90 / 234
蛇令嬢
89 変わらないこと
しおりを挟む
人身売買事件から、はや二日。
カリヤは未だに塞ぎ混んでいる。
祖母に孫として、カリヤとして見られていないことに気がついたのが原因だ。
家族だと思っていた人は、家族とすら思っていなくて、地位だけを見ていた。
凹まないほうがおかしい話だ。
塞ぎ混んでいても授業は受けている。人との会話もする。それでも憂いは消えていないし、暗い表情がほとんどだった。
休み時間になれば、いつの間にか消えている。
そんな状態が二日間続いていた。
その状態を見てミューやベイノットが励まそうと声をかけようとした。
色々あったもののダンジョンに行くまでの三日間話し合ったこともあり、根はいい人であるカリヤとは奇妙な絆が出来上がっていたからだろう。
けど、カルタは二人のことを止めた。
「やめておけ」
「でも……」
「それをするのは僕たちじゃない」
カルタの視線の先にはビーグルがいた。
それに、最近は彼女の兄のネレーオがカリヤに会いに来て話しているという。
そん肝心のネレーオといえばだ。特に傷ついているようすもない。どこか“わかっていた”感じがある。
ビーグル曰く、ネレーオは昔から祖母が苦手だったのだと、幼心に何かしら察していたところがあったのだろう。子供はそういうところ、ある。
カリヤ視点
今日も今日とて、カリヤはため息を吐いていた。
理由は単純、祖母が犯罪行為を行っていたことへのショックと、自分は祖母に孫と思われていない可能性が出てきたことへのショックだ。
対面して、話したとき、兄のことを伝えたらあっけらかんとしていた。特に気にしていない、そんなふうだった。
そんなカリヤを見かねたのか、一足先に立ち直っていた__いや、祖母が自分達のことを個人としてみていなかったことに気がついていたネレーオがカリヤのもとに訪れていた。
「やぁ、カリヤ」
「お兄様……」
足を酷く怪我して呪いを受けていたという知らせに血の気が引いたが命があることに喜びつつ、ダンジョンに行った者たちに感謝をした。
足の怪我は治癒魔法で治り、呪いも解けたが障害が残り、治るのも時間がかかるといわれた。その障害も呪いの悪あがきで、完治してしまえば障害も治るらしい。
それを聞いて喜んだのは先日のことだ。けれども、やっぱり心配なので会うたびに怪我のことを聞いてしまう。
「お兄様、お怪我のほどは?」
「まだ全快とは言えないけど、魔法で治してれたから歩く程度なら大丈夫だよ」
「そうですか。それは、よかったですわ」
カリヤは喜ぶ。けれど、その表情から憂いは消えてはいなかった。
尾を引いているのは、もちろん祖母のことだ。
「カリヤ」
ネレーオが優しく、カリヤの名前を呼ぶ。
「なんですの?」
「お婆様のこと、ショックかい?」
「それは、勿論ショックですわ。でも……でも、私はお婆様が犯罪を犯していたことじゃなくて、“孫のカリヤ”ではやく“貴族のカリヤ”しか見てくれなかったこと、それがショックなのです」
祖母の濁った目にはカリヤはうつっていなかった。それは両親も同じで、きっとあの場にいなかった兄や姉も目にうつっていないのだろう。
「私、嫌われるようなことを……いえ、何でもありません」
祖母の心はカリヤの一番上の兄が生まれる前に壊れていた。嫌われる以前の問題だ、昔から孫のことなど眼中にないのだろう。
もしかすると、疎まれたり……。いや、流石にない、ないはず。たぶん、無関心だった。
そう、そうだ。
「……知ってるか?カリヤの名前をつけたの、お婆様なんだよ」
「え?そう、なんですの?てっきりお母様かと……」
驚いて兄を見る。嘘をいってるふうではないから、事実なんだろう。
でも、それは、どういう意味なのだろうか。
純粋に孫が生まれたことを喜んだのか、それとも……。
「カリヤが生まれたとき、すごい喜んで一生懸命、名前考えてたんだよ」
「……」
「ユリヤ姉さんもハイク兄さんも俺もそう。皆、生まれたとき喜ばれてた」
「なら、なんで、あの時、お婆様は私を見てくださらなかったのですか?」
「それはわからない。でも、祖母として孫が生まれたことを喜んでいたのは事実だ。いつもはポーッと空を見上げていても、母さんが嫁にきたときや孫が生まれる時はいつも一番喜んでた。たぶん、復讐に囚われていても一時的に正気に戻るほど嬉しかったんだろうね」
正直、半信半疑だ。
「今のあの人に聞いたところで多分、望む答えは帰ってこないだろうから疑うのなら母さん達に聞いたりしてみたら?」
「お母様が私に嘘付くわけないじゃないですか……」
私に対してだけじゃない。誰にだって嘘を付くのは苦手で、嘘をつこうものならあちこちさ迷う目線で一瞬でばれてしまうことだろう。
涙がこぼれる。
私は孫だった。
私はお婆様にとっての孫だった。
「今のあの人が何を思っているのかは知らないが、俺たちが生まれてきたとき喜んでいたのは間違いない」
「そう、なのですね」
あぁ、悲しい。
お婆様があのようになってしまったことも、最後の最後で私を見てくれなかったことも。
でも、嬉しかった。
私達は眼中になかった訳じゃない、生まれてきたことを喜ばれていたのだと知れたから。
お婆様は罪を犯した。擁護する気はないが、お婆様もある意味被害者だった。
私が知っているのは壊れた先、お兄様が知っているのは壊れる道中。
苦手だと言っていたけど、“わかっていた”ようだけれど、それでもお兄様達もお婆様の孫だった。
年々、精神状態が悪化していくなかで一つのことしか見えなくなったお婆様は、それに固執した。
孫も孫として認識できなくなっていた。だからあの時のような反応になっていた。
他人の感覚だったんだろう。
けれど、愛された事実はかわらない。
もう、今のカリヤはそれでよかった。
泣いているとお兄様に優しく抱き締められ頭を撫でられた。
時間はどれ程たったのだろうか。カリヤが落ち着いた頃には時間になっていてネレーオは名残惜しそうにしながらも帰っていった。
心がスッキリとしたカリヤは気分転換に学校を散歩していると、ビーグルに遭遇した。いや、これは待ち伏せされていたんだろう。
「スッキリした顔してんな、ふっきれたんか?」
「えぇ、今はどうかはわかりませんが、過去のことは変えられませんもの!」
「はっ、あんまりしょげてっとどやしちまおうと思ったが要らなさそうだな」
……ビーグルにどやされるって嫌な予感しかしませんわ。
会ったのが、このタイミングでよかったと安堵した。
「それで、しょげていた私でも見にきたんですの?」
「いんや?俺がきた理由は元気そうなら俺の大事な妹との仲直りを催促しようと思ってな。俺としちゃあ、かわいい妹を泣かされた恨みがあるが、今回は事件の内容が内容だったから水に流してやる」
泣かせてしまったのね……。
一方的に送りつけられた手紙に“もう会わない”と同じような意味の言葉が書かれて、返事を無視されれば泣くのもおかしくありませんわ。
あの時、監視があって、あの子に飛び火してはダメだと思っての行動だったけど私は水分と周りが見えていなかったんですね。
「それは、ありがとうございます。……今度、会いに行っても?謝りたいんです。一方的に別れを告げて、泣かせてしまったから」
「好きにしろ。また泣かせたら女だろうがなんだろうが関係なくぶん殴ってやるからな」
「あら、恐ろしい」
ビーグルなら本当にやってしまいそうですわ。優しいけど、敵になった人には容赦ない人ですから。
「んじゃ、俺の用事はこれだけだ」
そういてビーグルは踵を返すが数歩進んだところで足を止め、振り返る。
「どうかしたのですか?」
「……獣付きって噂があったが、あら違ぇよな?」
「違いますわよ。もしかしたら、何て自分でも思いましたがお医者様は違うといいきりました」
「ならいいわ。獣付きの末路なんてろくでもねえからな」
それだけ行って、どこかに消えていってしまった。
「心配してくれているんでしょうね。分かりにくい方ですわ」
さて、時期を見てあの子に謝りに行って仲直りをしましょう。
あぁ、それから巻き込んでしまった後輩たちにもなにかお詫びと手助けしてくれたお礼をしなくてはなりませんわね。
さて、何がいいかしら。大半が平民でしたから、あまり普段から私達の使うようなものを渡さない方がいいでしょうね。
そういえば、獣付きの末路って確か魔獣になって自我を失ってしまうんでしたっけ?
カリヤは未だに塞ぎ混んでいる。
祖母に孫として、カリヤとして見られていないことに気がついたのが原因だ。
家族だと思っていた人は、家族とすら思っていなくて、地位だけを見ていた。
凹まないほうがおかしい話だ。
塞ぎ混んでいても授業は受けている。人との会話もする。それでも憂いは消えていないし、暗い表情がほとんどだった。
休み時間になれば、いつの間にか消えている。
そんな状態が二日間続いていた。
その状態を見てミューやベイノットが励まそうと声をかけようとした。
色々あったもののダンジョンに行くまでの三日間話し合ったこともあり、根はいい人であるカリヤとは奇妙な絆が出来上がっていたからだろう。
けど、カルタは二人のことを止めた。
「やめておけ」
「でも……」
「それをするのは僕たちじゃない」
カルタの視線の先にはビーグルがいた。
それに、最近は彼女の兄のネレーオがカリヤに会いに来て話しているという。
そん肝心のネレーオといえばだ。特に傷ついているようすもない。どこか“わかっていた”感じがある。
ビーグル曰く、ネレーオは昔から祖母が苦手だったのだと、幼心に何かしら察していたところがあったのだろう。子供はそういうところ、ある。
カリヤ視点
今日も今日とて、カリヤはため息を吐いていた。
理由は単純、祖母が犯罪行為を行っていたことへのショックと、自分は祖母に孫と思われていない可能性が出てきたことへのショックだ。
対面して、話したとき、兄のことを伝えたらあっけらかんとしていた。特に気にしていない、そんなふうだった。
そんなカリヤを見かねたのか、一足先に立ち直っていた__いや、祖母が自分達のことを個人としてみていなかったことに気がついていたネレーオがカリヤのもとに訪れていた。
「やぁ、カリヤ」
「お兄様……」
足を酷く怪我して呪いを受けていたという知らせに血の気が引いたが命があることに喜びつつ、ダンジョンに行った者たちに感謝をした。
足の怪我は治癒魔法で治り、呪いも解けたが障害が残り、治るのも時間がかかるといわれた。その障害も呪いの悪あがきで、完治してしまえば障害も治るらしい。
それを聞いて喜んだのは先日のことだ。けれども、やっぱり心配なので会うたびに怪我のことを聞いてしまう。
「お兄様、お怪我のほどは?」
「まだ全快とは言えないけど、魔法で治してれたから歩く程度なら大丈夫だよ」
「そうですか。それは、よかったですわ」
カリヤは喜ぶ。けれど、その表情から憂いは消えてはいなかった。
尾を引いているのは、もちろん祖母のことだ。
「カリヤ」
ネレーオが優しく、カリヤの名前を呼ぶ。
「なんですの?」
「お婆様のこと、ショックかい?」
「それは、勿論ショックですわ。でも……でも、私はお婆様が犯罪を犯していたことじゃなくて、“孫のカリヤ”ではやく“貴族のカリヤ”しか見てくれなかったこと、それがショックなのです」
祖母の濁った目にはカリヤはうつっていなかった。それは両親も同じで、きっとあの場にいなかった兄や姉も目にうつっていないのだろう。
「私、嫌われるようなことを……いえ、何でもありません」
祖母の心はカリヤの一番上の兄が生まれる前に壊れていた。嫌われる以前の問題だ、昔から孫のことなど眼中にないのだろう。
もしかすると、疎まれたり……。いや、流石にない、ないはず。たぶん、無関心だった。
そう、そうだ。
「……知ってるか?カリヤの名前をつけたの、お婆様なんだよ」
「え?そう、なんですの?てっきりお母様かと……」
驚いて兄を見る。嘘をいってるふうではないから、事実なんだろう。
でも、それは、どういう意味なのだろうか。
純粋に孫が生まれたことを喜んだのか、それとも……。
「カリヤが生まれたとき、すごい喜んで一生懸命、名前考えてたんだよ」
「……」
「ユリヤ姉さんもハイク兄さんも俺もそう。皆、生まれたとき喜ばれてた」
「なら、なんで、あの時、お婆様は私を見てくださらなかったのですか?」
「それはわからない。でも、祖母として孫が生まれたことを喜んでいたのは事実だ。いつもはポーッと空を見上げていても、母さんが嫁にきたときや孫が生まれる時はいつも一番喜んでた。たぶん、復讐に囚われていても一時的に正気に戻るほど嬉しかったんだろうね」
正直、半信半疑だ。
「今のあの人に聞いたところで多分、望む答えは帰ってこないだろうから疑うのなら母さん達に聞いたりしてみたら?」
「お母様が私に嘘付くわけないじゃないですか……」
私に対してだけじゃない。誰にだって嘘を付くのは苦手で、嘘をつこうものならあちこちさ迷う目線で一瞬でばれてしまうことだろう。
涙がこぼれる。
私は孫だった。
私はお婆様にとっての孫だった。
「今のあの人が何を思っているのかは知らないが、俺たちが生まれてきたとき喜んでいたのは間違いない」
「そう、なのですね」
あぁ、悲しい。
お婆様があのようになってしまったことも、最後の最後で私を見てくれなかったことも。
でも、嬉しかった。
私達は眼中になかった訳じゃない、生まれてきたことを喜ばれていたのだと知れたから。
お婆様は罪を犯した。擁護する気はないが、お婆様もある意味被害者だった。
私が知っているのは壊れた先、お兄様が知っているのは壊れる道中。
苦手だと言っていたけど、“わかっていた”ようだけれど、それでもお兄様達もお婆様の孫だった。
年々、精神状態が悪化していくなかで一つのことしか見えなくなったお婆様は、それに固執した。
孫も孫として認識できなくなっていた。だからあの時のような反応になっていた。
他人の感覚だったんだろう。
けれど、愛された事実はかわらない。
もう、今のカリヤはそれでよかった。
泣いているとお兄様に優しく抱き締められ頭を撫でられた。
時間はどれ程たったのだろうか。カリヤが落ち着いた頃には時間になっていてネレーオは名残惜しそうにしながらも帰っていった。
心がスッキリとしたカリヤは気分転換に学校を散歩していると、ビーグルに遭遇した。いや、これは待ち伏せされていたんだろう。
「スッキリした顔してんな、ふっきれたんか?」
「えぇ、今はどうかはわかりませんが、過去のことは変えられませんもの!」
「はっ、あんまりしょげてっとどやしちまおうと思ったが要らなさそうだな」
……ビーグルにどやされるって嫌な予感しかしませんわ。
会ったのが、このタイミングでよかったと安堵した。
「それで、しょげていた私でも見にきたんですの?」
「いんや?俺がきた理由は元気そうなら俺の大事な妹との仲直りを催促しようと思ってな。俺としちゃあ、かわいい妹を泣かされた恨みがあるが、今回は事件の内容が内容だったから水に流してやる」
泣かせてしまったのね……。
一方的に送りつけられた手紙に“もう会わない”と同じような意味の言葉が書かれて、返事を無視されれば泣くのもおかしくありませんわ。
あの時、監視があって、あの子に飛び火してはダメだと思っての行動だったけど私は水分と周りが見えていなかったんですね。
「それは、ありがとうございます。……今度、会いに行っても?謝りたいんです。一方的に別れを告げて、泣かせてしまったから」
「好きにしろ。また泣かせたら女だろうがなんだろうが関係なくぶん殴ってやるからな」
「あら、恐ろしい」
ビーグルなら本当にやってしまいそうですわ。優しいけど、敵になった人には容赦ない人ですから。
「んじゃ、俺の用事はこれだけだ」
そういてビーグルは踵を返すが数歩進んだところで足を止め、振り返る。
「どうかしたのですか?」
「……獣付きって噂があったが、あら違ぇよな?」
「違いますわよ。もしかしたら、何て自分でも思いましたがお医者様は違うといいきりました」
「ならいいわ。獣付きの末路なんてろくでもねえからな」
それだけ行って、どこかに消えていってしまった。
「心配してくれているんでしょうね。分かりにくい方ですわ」
さて、時期を見てあの子に謝りに行って仲直りをしましょう。
あぁ、それから巻き込んでしまった後輩たちにもなにかお詫びと手助けしてくれたお礼をしなくてはなりませんわね。
さて、何がいいかしら。大半が平民でしたから、あまり普段から私達の使うようなものを渡さない方がいいでしょうね。
そういえば、獣付きの末路って確か魔獣になって自我を失ってしまうんでしたっけ?
0
あなたにおすすめの小説
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)
葵セナ
ファンタジー
主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?
管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…
不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。
曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!
ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。
初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)
ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。
『異世界に転移した限界OL、なぜか周囲が勝手に盛り上がってます』
宵森みなと
ファンタジー
ブラック気味な職場で“お局扱い”に耐えながら働いていた29歳のOL、芹澤まどか。ある日、仕事帰りに道を歩いていると突然霧に包まれ、気がつけば鬱蒼とした森の中——。そこはまさかの異世界!?日本に戻るつもりは一切なし。心機一転、静かに生きていくはずだったのに、なぜか事件とトラブルが次々舞い込む!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる