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しおりを挟む国境を抜け、暫く馬車は進み、途中…バリージャの護衛の騎士は同行中の獣人兵に促されるように止まるとルイ達をのせた馬車も止まった。そして4足歩行していた獣人兵は2本足で立ちあがった。
同行している3人の獣人は、馬の獣人2人、黒豹の獣人1人、いずれも軍服に防具を身に付けており、移動中は速く動ける四足歩行が主流。彼らは立ち上がれば人よりも大きく、耳や鼻も利く。その為、周囲の異変にいち早く察知できた。
バリージャ国の馬車に繋がるごく普通の馬2頭は何かに興奮しているように息を荒くしていた。
黒豹の獣人が残りの2人に周りに警戒しながら小さく呟く。
「聞こえるか?」
馬の獣人2人は顔を見合わせ、右頬に傷のある方の馬の獣人が、見えない誰かに語りかけた。
「ああ。ちびはいるか?」
何もない空間からポンッと出現した忍者服の茶色の兎が頬に傷のある馬の獣人の頭に乗った。
「チビじゃないでしゅ!バリージャの馬車狙ってまちゅ。てきはバリージャ王ちゃまの命、奪うつもりでちゅ!気合い入れるっちゅよ!」
「「「了解」」」
兎の忍者は、ぱっと消え、次の瞬間馬車内に出現した。しかもそこはルイ王女の膝の上だった。
「ぷしゅ!」
「おい、どこにいる。」
アイスはそのつり上がった大きな瞳を細め、殺意を込めた睨みでルイの膝に出現した兎をつまみ上げた。
「ぴひゃ!ごしょーでちゅ!じこでちゅよ~!」
「どうした?」
「ユイフ国に動きありでしゅ。王ちゃま危ないでちゅ!警戒するっちゅよ!」
ルイは突然の兎の出現にまた、目を輝かせた。
「ルイ王女、バリージャ国王、お話はお城に戻ってから教えてください。この先は危険です。馬車からでないように。」
「はい。」
「大丈夫なのか?」
「私の別名をお忘れですか?」
バリージャ王とのやり取りを無理矢理終わらせたアイスは静かに立ち上がる。そして、ルイは落ちそうになった忍者兎をぎゅっとだきしめた。アイスは馬車から降りると、目を閉じ深呼吸。ゆっくりと開かれた瞳はギラギラと光り、足元を弾ませれば空高く舞い上がる。
空に舞い上がるアイスは狂戦士と言われる戦闘モードに入れば、その手は凶器のような爪がのび、地上を見下ろす。
「見つけた。いくぞ。」
頭から急降下する方角には茂みから馬車が来るのを待ち構えるバリージャ国の兵とは違う、他国の兵達がいた。
「「「了解!」」」
地上では、バリージャの馬車を囲み護衛騎士達は身構える。獣人の身体能力は計り知れない。3人の獣人はまた4足歩行となり、興奮するように息を荒くし駆け出した。
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