狂戦士は可憐な花嫁を溺愛する

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 バリージャの王と兵士に剣を向けていたユイフの兵。獣人4人による大立ち回りが繰り広げられた。

ユイフの兵は獣人3人に飛びかかり、単独行動のアイスは1人、ユイフ国王へと向かった。

 ユイフ王の前に、剣を構える少年王太子ガイルは、アイスに果敢に立ち向かった。

「嘘つきな王の前に…嘘つき王子のお出ましか?」
「勝負しろ!バリージャ国王をそそのかした野蛮な獣人め!かくごー!!」

 訓練を受けているガイルの動きは俊敏。しかし、力の差は歴然。アイスの隙をついて死角を狙うまでは順調だったが、アイスの気づいてからの攻撃のスピードはそれに勝り、アイスのキックにより、ダメージを受けて床へと倒れこんだ。

「くっ!」
「甘いな、バリージャ国は渡さない。勿論ルイ王女もだがな。」
「なんだと?」

 めまいをしながらも立ち上がる王太子はアイスの頭突きを鳩尾みぞおちにうけ気絶し、倒れた。

「まだ眠っていろ。」

アイスは床に倒れたガイルを目を細め見下ろし告げると、その先で剣を構えるユイフ王へと視線をあげ、ぴょん!と空高く舞うように飛びあがり、ユイフ王の目の前へと着地した。

「ユイフ王、バリージャ国は渡さない。縁談も諦めてもらう。」
「ハッハッハ。縁談は保険…会ってて早々に断られたのは驚いたが、バリージャ国を乗っ取れば、嫌でも全て手にはいるはずだったが…ここまでディスカがご執心とはな…」

 アイスは鼻でわらうとその指から伸びる剣のように長い爪を振りかざし、ユイフ王との攻防が始まった。

 戦いの最中バリージャの兵も目を覚まし、周囲のユイフの兵と獣人兵との攻防に加勢に加わる。

 広間はバリージャの兵と獣人兵とで包囲を固め、外部からのユイフの兵の侵入を防ぎ、ユイフ王とアイスの戦いを見守った。

そこへバリージャ国王も目を覚まし、むくりと起き上がるとアイスとユイフ王のいる方角へと歩き始めた。

 アイスは相当な力加減をしてユイフ王を追い詰めた。

「アイス王子、ここからは私に変わって欲しい。」
「バリージャ王、もう大丈夫ですか?」
「ああ、お陰でよく眠れた。君を巻き込んでしまいすまない、ここからは私がユイフ王に制裁を下す。」
「…御武運を。」

 アイスはぴょん!と飛びあがり後方へと下がるように、離れた距離で見守った。

 バリージャ王の振り翳す剣は優雅に、力強く、ユイフ王の剣を弾き返す。

 攻防の末、バリージャ王のひと振りが、ユイフ王の腕へと当たり、手にしていた柄は虚しく床へと落下した。

 アイスはその瞬間を見届けるなか、後方で気絶していたガイル王太子が目を覚まし、むくりとその体を起き上がらせ、懐から、なにかを取り出したのだった。

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