【完結】眠れぬ異界の少年、祓魔師の愛に微睡む

丑三とき

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続編その②〜魔力練習編〜

2.早く良くなりますように

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薬が効いてきたのか、少し経ってからすやすや寝息を立て始めた。

「よかった……」

本当に良かった。
不安で消えてしまいそうだった気持ちが少し落ち着いた。

いつも僕より遅く寝て僕より早く起きるフレイヤさんの寝顔を見れるのはとても珍しく、起こさないように気をつけながら頬を撫でる。

「いつもありがとう」

すべすべのほっぺたに指が吸いつく。
守られるだけじゃなくて守りたい。こんな気持ちになったのもフレイヤさんが初めてだ。彼のおでこに冷たいタオルを置き、大きな体に寄り添って僕もしばしの睡眠をとった。




朝は早くに目が覚めた。
フレイヤさんはまだ安らかに眠っている。よかった。今日は僕が全部やってあげるんだ。

まずはフレイヤさんの顔色を確認。
やっぱりいつもより青白くて唇には色がない。
でも咳は止まっているみたいだからひとまず安心だ。

フレイヤさんを確認した後はお医者さんを呼びに行った。昨日のおじいちゃん先生が、何かあった時のためにとお屋敷に滞在してくれたのだ。

眠るフレイヤさんに魔法の光を当てて診察する先生に問う。

「どうですか?  先生」

「ふむ……薬が効いておりますな。だいぶ楽になられたのでしょう、ぐっすり眠れたようでございます。今日は一日中安静にしてくださいな。こちらの飲み薬はハルオミ殿に預けておきましょう。朝昼夜、毎食後に飲むように」

「はいっ!ありがとうございます。よかった……」

「今日の任務は休むよう、ニエルド様とビェラ様には私からお伝えしておきましょう」

「助かります。よろしくお願いします」

それでは私はこれで、と部屋を出ていく先生にお辞儀をして、再びフレイヤさんの顔を覗き込む。ちょっとしんどそうだから、まずは薬を飲ませないと。先生は食後に飲むよう言っていたから何か消化のいいものを作ろう。

こういう時に作る料理はお粥かお雑炊かうどんしか思いつかない。

んー、どうしよ。
ここはやっぱ、たくさん栄養の摂れるお雑炊にしようかな。フレイヤさん卵好きだし、野菜やきのこも刻んで入れよう。

そうと決まれば、昨日炊いておいたご飯や具材を用意して調理に取り掛かる。

このごろは特訓のおかげで魔法も上達してきてきて、たまーに調理器具や食材を浮かせたりしているのだけど、今日ばかりは真面目に作らなきゃ(いつも真面目に作ってるけどね)。

フレイヤさんの苦しそうな顔を思い浮かべて、早く良くなりますように、と願いを込める。

魔が差した、とはよく言ったものだ。
……少しだけ、ほんの少しだけ魔力を込めてみた。
以前は料理をしているだけで勝手に魔力が漏れてしまって、僕の料理を食べた人の怪我やぎっくり腰が治ってしまうというビックリ能力を発揮してしまったが(その代わりに僕の調子がすこぶる悪くなるという副作用付き)、クールベさんたちの特訓のおかげで魔力の漏出はコントロールできるようになった。

ちょっとくらいならお雑炊に魔力を込めてもバレないだろう。負担がかかるかもしれないからやめなさい、と普段は止められているけれど、少しでもフレイヤさんの辛さを取り除きたい。
願いを込めながら野菜を切り、彼の穏やかな顔を思い浮かべながら鍋を覗き込む。そうやってちょっとずつ、ちょっとずつ料理に魔力を与えた。

コトコトゆっくり食材を煮込めば、良い匂いが充満する。

よし、体も疲れてないし、このくらいの魔力ならフレイヤさんにもバレない……と思う!

「フレイヤさん食べられるかな。かわいそうだけど起こしてみようかな」

寝室に戻り、いまだに顔色の戻らないフレイヤさんに声をかける。

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