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恐るべき執着心
135 ブレイブ家の昔話
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色々な罪を犯したローシュテール、その行く先がどうなるのか。
「牢屋行きではあるんだけど、昏睡状態だから見張りつきの病室だってさ」
「起きたらどうなるの?」
「一生牢屋」
「でしょうね」
妥当な判断だろう。
まあ、その一生を終える前にローシュテールが目を覚ますかは微妙ではあるんだが。
「“人形の砂糖薬”をローシュテールに渡そうとした人達は捕まったのよね」
「ローシュテールさんに気に入られようとした結果なんでしょうねえ。まあ、よそうとは裏腹に草の根残らず魔導警察の方々に刈り取られてますけどお」
魔導警察の勢いはすごかったらしい。
草の根残さず、多分ペンペン草も生えないレベルで除草されていたと言うのを騎士から聞いた。
その騎士には「君たちまるで台風の目のようだな」と言われてしまった。最近、色々と巻き込まれるので自覚したことである。
「でも憤怒の薬の方はなんにも分からずじまい」
「篠野部くんが持っていたもの以外綺麗さっぱりなくなってて証拠や手がかりになりそうなものが全くないんだからこうなるのも自然よ。それを狙って半人さん達が薬を回収したんでしょうしね」
やや灰色の混ざった薄い赤の液体は“憤怒の薬”、赤みの強いピンク色の液体の方は“強欲の薬”と呼ばれることになった。
憤怒の薬はラベルから、強欲の薬は分かりにくく瓶底に強欲と掘られていたところから名付けられた。
「そういえば、あの日の夜にアーネチカさんが現れたとき“おじけずいて逃げなければよかった”と言っていましたけれど、あれっていったいどういう意味なんですの?」
あのときのアーネチカはなにかを知っているような口ぶりだった。
「あぁ、なんか。色々気がついてたらしいんだよ」
アーネチカは屋敷を出る少し前、常用している薬のせいでローシュテールの様子が可笑しいことに薄々気がついていたのだそうだ。
だが、あまりの怪しさと愛した人の変わりようを見て恐怖を覚えて確かめることもなく、正そうとすることもなくローレスを連れて逃げることにしたんだという。
「まじか」
「女の勘ってやつなんでしょうかあ?」
「ローザベッラ婦人は気がついてなかったのか?」
「俺も気になってロンテに聞いてみたんだけどよ。変だとは思いつつも退役した影響だと思ったのか、政略結婚だったからか、気づいていたけどスルーしたんだって」
退役の影響、なるほど。そう考えることもできるのか。
そもそもローシュテールが退役した理由だが、頭に怪我を負ったことと、足に後遺症をこ残すほどの大怪我を負ったことが原因なんだそうだ。
そもそも、ローレスやアーネチカの二人が貴族の屋敷から逃げ出して隠れていたかという話になるのだが。
「ローザベッラの嫁いびりが原因なんじゃないのか?」
「いや、様子の可笑しくなったローシュテールが原因だ」
ローレスは目を伏せ、自分の知っていることと、少し前にアーネチカに教えられた過去を語り始めた。
話は二十数年も昔になる。
当時は、ローシュテールは従軍していて、屋敷の使用人だったアーネチカとは両想いではあったものの身分の違いがあり結婚していなかった。
だがローザベッラとは親同士が結んだ政略結婚のもと嫁入りしており、かれこれ数年、子供はできていない。
そんな状態だったからなのか、かねてよりアーネチカとの結婚に反対していたローシュテールの親は血が途切れるよりも……と了承。
アーネチカとローシュテールは結婚し、それからほどなくしてローレスがアーネチカの腹の中に宿ることになった。
アーネチカとローザベッラの仲が悪かったのかと言えば違う。
使用人時代からアーネチカが子供ができないことで落ち込み気味のローザベッラを励ましていたことから、とても仲がよく、ローシュテールとアーネチカが結婚したときも人一倍祝福していたのもローザベッラなのだ。
「おめでとう、アーネチカ」
「ありがとうございます。ローザベッラ様」
ローシュテールは二人を平等に、けれど貴族で家のためい嫁入りしてきたローザベッラを正妻と、平民で恋愛婚のアーネチカを側室と、生活していた。
ローザベッラもアーネチカも、それに不満はなく、よく笑って話していた。
アーネチカとローシュテールが結婚して、子供を授かり、ローレスが生まれて、それから三年してロンテが生まれた。
二人とも男で後継者の問題が出ていたのだが、ローシュテールは正妻の子であるロンテを次期当主にするといい、大きな問題は起こらなかった。
当時のローレスは神童と言われていて、自分の立場もよく分かっていたのか自分から当主になりたくないと言ったのも大きい。
二人の兄弟は母達を見習ったのか、とても仲良く過ごしていた。
何をするにも二人一緒でいることが多く、執事やメイドがロンテの面倒を見ようとすると小さなローレスが嫉妬するくらいにはベタベタだった。
それはローシュテールもそうで、休みになればよく二人に構っていた。
「父様、肩車して!」
「だっこ~!」
「いいぞ」
ローレスが生まれてから六年、ロンテが生まれて三年、ローシュテールが退役することになった怪我を負う事件が発生した。
その事件は領内で発生したもので、盗賊が宝石店を襲ったものだったのだが逃走する際に馬車で恐怖でかたまって動けない少女を轢こうとしたのだ。
それに気がついたローシュテールは少女を庇い、足を馬車に轢かれてしまい骨は粉砕骨折、神経に傷を残し額を固い地面に打ち付ける、と言う結果となった。
少女には怪我はなかったものの、足の神経を傷つけたことが原因となり退役せざる負えなくなったのだ。
おそらく、憤怒の薬は入院時に存在を知り、飲まされ依存性を利用した結果が今なのか、自分から飲んだのかは不明である。
ローシュテールは底から入院することになったのだが、そこからローシュテールの様子が可笑しくなりだした。
憤怒の薬を常用するようになり、段々と異様な執着心をアーネチカやローレスに向けるようになった。
最初こそ、退役したショックで愛しているアーネチカの側にいるようになったのかと使用人達はでも思ったのだが、それが表面化してきてついには表でもローザベッラよりもアーネチカを優先するようになった。
これの何が悪いか、ローザベッラは貴族で政略結婚でブレイブ家に嫁入りしてきた娘だ。
そんなローザベッラよりも平民であるアーネチカを優先する、下手を打つとローザベッラの生家を敵に回しかねない行為で、ローザベッラの生家と仲の良い他の貴族も敵に回しかねない行為であった。
これはダメだと判断したアーネチカとローザベッラは手を組んで一芝居打つことにした。
それはアーネチカが優先されることで嫉妬と不満を爆発させたローザベッラがアーネチカをいびりだすようになったというものだ。
これだとローザベッラが悪役になってしまうとアーネチカは心配したが、自分が悪役になれども伴侶の歩む道を正すのが私の勤めだといいはなった。
でもローシュテールが、その態度を改めることはなかった。
それどころかローザベッラの態度に反抗するかのようにアーネチカに対する執着が増していったのだ。
ローシュテール本人の問題ではなく、常用している薬が悪さをしているのではないかとアーネチカはローザベッラに言った。
だかあれは鎮痛薬の類いであるとローシュテール本人に説明されていたローザベッラは、例えあれが悪さをしていたとしても変わりの薬を見つけるまではどうにもできないとアーネチカにいった。
芝居と平行して、変わりになりそうなものを探すもどれもこれも意味がなく堂々巡りになってしまった。
そして、だんだんとローザベッラも可笑しくなっていった。
貴族であるプライドが傷つけられ、けれど伴侶と親友のために我慢していた。
それこそ他の貴族婦人からローザベッラは女神か何かの生まれ変わり、と言われるほどである。
まあ、それも長く続くわけもなく。
ローザベッラは自分の不満をローシュテールにぶつけた。
だがローザベッラの不満をローシュテールは“わがまま”として片付けた。
異常な執着を見せる旦那、伴侶と自分に挟まれ刷りきれていく親友。
このままいけば、どうなるか。
アーネチカは分かってしまった。
怖くなった、逃げたくなった。
アーネチカは幼いローレスを連れてブレイブ家を飛びだした。
アーネチカがいなくなったからローシュテールの執着心はストッパーをなくし、二人がいなくなっても尚、ローザベッラとロンテをほったらかしにしてアーネチカに執着するローシュテール。
だんだんとローザベッラも可笑しくなっていき、しまいにはアーネチカとの芝居を本物だと勘違いした使用人がローザベッラの食事に憤怒の薬を混ぜこんだ。
そこから、ローザベッラの様子も可笑しくなっていった。
そして、ふたりは十四年あまり憤怒の薬を飲み続け、現在のようになってしまった。
誰がローシュテールに憤怒の薬を渡した人物は分かっていない。
あと、ローシュテールが助けた少女がお見舞いに来ていた。
「牢屋行きではあるんだけど、昏睡状態だから見張りつきの病室だってさ」
「起きたらどうなるの?」
「一生牢屋」
「でしょうね」
妥当な判断だろう。
まあ、その一生を終える前にローシュテールが目を覚ますかは微妙ではあるんだが。
「“人形の砂糖薬”をローシュテールに渡そうとした人達は捕まったのよね」
「ローシュテールさんに気に入られようとした結果なんでしょうねえ。まあ、よそうとは裏腹に草の根残らず魔導警察の方々に刈り取られてますけどお」
魔導警察の勢いはすごかったらしい。
草の根残さず、多分ペンペン草も生えないレベルで除草されていたと言うのを騎士から聞いた。
その騎士には「君たちまるで台風の目のようだな」と言われてしまった。最近、色々と巻き込まれるので自覚したことである。
「でも憤怒の薬の方はなんにも分からずじまい」
「篠野部くんが持っていたもの以外綺麗さっぱりなくなってて証拠や手がかりになりそうなものが全くないんだからこうなるのも自然よ。それを狙って半人さん達が薬を回収したんでしょうしね」
やや灰色の混ざった薄い赤の液体は“憤怒の薬”、赤みの強いピンク色の液体の方は“強欲の薬”と呼ばれることになった。
憤怒の薬はラベルから、強欲の薬は分かりにくく瓶底に強欲と掘られていたところから名付けられた。
「そういえば、あの日の夜にアーネチカさんが現れたとき“おじけずいて逃げなければよかった”と言っていましたけれど、あれっていったいどういう意味なんですの?」
あのときのアーネチカはなにかを知っているような口ぶりだった。
「あぁ、なんか。色々気がついてたらしいんだよ」
アーネチカは屋敷を出る少し前、常用している薬のせいでローシュテールの様子が可笑しいことに薄々気がついていたのだそうだ。
だが、あまりの怪しさと愛した人の変わりようを見て恐怖を覚えて確かめることもなく、正そうとすることもなくローレスを連れて逃げることにしたんだという。
「まじか」
「女の勘ってやつなんでしょうかあ?」
「ローザベッラ婦人は気がついてなかったのか?」
「俺も気になってロンテに聞いてみたんだけどよ。変だとは思いつつも退役した影響だと思ったのか、政略結婚だったからか、気づいていたけどスルーしたんだって」
退役の影響、なるほど。そう考えることもできるのか。
そもそもローシュテールが退役した理由だが、頭に怪我を負ったことと、足に後遺症をこ残すほどの大怪我を負ったことが原因なんだそうだ。
そもそも、ローレスやアーネチカの二人が貴族の屋敷から逃げ出して隠れていたかという話になるのだが。
「ローザベッラの嫁いびりが原因なんじゃないのか?」
「いや、様子の可笑しくなったローシュテールが原因だ」
ローレスは目を伏せ、自分の知っていることと、少し前にアーネチカに教えられた過去を語り始めた。
話は二十数年も昔になる。
当時は、ローシュテールは従軍していて、屋敷の使用人だったアーネチカとは両想いではあったものの身分の違いがあり結婚していなかった。
だがローザベッラとは親同士が結んだ政略結婚のもと嫁入りしており、かれこれ数年、子供はできていない。
そんな状態だったからなのか、かねてよりアーネチカとの結婚に反対していたローシュテールの親は血が途切れるよりも……と了承。
アーネチカとローシュテールは結婚し、それからほどなくしてローレスがアーネチカの腹の中に宿ることになった。
アーネチカとローザベッラの仲が悪かったのかと言えば違う。
使用人時代からアーネチカが子供ができないことで落ち込み気味のローザベッラを励ましていたことから、とても仲がよく、ローシュテールとアーネチカが結婚したときも人一倍祝福していたのもローザベッラなのだ。
「おめでとう、アーネチカ」
「ありがとうございます。ローザベッラ様」
ローシュテールは二人を平等に、けれど貴族で家のためい嫁入りしてきたローザベッラを正妻と、平民で恋愛婚のアーネチカを側室と、生活していた。
ローザベッラもアーネチカも、それに不満はなく、よく笑って話していた。
アーネチカとローシュテールが結婚して、子供を授かり、ローレスが生まれて、それから三年してロンテが生まれた。
二人とも男で後継者の問題が出ていたのだが、ローシュテールは正妻の子であるロンテを次期当主にするといい、大きな問題は起こらなかった。
当時のローレスは神童と言われていて、自分の立場もよく分かっていたのか自分から当主になりたくないと言ったのも大きい。
二人の兄弟は母達を見習ったのか、とても仲良く過ごしていた。
何をするにも二人一緒でいることが多く、執事やメイドがロンテの面倒を見ようとすると小さなローレスが嫉妬するくらいにはベタベタだった。
それはローシュテールもそうで、休みになればよく二人に構っていた。
「父様、肩車して!」
「だっこ~!」
「いいぞ」
ローレスが生まれてから六年、ロンテが生まれて三年、ローシュテールが退役することになった怪我を負う事件が発生した。
その事件は領内で発生したもので、盗賊が宝石店を襲ったものだったのだが逃走する際に馬車で恐怖でかたまって動けない少女を轢こうとしたのだ。
それに気がついたローシュテールは少女を庇い、足を馬車に轢かれてしまい骨は粉砕骨折、神経に傷を残し額を固い地面に打ち付ける、と言う結果となった。
少女には怪我はなかったものの、足の神経を傷つけたことが原因となり退役せざる負えなくなったのだ。
おそらく、憤怒の薬は入院時に存在を知り、飲まされ依存性を利用した結果が今なのか、自分から飲んだのかは不明である。
ローシュテールは底から入院することになったのだが、そこからローシュテールの様子が可笑しくなりだした。
憤怒の薬を常用するようになり、段々と異様な執着心をアーネチカやローレスに向けるようになった。
最初こそ、退役したショックで愛しているアーネチカの側にいるようになったのかと使用人達はでも思ったのだが、それが表面化してきてついには表でもローザベッラよりもアーネチカを優先するようになった。
これの何が悪いか、ローザベッラは貴族で政略結婚でブレイブ家に嫁入りしてきた娘だ。
そんなローザベッラよりも平民であるアーネチカを優先する、下手を打つとローザベッラの生家を敵に回しかねない行為で、ローザベッラの生家と仲の良い他の貴族も敵に回しかねない行為であった。
これはダメだと判断したアーネチカとローザベッラは手を組んで一芝居打つことにした。
それはアーネチカが優先されることで嫉妬と不満を爆発させたローザベッラがアーネチカをいびりだすようになったというものだ。
これだとローザベッラが悪役になってしまうとアーネチカは心配したが、自分が悪役になれども伴侶の歩む道を正すのが私の勤めだといいはなった。
でもローシュテールが、その態度を改めることはなかった。
それどころかローザベッラの態度に反抗するかのようにアーネチカに対する執着が増していったのだ。
ローシュテール本人の問題ではなく、常用している薬が悪さをしているのではないかとアーネチカはローザベッラに言った。
だかあれは鎮痛薬の類いであるとローシュテール本人に説明されていたローザベッラは、例えあれが悪さをしていたとしても変わりの薬を見つけるまではどうにもできないとアーネチカにいった。
芝居と平行して、変わりになりそうなものを探すもどれもこれも意味がなく堂々巡りになってしまった。
そして、だんだんとローザベッラも可笑しくなっていった。
貴族であるプライドが傷つけられ、けれど伴侶と親友のために我慢していた。
それこそ他の貴族婦人からローザベッラは女神か何かの生まれ変わり、と言われるほどである。
まあ、それも長く続くわけもなく。
ローザベッラは自分の不満をローシュテールにぶつけた。
だがローザベッラの不満をローシュテールは“わがまま”として片付けた。
異常な執着を見せる旦那、伴侶と自分に挟まれ刷りきれていく親友。
このままいけば、どうなるか。
アーネチカは分かってしまった。
怖くなった、逃げたくなった。
アーネチカは幼いローレスを連れてブレイブ家を飛びだした。
アーネチカがいなくなったからローシュテールの執着心はストッパーをなくし、二人がいなくなっても尚、ローザベッラとロンテをほったらかしにしてアーネチカに執着するローシュテール。
だんだんとローザベッラも可笑しくなっていき、しまいにはアーネチカとの芝居を本物だと勘違いした使用人がローザベッラの食事に憤怒の薬を混ぜこんだ。
そこから、ローザベッラの様子も可笑しくなっていった。
そして、ふたりは十四年あまり憤怒の薬を飲み続け、現在のようになってしまった。
誰がローシュテールに憤怒の薬を渡した人物は分かっていない。
あと、ローシュテールが助けた少女がお見舞いに来ていた。
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