚の獣専門の治療師シャロを迎えにバハート国に行って来た事にして…王太子アギー・ミアナ・ジアーナの前で紹介した。現在騎士服ではないキアヌは黒いパンツに白いシャツ、その上に丈夫な素材のエプロンを身につけて治療師シャロの助手として、シャロにべったりくっつくように…シャロの真後ろにたっていた。
「治療師のシャロ殿か…前髪で隠れているが…ふむ。ニサと同じ瞳の色とは…」
「はい。親戚のシャロでございます。原因不明の不調のグリフォン達の治療に役立てばと、呼んできました。」
「シャロともうします。従兄弟の助けになればと参りました。どうぞよろしくお願いいたします。」
シャロはスカートの裾をつまみお辞儀をすると、その後ろで姿勢良く直立し頭を下げるキアヌが王太子の目についた。
「ニサ…もう一人いるが…どう言うことだろうか?これでは、陛下に疑われかねない…」
「これはっその。」
慌てるニサはキアヌを睨むと、その間を割くように顔を上げたシャロはニコリと微笑み即答した。
「彼は私の大切な方です。治療院を開業してから毎日私を気にかけてくださっててサポートをしてくださってるんです。バハートの治療院はしばらく休業なのでこちらでも私のお手伝いをしてもらうことにしたんです。ね?アーヌさん。」
後ろに振り返るシャロは首をこてんと傾け、キアヌを見上げ笑いかけると、お辞儀していたキアヌはそんなシャロと目があい、赤面した状態で顔を上げた。
「はっ、はい!」
キアヌは騎士としての名を知られ、警戒されないよう、名を少し変えてここに来ていた。助手アーヌとしてキアヌは礼儀正しく敬礼した。
「シャロ様の助手アーヌと申します!無理を言ってシャロ様のお側でお仕えしたくニサ様にお願いしてここに参りました!どうか、どうかシャロ様のお側に居させてください!」
キアヌの訴えに、ニサはしばし嫌ーな表情で、キアヌを見つめた後、2回深呼吸をした後、ニサは王太子に説明をした。
「王太子殿下の許可なくお連れしてしまいました、申し訳ございません。彼はシャロ様の唯一信頼を寄せる者、こちらに呼ぶには彼を連れてじゃないと難しいと、申し訳ございませんでした!」
ニサは膝まづき頭を床につける勢いで土下座しようとしたところで、止められた。
「よい、頭を上げなさい!話は終わりだ。ニサにはまだ用がある、誰か、シャロ殿とその付き人を獣舎に案内するように。」
王太子の一声で謁見の間にいるニサと王太子を残し、シャロとキアヌは後から部屋に入ってきた騎士の案内で部屋を出ると、宮殿敷地内の獣舎に向かったのだった。
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