171 / 171
王都〜第二章〜
報告
しおりを挟む
◆
「ア、アキオ様が!大人の階段をお昇りに……!! よく、よくがんばりましたねぇっ! わたくし、とってもとっても感動いたしましたあ!」
ユリが泣いてる。人の初体験談を聞いて泣く人初めて見た。そもそもこういうのって話すものなのだろうか。今回は色々相談してたから一応報告したけど。
ジルさんが仕事に行って数時間後、朝ごはんを運んで来たユリは一瞬で状況を理解したらしく、感慨深そうにため息を吐きながら潤んだ目で祝福の言葉を並べ立てたのだ。
「ユリ、とりあえず……一回起こすの手伝って欲しいな。ちょっと足腰に力入らなくて」
「なっ!? そっ……そんなに激しい営みを…!?」
にやけ顔で興味深そうに聞いてくるユリ。
意外にも力のある彼にひょいっと起こされ、ベッドの背もたれに数個のクッションを挟んで丁度いい体勢にしてもらう。
「まだ色々と慣れてないだけで激しくなんて……いや、激しかったのかな」
「んなっっっっっっ!!!!!! はっ!!!」
ユリの脳内でどんな妄想が繰り広げられているのか知らないが、顔を真っ赤にして天を拝んでいる。他人の営みなんて見たことないし、まして自分でも昨日が初めてだったのでこういう行為の平均や相場がわからない。
「でも……うん、嬉しかった」
「じゅ、純真無垢……!!! そんな瞳で見つめられるとわたくしの中の開いてはいけない扉が!」
あ、身悶えているユリに報告すべきことをもう一つ思い出した。
「それでねユリ、僕も付けたんだ」
「付けた?」
「うん。口付けの跡」
「……っそ! すっ…は、っ! え、」
感情が言葉にならないらしいユリは顔を手で覆って落ち着きなさそうに下を向いたり天を仰いだりを繰り返している。ひとしきりそうした後落ち着きを取り戻したのか、すごく褒められた。ユリに褒められると嬉しい。
彼は色々と物知りだから、聞いてみてもいいかもしれない。僕は勇気を振り絞って、今一番懸念していることを告白することにした。
「ユリ、ちょっとご相談が……」
「わたくしでお役に立てるのならばなんなりと!!」
彼はすぐさま聞く姿勢を整える。こんな風に頼り甲斐がある人になりたい。僕も彼に習って背筋を伸ばす。
「あのね、えっと、こんなこと人に相談することじゃないかも知らないんだけど……。初めてなのに、とっても気持ちよかったんだ。これって変かな? もっと痛かったり、苦しかったりすると思っていたから。もう、最後の方は何が何だかわからなくなって…」
「全っっっ然変ではありません!!!」
「ほ、ほんとに?」
「それだけお互いの心が通じ合っていたと言うことでしょう!! アキオ様に痛みを与えたり苦しませるなんてことがあればそれこそ最高司令官であろうとわたくしが一発なぐっ……いえ、間違えました……まぁともかく! アキオ様、あなたはどこも変なんかじゃありません! 自信をお持ちください! ご自身の思いもお伝えし、司令官の思いも受け止められ、本当に、良かった…良がっだ…!!」
「ああユリ、ありがとう、ありがとね。泣かないで」
僕の言葉全てを聞かないうちに熱弁をふるった彼は話すうちに再び込み上げてきたらしく、ハンカチがびしょびしょになるまで泣いていた。
おかしくないならひとまず安心。次は僕がもっとジルさんを気持ちよくしてあげたい旨も相談すると、一瞬で涙を止め、狼のような鋭い目つきをしながら色々と、そりゃもう色々と教えてくれた。僕は、照れてる場合じゃないと気を引き締め、しっかり心のメモ帳に記した。
でも次はおそらく催しが終わってからかなという気はしている。気がつくと四日後にせまったお祭り。ユリの話じゃ準備期間である今は本当に忙しいらしく、諸地区との連携や屋台の手配、警備、それに加えていつもと変わらず訓練・任務を果たさなければいけないのだから猫の手も借りたい状況なのだとか。
この世界にも猫っているんだなとワクワクしたのは内緒。
「僕にも、何かできること無いかなあ」
まあ、無いんだけれど。
「あっ! アキオ様、わたくしからもひとつご相談が……」
——————————————
「ア、アキオ様が!大人の階段をお昇りに……!! よく、よくがんばりましたねぇっ! わたくし、とってもとっても感動いたしましたあ!」
ユリが泣いてる。人の初体験談を聞いて泣く人初めて見た。そもそもこういうのって話すものなのだろうか。今回は色々相談してたから一応報告したけど。
ジルさんが仕事に行って数時間後、朝ごはんを運んで来たユリは一瞬で状況を理解したらしく、感慨深そうにため息を吐きながら潤んだ目で祝福の言葉を並べ立てたのだ。
「ユリ、とりあえず……一回起こすの手伝って欲しいな。ちょっと足腰に力入らなくて」
「なっ!? そっ……そんなに激しい営みを…!?」
にやけ顔で興味深そうに聞いてくるユリ。
意外にも力のある彼にひょいっと起こされ、ベッドの背もたれに数個のクッションを挟んで丁度いい体勢にしてもらう。
「まだ色々と慣れてないだけで激しくなんて……いや、激しかったのかな」
「んなっっっっっっ!!!!!! はっ!!!」
ユリの脳内でどんな妄想が繰り広げられているのか知らないが、顔を真っ赤にして天を拝んでいる。他人の営みなんて見たことないし、まして自分でも昨日が初めてだったのでこういう行為の平均や相場がわからない。
「でも……うん、嬉しかった」
「じゅ、純真無垢……!!! そんな瞳で見つめられるとわたくしの中の開いてはいけない扉が!」
あ、身悶えているユリに報告すべきことをもう一つ思い出した。
「それでねユリ、僕も付けたんだ」
「付けた?」
「うん。口付けの跡」
「……っそ! すっ…は、っ! え、」
感情が言葉にならないらしいユリは顔を手で覆って落ち着きなさそうに下を向いたり天を仰いだりを繰り返している。ひとしきりそうした後落ち着きを取り戻したのか、すごく褒められた。ユリに褒められると嬉しい。
彼は色々と物知りだから、聞いてみてもいいかもしれない。僕は勇気を振り絞って、今一番懸念していることを告白することにした。
「ユリ、ちょっとご相談が……」
「わたくしでお役に立てるのならばなんなりと!!」
彼はすぐさま聞く姿勢を整える。こんな風に頼り甲斐がある人になりたい。僕も彼に習って背筋を伸ばす。
「あのね、えっと、こんなこと人に相談することじゃないかも知らないんだけど……。初めてなのに、とっても気持ちよかったんだ。これって変かな? もっと痛かったり、苦しかったりすると思っていたから。もう、最後の方は何が何だかわからなくなって…」
「全っっっ然変ではありません!!!」
「ほ、ほんとに?」
「それだけお互いの心が通じ合っていたと言うことでしょう!! アキオ様に痛みを与えたり苦しませるなんてことがあればそれこそ最高司令官であろうとわたくしが一発なぐっ……いえ、間違えました……まぁともかく! アキオ様、あなたはどこも変なんかじゃありません! 自信をお持ちください! ご自身の思いもお伝えし、司令官の思いも受け止められ、本当に、良かった…良がっだ…!!」
「ああユリ、ありがとう、ありがとね。泣かないで」
僕の言葉全てを聞かないうちに熱弁をふるった彼は話すうちに再び込み上げてきたらしく、ハンカチがびしょびしょになるまで泣いていた。
おかしくないならひとまず安心。次は僕がもっとジルさんを気持ちよくしてあげたい旨も相談すると、一瞬で涙を止め、狼のような鋭い目つきをしながら色々と、そりゃもう色々と教えてくれた。僕は、照れてる場合じゃないと気を引き締め、しっかり心のメモ帳に記した。
でも次はおそらく催しが終わってからかなという気はしている。気がつくと四日後にせまったお祭り。ユリの話じゃ準備期間である今は本当に忙しいらしく、諸地区との連携や屋台の手配、警備、それに加えていつもと変わらず訓練・任務を果たさなければいけないのだから猫の手も借りたい状況なのだとか。
この世界にも猫っているんだなとワクワクしたのは内緒。
「僕にも、何かできること無いかなあ」
まあ、無いんだけれど。
「あっ! アキオ様、わたくしからもひとつご相談が……」
——————————————
14
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(12件)
あなたにおすすめの小説
二十年仕えた王女が私を敵に売った。それでも守ることにした
セッシー
ファンタジー
二十年間、王女殿下の護衛騎士として仕えた。その殿下が、私を敵に売った。
牢の中で事実を知り、一分考えて——逃げることにした。殿下の目的を、まだ果たしていないから。
裏切りの真相を確かめるため、一人王都へ戻る護衛騎士の話。
ヒーロー組織のサポートメンバーになりました!
はちのす
BL
朝起きたら、街はゾンビだらけ!生き残りたい俺は、敵に立ち向かうヒーロー組織<ビジランテ>に出逢った。
********
癖の強いヒーロー達の"心と胃の拠り所"になるストーリー!
※ちょっとイチャつきます。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
ジルアキもメテイガも、勿論ブルユリも大好きです。どのカプも可愛くて尊くて、本当萌と癖の塊ですありがとうございます。面白くて一気に読んでしまいました。
アキが読もうとしてて無くなってた古本(?)が意味深で、すごくワクワクしています。波乱がありそう…
続きがとても気になります。更新待ってます!!
鹿の子様
ご感想いただきありがとうございます。
お赤飯炊いてー!笑
ユリとアキオの絶妙なコンビネーションを楽しんでいただけて嬉しいです。
次回以後もどうぞよろしくお願い致します!
丑三とき 拝
久しぶりの更新じゃないですか!
アキオがジルに抱き支えられるシーン💝💝💝
ユリでなくとも、騒ぐからね、
ちがうんだよ、タイミング
ジルさんの抱っこいっぱいあったんだけど😅
アキオがやる気の時に‼️もしてくんないと
あと
話がどんどん広まり終着がいつになるか、心配です
たくさんの🚩、忘れてないからね
アキオの恋以外も見てますからね
たくさんの🚩 謎がいっぱい 気になる❗