14 / 20
3・公認の幼魔女
< 13 >
しおりを挟む《始まる二人》
「ガゼ?」
リュウの問いにガゼラは言葉をなくした。
「リュウは恋人はいるのか?」
「居ませんよ、大人になれないと思っていたので、恋は諦めてました。大人に変われるようになったから両親みたいにラブラブなカップルになれたらなって…あ、まずは相手を探さないと。」
リュウはクスクスと笑うと、ガゼラはリュウの腕を掴む手に力を込め、自分の腕の中へと引き寄せた。
「リュウは命の恩人…騎士の任務には色恋は邪魔だと、何回も婚約を解消され、騎士の役目を果たしてきたが…介抱されたあの日から、リュウだけには何かしてやりたいと思っていた。」
「お人形だと思いましたか?」
「否。可能なら手元にリュウを置いて飾って眺めていたかった。」
「それってお人形って事ですよね?」
「今日、リュウの本来の年齢の姿をみて確信した。」
「やっぱり人形っ。」
ガゼラは人形を連呼するリュウの頬を両手で包み込めば、リュウは頬を挟む手の力で口が尖ってしまった。
「ふぐ…」
「国王と、リュウの祖父デン殿は1年前から僕の事を知っている。だから、リュウを婚約者にしたいと話してある。いずれ、正式な話がバイゼン邸に届くはずだよ。」
「ふぐ~。」
リュウは口が思うように動かないなか、初めて会った日からのガゼラと会った時の記憶を思いだしていた。
.*.゚*。*.・.*゚.*・.*゚・.*。.*.゚*。*.・゚
私は介抱していた日々を思いだしていた。
『今日は固形の物も食べましょうね?』
あのときの私の服装は全然お洒落もしてなくて、素足に古くなったワンピースを身につけていた。
『何作ってるの?』
傷がまだ塞がったり開いたりしていた頃私がすることを真後ろに来て見ていたよね。
『シチューです。野菜と今日とってきた動物のお肉入りです。』
『美味しそう。』
後ろから手がのびて鍋に指が差し込まれて驚いた。
『熱っ…ペロッ、旨い!』
『も~』
なんだか家族みたいに思えた。
*
夜、私のベッドをガゼに提供してるから、部屋の椅子をくっつけて毛布を被って寝ていたら、ガゼがいきなり現れて抱っこしてベッドに寝かせてくれた。
狭いベッドに、ガゼのお腹に寄り添って寝て、その日からガゼが去る日までそれが日課になって、近くにいるのが当たり前になっていたよね。
いつの間にか、彼の存在が私の中でどんどん大きくなって行ったけど…大人になれないから、欲張りになりそうな自分の気持ちに蓋をした。
.*.゚*。*.・.*゚.*・.*゚・.*。.*.゚*。*.・゚
(私は抑えていた欲張りな思いを解放してもいいんだ。)
そう思うとリュウは嬉しくて、胸が熱くなるのを感じた。
「よろしくお願いします。」
両手から解放されたリュウは満面の笑みをガゼラに向け、ガゼラは嬉しそうにぎゅっと抱きしめリュウを腕の中へと閉じ込めた。
0
あなたにおすすめの小説
イケメンエリートは愛妻の下僕になりたがる(イケメンエリートシリーズ第四弾)
便葉
恋愛
国内有数の豪華複合オフィスビルの27階にある
IT関連会社“EARTHonCIRCLE”略して“EOC”
謎多き噂の飛び交う外資系一流企業
日本内外のイケメンエリートが
集まる男のみの会社
そのイケメンエリート軍団のキャップ的存在
唯一の既婚者、中山トオルの意外なお話
中山加恋(20歳)
二十歳でトオルの妻になる
何不自由ない新婚生活だが若さゆえ好奇心旺盛
中山トオル(32歳)
17歳の加恋に一目ぼれ
加恋の二十歳の誕生日に強引に結婚する
加恋を愛し過ぎるあまりたまに壊れる
会社では群を抜くほどの超エリートが、
愛してやまない加恋ちゃんに
振り回されたり落ち込まされたり…
そんなイケメンエリートの
ちょっと切なくて笑えるお話
神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!
カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。
前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。
全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!
【完結】番としか子供が産まれない世界で
さくらもち
恋愛
番との間にしか子供が産まれない世界に産まれたニーナ。
何故か親から要らない子扱いされる不遇な子供時代に番と言う概念すら知らないまま育った。
そんなニーナが番に出会うまで
4話完結
出会えたところで話は終わってます。
【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました
ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。
名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。
ええ。私は今非常に困惑しております。
私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。
...あの腹黒が現れるまでは。
『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。
個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
婚約解消されたら隣にいた男に攫われて、強請るまで抱かれたんですけど?〜暴君の暴君が暴君過ぎた話〜
紬あおい
恋愛
婚約解消された瞬間「俺が貰う」と連れ去られ、もっとしてと強請るまで抱き潰されたお話。
連れ去った強引な男は、実は一途で高貴な人だった。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる