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しおりを挟むバリージャ国王には王妃との間に、三人の子供がいた。王太子のキト19歳と第2王子のバト18歳、第1王女のルイ16歳。
上二人が男子だったため、家族は女子の誕生を大変喜び、愛情を沢山受け誰からも愛される女性へと成長したのでした。
バリージャ国の民特有の琥珀色の髪はサラサラの日の光を浴びるとキラキラと金色に輝く。肩まで伸びる巻き髪の少女は、武力に勝れたこの国で、可憐な姿に隠された能力を備えていた。
剣や体を使う護身術をマスターした。
バリージャ国を侵略しようと攻撃を仕掛ける他国の攻撃を、勝れた武力により防いできた。
そんな国なだけに、王は最愛の娘に身を守る術を身に付けさせた。
もともと争いを好まない彼女は、護身術の他に興味を示したのが『魔法』だった。戦う家族や軍を守る手助けになればと身に付けた。 摩訶不思議な魔法。対象とする仲間を守るためだけの魔法だった。
家族と軍の一部のものしか知らない、奇想天外、摩訶不思議な魔法。
*
ディスカ国に父と訪れている今、身を守る術を身に付けているためか、ルイはこの場所に来ても無礼がないように適度な緊張感を持つのみで、年老いた兎の頭をした人間にも思える体を持つ王様を前に…使いの者から度々取り寄せて山と積まれたディスカ国の本を読み漁ってきた為、夢を膨らませ、わくわくが止まらなかった。
(ここにはきっと、軍神の加護を受けた狂戦士の兎さんが存在するの!王様に近い血筋の兎さんだったはず…どんなかたなのかしら。見てみたい!)
ディスカ国王の呼ぶ声に答えるように現れたのは、長身の細マッチョな軍服を身に付けた白い兎の獣人。頭以外は人間と変わらないが…ルイは読んだ本の内容を思い出す。『狂戦士』は殺気に満ちた大きなつり目を持ち、戦闘時はその手は狼、獅子を思わせる鋭さを持ち、その脚力は破壊知れない。ジャンプ力もあるが、そのキックは敵を気絶させるほどの威力を持つ。
(はわわぁ~本にあった狂戦士の特徴とぴったり~!)
城で出迎えた通常サイズの服を着た黒い兎の宰相ルクは、ルイが話していた…
『強い兎さんに会いたい。』
はしゃぐルイの姿を目にし、バリージャ国王は辺りを気にして小さくルイに耳打ちした。
『王女はおとなしくしていなさい。王女がいれば向こうは少しは敵意もなくなるだろう。あまり笑顔を振り撒かないように。嫁に来た訳じゃないのだからね?』
『お嫁に行くなら強いかたがいいです!』
『こら、静かになさい。』
そのやり取りを耳にした宰相は、脳内で簡単にその会話をまとめてみた。《強い兎の獣人の嫁に来た》と。
部屋へと入る際、兵士が扉を開け、先にピョンピョンと中へと来た宰相は嬉しそうに王へと耳打ちする。
「強い兎の獣人がお好きなようです。」
「それはどういった?」
「さあ、嫁になるなら…とか、お話をされていました。」
「ほぉ~こんな可愛い姫様が強い兎の獣人の嫁に来てくれるのか。」
続いて部屋に入ったバリージャ国王はそれを耳にし青ざめた。案内役の兎はただの兎ではなく、彼もまた獣人であったのだ。その話により呼ばれた第2王子アイスが登場し、ルイの目は輝いていた。別名狂戦士と呼ばれる、誰もが恐れる兎の獣人がそこにいた。アイスとルイは互いに興味を持ち…物語は、動きはじめたのだった。
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