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第3章・贄の花嫁【終】
庭園の夢②
しおりを挟むその日の夜…マナが帰宅し、ライカは何もなかったかのように…食事の席につき、ライカはマナの仕事場での出来事を笑顔で聞いていた。
(どうしよう…言わないって決めたけど…マナ様に庭園散歩に誘うのくらいは…いいかな?式は…無理だろうけど…お花を鑑賞するだけ…よし!)
「マナ様…今日ババロ様とお話をしたんですけど…ヒルキー庭園って猫族の皆さんには有名みたいですね。今度…おやすみいつですか?見にいきたいです…。」
マナはライカに微笑んだ。
「ん~一人だと危ないから護衛を一人連れていくんだぞ?明日は天気がいいそうだし、護衛兼使用人の猫族のルタを頼んでおこう。」
「へっ?マナ様は…一緒には…」
「ん?」
ライカはマナに一緒にいきたいと…思うように伝えれず…言葉がつまり、マナの「ん?」の反応に…これ以上は言わないでおこうと…マナに苦笑いした。
「いえ、何でもないです。じゃあ明日行ってきます。マナ様はお忙しいんですね…」
するとそこへ屋敷に使える執事がこそっとマナに耳打ちした。
「ライカ様は一緒に行かれたいのではないですか?お式でも、有名な場所のようですし、お花も綺麗に咲き始める季節です。一緒に見に行きたいと思うのが自然なことかと…」
マナはくすりと笑った。
「俺と行っても…なあ。女性の扱いはわからないことばかりだし…」
「私は先に休みます。」
ライカは苦笑いして席をたった。
(マナ様は…やっぱり言わなくて正解なのかもしれない。もう忘れよう。うん。本当は…リュクスを出るときにつくってもらった花嫁衣装着れるチャンスかと思っていたけど…私はこれ以上欲張ったらバチが当たるわね。大事にしてくれているのはよくわかる。)
ライカは一人考えながら寝室へむかっていた。
「なんだろう、この頃情緒不安定みたいね、マナ様を困らせてもいけないから…もう寝てしまおうかしら。そうしよう。」
次の日、マナは一人庭園の散歩にむかった。
‡
庭園は花が所々咲き始め…綺麗だった。ライカは花を見、辺りを見渡せば、カップルばかりが目についた。
護衛のルタは後ろをついて歩き…ライカの様子に首をかしげた。
「泣いてる?」
ルタは小さく呟く。
ライカは挙式をしていると聞いた場所へと足を運んだ。
主役の二人は白いタキシードに白いドレス。ドレス姿の観客が祝いの言葉を投げ掛け、二人を祝福して花吹雪が舞い上がる。
「いいなあ。私には無縁なのかもね。」
ライカの呟きは、ルタの耳にしっかりと届き…ルタはやはりライカはマナと一緒に来てこれを見せたかったのだと、思った。
「執事のクレイさんに報告しないと、これはまずいな。」
ルタは自分に言い聞かせ、ライカの庭園散策につき合い一時間後ライカと共に屋敷へともどったのだった。
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