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3・公認の幼魔女
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しおりを挟む《宰相の邸宅から1年後ジルマ国》
この日、今年国に使えることになったもの達、階級が上がった者達の儀式がジルマ国の城の広間で執り行われた。
次々に任命を受けるものたちが前に出るなか、ハリス・バイゼン、栗色の髪に青い瞳。リュウの叔父48歳は宰相の補佐役に。そして、リュウ・バイゼンが国公認の魔女として水色のワンピースの上に魔女の正装である黒いローブを身に付け現れた。腰には金色の太いリボンが巻かれ後ろに蝶結びされた。その姿は年相応19歳。母に似ているが父譲りの人を惹き付ける妖しさのある姿。なぜ大人の姿になっているのか、それは少し前に森にいた頃に遡る。
* * * * * * * *
1年前、バイゼン邸から戻った数日後、リュウの父が屋敷に戻って来た日の夜。蝙蝠が夜空から突如現れ、森のリュウの暮らす家へと舞い降りた。
「リュウ、家族3人の今後の話をしようと思う。」
食卓の席についた燕尾服の父は真剣な顔をしてリュウを森から解放する提案をした。
1時間後。
話は続き、2階のダイニングには何時もの夫婦のラブラブな感じはなく、緊張した空気が漂っていた。
「というわけだからリュウは、どうしたいのか考えなさい。決めたら、バイゼン殿に教えてあげなさい。」
「でも、母様を残して行くのは…私が王都にでれば…母にも迷惑が…かかるんじゃ…」
心配そうにするリュウの頭を撫でる母は席につき話始めた。
「リュウ、私は旦那様の産まれた地に行く事にしたの。不老のみでここにはいつまでも居られないのはわかるわよね?」
「うん。」
リュウの父はテーブルに置かれたワイングラスを手に取り中身をのみほすとからのグラスをポン、とテーブルに置いた。
「そこでリュウ、お前には先々のことを考え伝えてえおきたいことがある。」
「なんですか?」
「リュウは吸血の本能は無いように思っているようだがすこしちがうぞ?健康的な人間で、美味しい匂いをする者に血をもらいなさい。それだけで体に変化をもたらす。幼いままだと外の世界では甘く見られる。大人になれば状況は大きく変わるだろう。」
リュウは驚いて立ち上がれば、先程まで座っていた椅子は勢いよく床に倒れた。
「えー!大人になれるんですか?」
リュウはこの時、この先の未来が明るく見えた。憧れていた大人になれる。そう思えば、夢は膨らみ、その日の夜は眠ることなどできなかった。
リュウは数日考えてみたが健康的で美味しい匂いをしていた人間は、ガゼラ・ジルマしか思い浮かばなかった。
そうして1年の月日はあっというまに過ぎたのだった。
* * * * * * * * *
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