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恐るべき執着心
134 薬効
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事件からいくらかたった頃、医者から告げられた言葉は“ローシュテールが眠ったまま起きない”という事実だった。
原因は恐らくは、あの黒い粘性のあるものだろうという話だ。
体の内側のあちこちがボロボロで、生きているのが不思議なくらいなんだそうだ。
寝たまま起きない__昏睡状態であることに当然だと思うくらいには、酷いのだという。
不思議なことと言えば、それだけではない。
永華達の証言から色々と調べたのだそうだが、筋肉量がベイノットを持ち上げられるほどもないと言われてしまった。
ロンテが言っていたように退役後、入院を経て屋敷で過ごしていたが、その間は鍛えていなかったのだろう。
可笑しいのは筋肉量だけではない、魔力もそうだ。
魔導警察に所属している力流眼の持ち主が永華達の証言のもと派遣されたのだが、確認されたローシュテールの魔力はどちらかと言えば低いほうあった。
永華達にたいして使った広範囲の幻覚魔法なんて使えないし、使えたとしても一分と持続できないと断言された。
体の内側だけではなく、外側の肉体強度も可笑しいとのことだ。
いくら何重にも防衛魔法をかけていて学生だったとはいえ飛び級した秀才と現役の軍人仕込みの魔導師、その二人が放った複合魔法、及び他の面々が放った複数の魔法を受けて、あの状態でいれるはずがない。
幾度となく修羅場を潜り抜けた、魔導警察がいったのだ。
そう、全てが可笑しいのだ。
ローシュテールの魔力と混ざっていた得たいの知れない魔力はどこかに行ってしまっていて、追求のしようもない。
得たいの知れない魔力は黒い粘性のあるものとなった、というのはヘルスティーナの見解である。
まあ、その黒い粘性のあるものもヘルスティーナが自らの自己魔法で消し飛ばしてしまったから、ヘルスティーナの話を確かめようもないのだけれど。
それならばブレイブ家の地下倉庫にあった怪しい薬、憤怒と書かれたラベルのやや灰色の混ざった薄い赤の液体はどうなのだろうか?
もちろん、魔導警察や軍はそれを調べようとした。
強制的に住民達は別の場所に移されたブレイブ家の屋敷、その地下倉庫に入ってみれば開いた口が塞がらなくなった。
なにせカルタが見たと言ういくつもの得たいの知れないものは跡形もなく消え去っていたからだ。
調べることができず状態不明のまま終わるのかと思ったら、カルタの懐から一瓶だけが出てきたのだ。
「犯罪の証拠になるかと思って……」
とは本人談である。
怒られはしたものの、カルタが持ち出したものの一つを使って色々と調べることにしなった。
調べて、わかったことは三つ。
まず一つ、主成分がシマシマベアーやビーグル・ナリューラに投与されたものと同じ。
主成分が同じだけで、細かい部分は違うのだというが、導きだす効果はほぼ同一なのではないかという話になっている。
二つ、例の薬と比べて投与されてから効果、副作用ともに出るまでの時間。
調べてみたところ、憤怒のラベルが貼られたものはシマシマベアーに投与されたものよりも効果は薄い、その反面副作用も弱い。
副作用の一つが頭痛だ。
調べてみたらローザベッラもローザベッラも慢性的な頭痛を医者に訴えていたそうだ。
だが依存性は高く、警戒心の高い元軍人であるローシュテールが飲んでいたのも依存性のせいだろう。
常習的に投与しなければ同等の効果にはならないのだ。
三つ目、生成元が違う。
やや灰色の混ざった薄い赤の液体の方には憤怒と書かれたラベルがあり、赤みの強いピンク色の液体が入った瓶の底には分かりにくくも強欲の字が掘られていた。
そして主成分以外の細かい成分が違うことが根拠にあげられる。
この二つの薬は、やや灰色の混ざった薄い赤いの液体は“憤怒の薬”、赤みの強いピンク色の液体の方は“強欲の薬”と呼ばれるようになった。
王都アストロにある病院、その病院のある一室に永華達は集まっていた。
「篠野部、あれから怪我はどうなの?」
「体質の問題で魔法で完治させることが難しいらしいが、日常生活をするには問題ない範囲にまで治してもらっている」
「さすが一流の魔導師が常駐している病院ね。みんなの怪我もほとんど完治でしょう?」
皆が頷く。
“ほとんど完治”なのは自然治癒力を高めるためだそうだ。なんども魔法で完治させると自然治癒力が低下し、小さな怪我ですら治りにくくなるんだとか。
「……あのさ」
いつもとの明るいローレスとは違い、雰囲気は暗く、俯き、黙っていたローレスが口を開いた。
自然とローレス以外の者は閉口し、視線が集まる。
「その、ごめん……」
小さな声だったが、静かな室内では他の音に紛れることもなかった。
「俺、結局は皆のこと巻き込んじまった。かっこつけて手紙残して、自力でどうにかするって書いて、誰にもばれないように出たって言うのに……。俺と母ちゃんを誘き寄せるたのエサにするって、考えなかった……。離れればすむと思ってた……。ごめん、ほんと……。俺、一番年上なのに篠野部の方がよっぽど色々考えてて、しっかりしてるわ……」
それぞれ顔を見合わせる。
ミューは呆れたようにため息を吐き、永華は仕方がないとでも言いたげにミューの方を叩く。
カルタは変わらず、ベイノットはララに視線を向け、ララは首を降る。
レーピオは苦笑いでメメは頭を抱えていた。
今回の件で一番の苦労をしたカルタがローレスの前に出て、手を上げる。
ローレスは殴られると思ったのか目をつぶるが、カルタはローレスの顔を上げさせて、頬を引っ張った。
「レイス、そういうのじゃない」
「!?ふぁるあ!?」
頬を引っ張られているからローレスの口からは間抜けな声を出す。
「篠野部は巻き込んだことを怒ってるんじゃなくて、相談の一つもなく、いきなり姿を消したことを怒ってるんだよ。多分」
篠野部の考えていることとか分かんないから勘だけど。永華はそう付け足し、ローレスの頬をつかむカルタを止める素振りを見せない。
他の者達も止めるぞぶりは見えず、永華の言葉に頷くだけだ。
「最初のことは下手に突っ込まない方がいいかと思って静観していたけど、こんな自分から死地に飛び込みにいくとは思わなかったわ」
永華の物言いは些か大袈裟な気もするが、妥当なものだろう。
「人間生きてるとトラブルに巻き込まれるのは仕方ないので構いませんよお。でも、いきなり居なくなられるとお、とても心配するんですよお?この中の誰かがローレスくんと同じことしたらローレスくんだって僕たちのように心配するし怒るでしょう?」
「ふぉ、ふぉうらけろ……」
「自分のこと棚に上げないでくださいまし。私たちが悩んでたりするとどこからかやってきて、お話を聞いてくれたり、手伝ってくれるのは誰かしら?」
「うっ…」
メメが先陣を切り、次にレーピオ、ララがローレスに対して反撃していく。
反撃している面々は頭がよく口の回るもの達が故にローレスは言い返せずにタジタジになっている。
「そういえばローレスって私たちと同じタイミングに復帰するんだよね?一ヶ月分はどうなるんだろ?補習とかすんのかな?」
「そうねんじゃねえの?」
やっと頬を解放されたローレスは赤くなり、痛む頬を擦っていると、ふいに永華とベイノットが学校の話をする。
「え!?俺退学になってないの!?」
手紙に“退学処分にしておいてください”と書いていた手前、もうメルリス魔法学校に通えないと思っていたローレスは驚愕の声を上げる。
「なってないに決まってんだろ」
「そーだよ。そもそも手紙には“二学期が終わっても帰ってこなかったら”って書いてたんだから退学になるわけないじゃん?」
「い、いや、それ以前に勝手に長い間、休んだことに対しての処分ですでに退学にされてるものだと思ってたんだけど……」
その覚悟で学校を飛び出して姿を眩ましたんだし、と続ける。
「そういう意見も出はしたらしいけど即却下されたらしいよ?」
「先生達はもとから退学させる着なかったんだよ。帰ってくるって確信してたからな」
「な、なんで……」
「手紙に“帰ってこなかったら”とか書いてる辺り帰ってくる気満々じゃんね?」
「だな。先生達曰く、家庭の事情で休学ってことにしといたんだってさ」
「……ま、まじか」
ローレスは嬉しいのか、驚いてるのか、よくわからない顔になっている。
まあ、喜んでいるから誰も言わないが、この後のローレスにはしこたま怒られる未来が待っている。
無断での長期外泊とか怒られないわけないんだよな。
それから話は移り変わり、内容はこれからについてのものとなっていた。
「で、結局どうなったんだよ」
「結局って、何が?」
「ローシュテールだよ、ローシュテール。さすがに今回で露呈したのは今更、隠せねえだろ」
部屋の空気が重々しいものになる。
虐待、誘拐、監禁、禁制予定の薬の購入、そして常用。
罪状は他にもあるが、本人が眠ったままだった。
原因は恐らくは、あの黒い粘性のあるものだろうという話だ。
体の内側のあちこちがボロボロで、生きているのが不思議なくらいなんだそうだ。
寝たまま起きない__昏睡状態であることに当然だと思うくらいには、酷いのだという。
不思議なことと言えば、それだけではない。
永華達の証言から色々と調べたのだそうだが、筋肉量がベイノットを持ち上げられるほどもないと言われてしまった。
ロンテが言っていたように退役後、入院を経て屋敷で過ごしていたが、その間は鍛えていなかったのだろう。
可笑しいのは筋肉量だけではない、魔力もそうだ。
魔導警察に所属している力流眼の持ち主が永華達の証言のもと派遣されたのだが、確認されたローシュテールの魔力はどちらかと言えば低いほうあった。
永華達にたいして使った広範囲の幻覚魔法なんて使えないし、使えたとしても一分と持続できないと断言された。
体の内側だけではなく、外側の肉体強度も可笑しいとのことだ。
いくら何重にも防衛魔法をかけていて学生だったとはいえ飛び級した秀才と現役の軍人仕込みの魔導師、その二人が放った複合魔法、及び他の面々が放った複数の魔法を受けて、あの状態でいれるはずがない。
幾度となく修羅場を潜り抜けた、魔導警察がいったのだ。
そう、全てが可笑しいのだ。
ローシュテールの魔力と混ざっていた得たいの知れない魔力はどこかに行ってしまっていて、追求のしようもない。
得たいの知れない魔力は黒い粘性のあるものとなった、というのはヘルスティーナの見解である。
まあ、その黒い粘性のあるものもヘルスティーナが自らの自己魔法で消し飛ばしてしまったから、ヘルスティーナの話を確かめようもないのだけれど。
それならばブレイブ家の地下倉庫にあった怪しい薬、憤怒と書かれたラベルのやや灰色の混ざった薄い赤の液体はどうなのだろうか?
もちろん、魔導警察や軍はそれを調べようとした。
強制的に住民達は別の場所に移されたブレイブ家の屋敷、その地下倉庫に入ってみれば開いた口が塞がらなくなった。
なにせカルタが見たと言ういくつもの得たいの知れないものは跡形もなく消え去っていたからだ。
調べることができず状態不明のまま終わるのかと思ったら、カルタの懐から一瓶だけが出てきたのだ。
「犯罪の証拠になるかと思って……」
とは本人談である。
怒られはしたものの、カルタが持ち出したものの一つを使って色々と調べることにしなった。
調べて、わかったことは三つ。
まず一つ、主成分がシマシマベアーやビーグル・ナリューラに投与されたものと同じ。
主成分が同じだけで、細かい部分は違うのだというが、導きだす効果はほぼ同一なのではないかという話になっている。
二つ、例の薬と比べて投与されてから効果、副作用ともに出るまでの時間。
調べてみたところ、憤怒のラベルが貼られたものはシマシマベアーに投与されたものよりも効果は薄い、その反面副作用も弱い。
副作用の一つが頭痛だ。
調べてみたらローザベッラもローザベッラも慢性的な頭痛を医者に訴えていたそうだ。
だが依存性は高く、警戒心の高い元軍人であるローシュテールが飲んでいたのも依存性のせいだろう。
常習的に投与しなければ同等の効果にはならないのだ。
三つ目、生成元が違う。
やや灰色の混ざった薄い赤の液体の方には憤怒と書かれたラベルがあり、赤みの強いピンク色の液体が入った瓶の底には分かりにくくも強欲の字が掘られていた。
そして主成分以外の細かい成分が違うことが根拠にあげられる。
この二つの薬は、やや灰色の混ざった薄い赤いの液体は“憤怒の薬”、赤みの強いピンク色の液体の方は“強欲の薬”と呼ばれるようになった。
王都アストロにある病院、その病院のある一室に永華達は集まっていた。
「篠野部、あれから怪我はどうなの?」
「体質の問題で魔法で完治させることが難しいらしいが、日常生活をするには問題ない範囲にまで治してもらっている」
「さすが一流の魔導師が常駐している病院ね。みんなの怪我もほとんど完治でしょう?」
皆が頷く。
“ほとんど完治”なのは自然治癒力を高めるためだそうだ。なんども魔法で完治させると自然治癒力が低下し、小さな怪我ですら治りにくくなるんだとか。
「……あのさ」
いつもとの明るいローレスとは違い、雰囲気は暗く、俯き、黙っていたローレスが口を開いた。
自然とローレス以外の者は閉口し、視線が集まる。
「その、ごめん……」
小さな声だったが、静かな室内では他の音に紛れることもなかった。
「俺、結局は皆のこと巻き込んじまった。かっこつけて手紙残して、自力でどうにかするって書いて、誰にもばれないように出たって言うのに……。俺と母ちゃんを誘き寄せるたのエサにするって、考えなかった……。離れればすむと思ってた……。ごめん、ほんと……。俺、一番年上なのに篠野部の方がよっぽど色々考えてて、しっかりしてるわ……」
それぞれ顔を見合わせる。
ミューは呆れたようにため息を吐き、永華は仕方がないとでも言いたげにミューの方を叩く。
カルタは変わらず、ベイノットはララに視線を向け、ララは首を降る。
レーピオは苦笑いでメメは頭を抱えていた。
今回の件で一番の苦労をしたカルタがローレスの前に出て、手を上げる。
ローレスは殴られると思ったのか目をつぶるが、カルタはローレスの顔を上げさせて、頬を引っ張った。
「レイス、そういうのじゃない」
「!?ふぁるあ!?」
頬を引っ張られているからローレスの口からは間抜けな声を出す。
「篠野部は巻き込んだことを怒ってるんじゃなくて、相談の一つもなく、いきなり姿を消したことを怒ってるんだよ。多分」
篠野部の考えていることとか分かんないから勘だけど。永華はそう付け足し、ローレスの頬をつかむカルタを止める素振りを見せない。
他の者達も止めるぞぶりは見えず、永華の言葉に頷くだけだ。
「最初のことは下手に突っ込まない方がいいかと思って静観していたけど、こんな自分から死地に飛び込みにいくとは思わなかったわ」
永華の物言いは些か大袈裟な気もするが、妥当なものだろう。
「人間生きてるとトラブルに巻き込まれるのは仕方ないので構いませんよお。でも、いきなり居なくなられるとお、とても心配するんですよお?この中の誰かがローレスくんと同じことしたらローレスくんだって僕たちのように心配するし怒るでしょう?」
「ふぉ、ふぉうらけろ……」
「自分のこと棚に上げないでくださいまし。私たちが悩んでたりするとどこからかやってきて、お話を聞いてくれたり、手伝ってくれるのは誰かしら?」
「うっ…」
メメが先陣を切り、次にレーピオ、ララがローレスに対して反撃していく。
反撃している面々は頭がよく口の回るもの達が故にローレスは言い返せずにタジタジになっている。
「そういえばローレスって私たちと同じタイミングに復帰するんだよね?一ヶ月分はどうなるんだろ?補習とかすんのかな?」
「そうねんじゃねえの?」
やっと頬を解放されたローレスは赤くなり、痛む頬を擦っていると、ふいに永華とベイノットが学校の話をする。
「え!?俺退学になってないの!?」
手紙に“退学処分にしておいてください”と書いていた手前、もうメルリス魔法学校に通えないと思っていたローレスは驚愕の声を上げる。
「なってないに決まってんだろ」
「そーだよ。そもそも手紙には“二学期が終わっても帰ってこなかったら”って書いてたんだから退学になるわけないじゃん?」
「い、いや、それ以前に勝手に長い間、休んだことに対しての処分ですでに退学にされてるものだと思ってたんだけど……」
その覚悟で学校を飛び出して姿を眩ましたんだし、と続ける。
「そういう意見も出はしたらしいけど即却下されたらしいよ?」
「先生達はもとから退学させる着なかったんだよ。帰ってくるって確信してたからな」
「な、なんで……」
「手紙に“帰ってこなかったら”とか書いてる辺り帰ってくる気満々じゃんね?」
「だな。先生達曰く、家庭の事情で休学ってことにしといたんだってさ」
「……ま、まじか」
ローレスは嬉しいのか、驚いてるのか、よくわからない顔になっている。
まあ、喜んでいるから誰も言わないが、この後のローレスにはしこたま怒られる未来が待っている。
無断での長期外泊とか怒られないわけないんだよな。
それから話は移り変わり、内容はこれからについてのものとなっていた。
「で、結局どうなったんだよ」
「結局って、何が?」
「ローシュテールだよ、ローシュテール。さすがに今回で露呈したのは今更、隠せねえだろ」
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