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獣の国ディスカは、格闘気質の細マッチョな兎の獣人が治める国。
バリージャ国では、隣の国である獣人の国との交流は無く、特に関わりもなかった。その為、兎の獣人の姿と強靭さを知らない。
バリージャ国は他国の侵略が度々あったが、最強の軍の力で守ってきた。優れた軍の能力には自信があるが、代々受け継がれる争いの無い国を目指しているため、自ら戦いに行く事は今まで無かった。
バリージャ国は昔から友好関係のあるユイフ国で親睦のための宴の席に来て…バリージャ国が隣の国ディスカに無関心なことを王に指摘された。
「ディスカ国の獣人は温厚そうに見えて、実は強靭な体を持つそうですよ。あなたの国は数々の他国の侵略から国を守ってこられた。兎だからと侮られてはないですか?」
「いえ、彼らに攻め込まれたことがないので…」
「まさか、攻めたら負けると…?」
「兎に負けるわけがない。」
「はっはっは。そう来なくては。」
*
バリージャ国王は、最初はそう過信していた。ユイフ国王に踊らされ、背中を押されるように…ディスカ国に侵略とは違うが、どちらが強いか明白にするための戦いを挑んだ。
獣人の軍は皆、人の体に獣の頭をした者達で、人間の倍の身体能力を持つものばかり、戦いに破れたバリージャ国は白旗をあげた。
互いに侵略の意志はなく…バリージャ国王はこのままだと、国を明け渡さなくてはならないと、それだけは避けなくてはならないと考えた。
*
宮殿内の家族の私室で、家族にディスカ国の話をした。
お互いの腕試しのための戦いをして破れた事は、国を奪われかねないことを。
「どうするつもりで?」
王太子キトの問いに王は頭を抱えた。
「お父さま、兎の獣人さんは可愛かったです?」
「「「ルイ?」」」
緊迫した空気のなか、一人だけふわふわと、柔らかな笑みの王女ルイの問いに、皆拍子抜けした。
「私、ずっと隣の国との交流をするときが来ると思って、色々本は取り寄せたんですよ?ふふふ。」
「ルイ…」
王太子は頭を抱え、ルイは話を続けた。
「強い兎さんがいるそうですよ?会ってみたい!お父さま、今まで攻めてこなかったのなら、心配は無用ではないかしら?ふふふ。」
最愛の娘を連れて行く事、その提案は、とても危険だと、王や王太子と…家族全員が反対をした。
「可愛くて強い方どんな方かしら。お父さま、この機会に仲良くされてはどうですか?」
行く気満々の娘を前に、王は娘の提案を受け入れることにした。
そしてルイは王と共に、戦いに破れてから初めて、ディスカ国を訪れたのだった。
*
今後の事を考えて、贈り物を沢山持って訪れると…そこで誤解が生じてしまった。
『強い兎の獣人の嫁に来た…』と。
*
「紹介しよう。我が国の軍を束ねる第2王子アイスだ。」
ディスカ国に来たバリージャ国の王、ルイ達は誤解を解こうとすると…そこへディスカ国王に呼ばれた第2王子が現れた。
「アイスと申します。」
ルイが資料で知る狂戦士。ルイが興味を抱く可愛くて強い兎さん?がそこにいた。<ルイ視点>
(※実際には目付きの鋭い兎の頭をした、黒い軍服姿の長身の白い兎の獣人)
「お父様…」
ルイは満面の笑みをバリージャ国王に向けた。
「いいのか?」
「それも面白そうですね、ふふふ。」
ルイに目を向けたアイスは暫く彼女から目を離せずに小さく呟く。
「なんて可憐で可愛らしい…」
誤解が本当になり、二人とも満更でもない様子で…縁談話が進むことになったのだった。
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