ある時計台の運命

丑三とき

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王都

ユリッタハーツフェルド②

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「できればその堅苦しい敬語もやめていただきたく存じます!」

「でも…」

「わたくしはアキオ様よりも年下でございますし!ね?」

…確かに、敬語を使われると恐れ多くて居た堪れないという気持ちはよくわかる。

「じゃあ、よろしくね、ユリ…?」

「んぐはぁっ!想像を遥かに超える愛らしさ…!華奢で可憐なアキオ様に苦痛を与えた者がいるなど、許すことは出来ません。
誠に勝手ながら、事情は一通りお伺いしました。これからは安心してお過ごし下さい。
このフィアデリア・ユリッタハーツフェルド、アキオ様を傷つける者は片っ端から地獄に落としてやる所存です」

拳を握って背後に炎をメラメラさせながら張り切っているユリに圧倒されていると、ジルさんと王様がなにやらコソコソしているのが聞こえた。

「……彼はとても元気が良よいのだな。王宮で見た時とはまるで別人のようだ」

「ユリッタは、可愛らしいものが大好物だ」

「…なるほど」

「見かけによらず腕っ節も群を抜いている。彼なら問題ないだろう?」

「ああ、適任だ。感謝する」

ユリ、腕っ節凄いんだ。意外だな。
今度護身術でも教えてもらおうかな。

「さあアキオ殿。もう遅いから今日はジルの部屋で休んでくれ」

王様がパンパンと手を叩い僕からユリを引き剥がす。

「行こう、アキオ」

王様の言う通りもう夜遅いし、緊張が解けてどっと疲れが出てしまった。
休める部屋があるなんてとてもありがたい。
とりあえず今日はジルさんの部屋で…
ジルさんの部屋…で…

僕はこれからジルさんの部屋に行くってこと?
ジルさんの部屋で寝るの?



寝られないよ!!


ツリーハウスとは違って、普段過ごしているプライベートの部屋ってことでしょう?
無理無理無理無理。緊張する。どんな顔して寝たら良いの。


「アキオ、大丈夫か?体調が優れないか?
…ん、顔が赤い。熱が上がってしまったのだな。すぐに戻って休もう。
それではヴェイン、ユリッタ。明日から頼む」


「ああ、ごゆっくり」
「お休みなさいませ」

「ジ、ジルさんあの」

ジルさんは僕と杖と荷物を抱えて光を放った。
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