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子は鎹
180 見た目にそわず
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誰かの視点
キャシーの部屋にて、魔具を通してリアルタイムで魔法学校で起こっていたことを見ていたモカノフが魔法学校で起こったことについてキャシーに報告していた。
「やっぱり、任せるのは駄目だったか~。そりゃ色々あったんだし、強くなろうとはするよね~」
「やはり、前回のように私が向かった方がよいのではないですか?彼のことで揺さぶれば、簡単に魔法で誘導できるかと」
「でも、お前の顔ばれているから見つけた瞬間叫ぶんじゃない?というか、そもそも学校の外にでないでしょ」
キャシーは煙を吐き出し、相も変わらず果物を食べてソファに寝転んでいた。
ポイと寝転ぶのに邪魔担っている宝石で出来たブレスレットを床に落とした。
「彼にもその対策を取られてタイミングを計る他無くなっていましたからね。それと片付けた側から散らかすのやめてくれませんか?」
そう言いつつ、モカノフはあちこちに散乱している衣服を集めては籠に入れて、宝石や装飾品の類いはそれ用の箱にしまう。
「知らないも~ん」
見た目どおりの言動を取るキャシーに、モカノフはため息を吐く。
この人、私よりも年上なはずなんですけどねえ……。
どうしてこうなったものか……。
心の中で一人考えるが、モカノフの世話焼きの結果であるのはキャシー以外は知らない。
「ピンバッチが惜しかったよね~。まさか、数年前にやらせた任務で指定もしてないのに盗ってきて、報告もせずに勝手に使うんだからさ~。横領って言うの?」
「横領ではないでしょう」
キャシーはてっきり、無理矢理にでも永華を外に引っ張り出して誘拐するのではないかと考えていた。
だが今回は報告をしていない盗品を使い、学内で問題を起こしたのだ。
学外ならばモカノフや暗殺者が回収できたものを……。
それでなくとも、ピンバッチが報告されていたのならば暗殺者に永華を誘拐させにいっていた。
あの暗殺者ならば、魔力探知を無効化してしまえば小娘一人誘拐することなんて赤子の手をひねる程に簡単なことだろう。
「そうだ。あの三人はどうするんです?再利用ですか?捨てますか?」
「捨てるよ。ろくに報告しないし、失敗するし、処分は任せるから」
「わかりました」
あの三人の行方はモカノフの手によって決まることになった。
「あの三人は魔導警察ではなく軍に引き取られるとのことですから、軍内部のオトモダチに手伝っていただきましょうか」
魔導警察の内部にいるオトモダチの方に処分してもらう方が楽なんですけど、今回は軍の方に引き取られてしまってるので仕方ないですね。
「そうだ。ヘラクレスってさ、邪魔だよね」
キャシーは邪悪な笑みを作り、いまだに部屋の掃除をしているモカノフに向けた。
「ふむ、確かに邪魔ですね。二年くらい前でしたか、参加を潰されてしまいましたし」
「あの用済みになった三人も、ヘラクレスも一緒に処理できない?」
キャシーの考えている事がわかったらしいモカノフはキャシーに負けず劣らずの邪悪な笑みを作り上げ、それを隠すように口元に手を持っていく。
「いいですね。オトモダチのことも気がついているようですし、一気に処理してしまいましょうか。それに兄に何かあったと言うのならば妹も引き出せるでしょうし、そこから繋げて強引にでも目標の子をひっぱり出せそうです」
「でしょ?しかも魔法学校の中で襲撃が起こったんだからさ、すぐに魔法学校に向かうって選択できるかな?できないでしょ?それなら教師や他の生徒に邪魔をされることもないじゃん?僕ってかしこ~い。キヒヒ」
キャシーは不気味に笑い、また煙を蒸かす。
キャシーが吐き出した煙は数日前に直った換気扇に吸い込まれて消えていく。
「軍の施設には魔法結界は……ありませんでしたね。軍の施設に結界を張れる程の力の持ち主もいませんし、派遣して結界を張ることもできませんからね」
モカノフは手際よく、ポイポイとキャシーが脱ぎ捨てた衣服を籠に入れて、装飾類も手早く集めて、散らかっているゴミも纏めると部屋の外に出す。
「それでは、私はことを進めにいってきますね」
「買い物に行くお母さんみたいでカッコつかないよ」
「貴方のせいでこうなってるんですけど?はぁ……」
何度言っても部屋の状態を完全しようとしないキャシーに諦めのため息を吐いて、挨拶をしてから部屋をでていった。
ゴミと脱ぎ散らかされていた服の処理をすませると、暗殺者がいるだろう部屋に向かう。
ノックをして部屋に入れば実験中の嫉妬の幹部補佐と暗殺者がいた。
「なんだ?呪いに不備でもでたか?」
「いえ、今回は貴方ではなく暗殺者の方にお願いしたいことがあってきたんです」
「そうか」
嫉妬の幹部候補はそれだけ聞くと気だるげに返事をしてモカノフの存在など最初から無かったかのように実験を再開した。
一方、自分に用があると告げられた暗殺者は部屋に備え付けられていたソファから起き上がり、眠そうにあくびをする。
「なんのよう?」
「貴方の本職である“暗殺”の仕事ですよ」
モカノフがそう告げると、眠そうだった暗殺者の表情がガラッと変わり、表情と言うものを削ぎ落としたような無表情になっていた。
「誰を殺せばいいわけ?」
「それは歩きながら話しましょうか?蛇のような嫉妬の幹部候補殿の実験の邪魔をしては行けませんからね。さっきから、睨まれていますし」
「わかっているのならば、とっとと何処かに行け。寝るならまだしも、ここで喋られると気が散る」
嫉妬の幹部候補は二人を睨み付けると、すぐに実験に戻った。
モカノフも暗殺者も嫉妬の幹部候補の無愛想で嫌な態度になれているのか、特に気にする様子もなく部屋からでていった。
この二人、慣れていると言うのもあるのだろうが、それよりもこれ以上は小言や嫌味を投げ掛けられたくないだけである。
この一年近く、同じ味とを拠点としているだけあって過ごす時間帯が被ることもあるのだが、不機嫌になる度に嫉妬の幹部候補からの嫌味に嫌気がさしていたのだ。
部屋から出た二人は廊下を進んでいく。
「そういえば」
暗殺者が口を開いた。
「あの嫌味やろうの名前なんだっけ?」
「エンヴィー・ノイズですよ。忘れたんですか?」
「最初は長い付き合いになると持ってなかったから覚えようとも思ってなかった」
暗殺者はてっきり嫉妬の幹部候補__エンヴィー・ノイズとは最初の仕事だけの一度限りの関係になると予測しており、名前を聞いたとしても無意味だろうと思って、すぐに忘れてしまったのだ。
暗殺者が受ける仕事関係の人間との関係なんてそんなものだったからだ。
「まぁ、殺し殺されの世界ですから、会った人が次の日のは死んでるなんてよくあることですからね」
「死ぬとは思っていないけど、てっきり殺しばかり依頼されるものと」
「あぁ、そっちですか。まぁ、暗殺者なんていくらでも抱え込んでいますからね。“あの方”曰く、貴方には貴方の使い方があるんですよ」
モカノフの言葉に暗殺者は眉間にシワを寄せる。
使い方と言われて、モノ扱いされて不満はあった。
シワを寄せはするものの、モカノフの発言に文句を言うことはなかった。
それに、このアジトや組織に関わりだした時から、まれに聞こえてくる“あの方”についても気になっていた。
だが、聞かない方がいいと本能が警告して口を開くことはない。
「それで、今回の仕事って何?」
「目ルリス魔法学校に侵入した二人と、二人の補助の魔導師はわかりますね?」
「あぁ、わかる。冬に女の子の方を襲撃した三人だな?」
「そうです。その三人が仕事を失敗して全員揃って捕まりましてね?彼らは前のような末端とは違い、今回の計画の内容をある程度知っています。情報が漏れる前に、処理したいんです」
前の末端といえば、夏休みの序盤に起こした襲撃事件のために集めたろくに情報も渡していない雑兵達のことだろう。
「つまりは殺処分?」
「ふふ、イエスです」
「指定は?」
モカノフの指定に暗殺者は頷き、時間もないと言って早々に仕事に出掛けていった。
メルリス魔法学校の内部で起きた襲撃事件の犯人である三人は襲撃日の翌日、軍に引き渡された日の翌日、軍の施設の内部にて、襲撃犯の三人が遺体となって見つかった。
そして、容疑者にはヘラクレス・アリスが上がることとなった。
キャシーの部屋にて、魔具を通してリアルタイムで魔法学校で起こっていたことを見ていたモカノフが魔法学校で起こったことについてキャシーに報告していた。
「やっぱり、任せるのは駄目だったか~。そりゃ色々あったんだし、強くなろうとはするよね~」
「やはり、前回のように私が向かった方がよいのではないですか?彼のことで揺さぶれば、簡単に魔法で誘導できるかと」
「でも、お前の顔ばれているから見つけた瞬間叫ぶんじゃない?というか、そもそも学校の外にでないでしょ」
キャシーは煙を吐き出し、相も変わらず果物を食べてソファに寝転んでいた。
ポイと寝転ぶのに邪魔担っている宝石で出来たブレスレットを床に落とした。
「彼にもその対策を取られてタイミングを計る他無くなっていましたからね。それと片付けた側から散らかすのやめてくれませんか?」
そう言いつつ、モカノフはあちこちに散乱している衣服を集めては籠に入れて、宝石や装飾品の類いはそれ用の箱にしまう。
「知らないも~ん」
見た目どおりの言動を取るキャシーに、モカノフはため息を吐く。
この人、私よりも年上なはずなんですけどねえ……。
どうしてこうなったものか……。
心の中で一人考えるが、モカノフの世話焼きの結果であるのはキャシー以外は知らない。
「ピンバッチが惜しかったよね~。まさか、数年前にやらせた任務で指定もしてないのに盗ってきて、報告もせずに勝手に使うんだからさ~。横領って言うの?」
「横領ではないでしょう」
キャシーはてっきり、無理矢理にでも永華を外に引っ張り出して誘拐するのではないかと考えていた。
だが今回は報告をしていない盗品を使い、学内で問題を起こしたのだ。
学外ならばモカノフや暗殺者が回収できたものを……。
それでなくとも、ピンバッチが報告されていたのならば暗殺者に永華を誘拐させにいっていた。
あの暗殺者ならば、魔力探知を無効化してしまえば小娘一人誘拐することなんて赤子の手をひねる程に簡単なことだろう。
「そうだ。あの三人はどうするんです?再利用ですか?捨てますか?」
「捨てるよ。ろくに報告しないし、失敗するし、処分は任せるから」
「わかりました」
あの三人の行方はモカノフの手によって決まることになった。
「あの三人は魔導警察ではなく軍に引き取られるとのことですから、軍内部のオトモダチに手伝っていただきましょうか」
魔導警察の内部にいるオトモダチの方に処分してもらう方が楽なんですけど、今回は軍の方に引き取られてしまってるので仕方ないですね。
「そうだ。ヘラクレスってさ、邪魔だよね」
キャシーは邪悪な笑みを作り、いまだに部屋の掃除をしているモカノフに向けた。
「ふむ、確かに邪魔ですね。二年くらい前でしたか、参加を潰されてしまいましたし」
「あの用済みになった三人も、ヘラクレスも一緒に処理できない?」
キャシーの考えている事がわかったらしいモカノフはキャシーに負けず劣らずの邪悪な笑みを作り上げ、それを隠すように口元に手を持っていく。
「いいですね。オトモダチのことも気がついているようですし、一気に処理してしまいましょうか。それに兄に何かあったと言うのならば妹も引き出せるでしょうし、そこから繋げて強引にでも目標の子をひっぱり出せそうです」
「でしょ?しかも魔法学校の中で襲撃が起こったんだからさ、すぐに魔法学校に向かうって選択できるかな?できないでしょ?それなら教師や他の生徒に邪魔をされることもないじゃん?僕ってかしこ~い。キヒヒ」
キャシーは不気味に笑い、また煙を蒸かす。
キャシーが吐き出した煙は数日前に直った換気扇に吸い込まれて消えていく。
「軍の施設には魔法結界は……ありませんでしたね。軍の施設に結界を張れる程の力の持ち主もいませんし、派遣して結界を張ることもできませんからね」
モカノフは手際よく、ポイポイとキャシーが脱ぎ捨てた衣服を籠に入れて、装飾類も手早く集めて、散らかっているゴミも纏めると部屋の外に出す。
「それでは、私はことを進めにいってきますね」
「買い物に行くお母さんみたいでカッコつかないよ」
「貴方のせいでこうなってるんですけど?はぁ……」
何度言っても部屋の状態を完全しようとしないキャシーに諦めのため息を吐いて、挨拶をしてから部屋をでていった。
ゴミと脱ぎ散らかされていた服の処理をすませると、暗殺者がいるだろう部屋に向かう。
ノックをして部屋に入れば実験中の嫉妬の幹部補佐と暗殺者がいた。
「なんだ?呪いに不備でもでたか?」
「いえ、今回は貴方ではなく暗殺者の方にお願いしたいことがあってきたんです」
「そうか」
嫉妬の幹部候補はそれだけ聞くと気だるげに返事をしてモカノフの存在など最初から無かったかのように実験を再開した。
一方、自分に用があると告げられた暗殺者は部屋に備え付けられていたソファから起き上がり、眠そうにあくびをする。
「なんのよう?」
「貴方の本職である“暗殺”の仕事ですよ」
モカノフがそう告げると、眠そうだった暗殺者の表情がガラッと変わり、表情と言うものを削ぎ落としたような無表情になっていた。
「誰を殺せばいいわけ?」
「それは歩きながら話しましょうか?蛇のような嫉妬の幹部候補殿の実験の邪魔をしては行けませんからね。さっきから、睨まれていますし」
「わかっているのならば、とっとと何処かに行け。寝るならまだしも、ここで喋られると気が散る」
嫉妬の幹部候補は二人を睨み付けると、すぐに実験に戻った。
モカノフも暗殺者も嫉妬の幹部候補の無愛想で嫌な態度になれているのか、特に気にする様子もなく部屋からでていった。
この二人、慣れていると言うのもあるのだろうが、それよりもこれ以上は小言や嫌味を投げ掛けられたくないだけである。
この一年近く、同じ味とを拠点としているだけあって過ごす時間帯が被ることもあるのだが、不機嫌になる度に嫉妬の幹部候補からの嫌味に嫌気がさしていたのだ。
部屋から出た二人は廊下を進んでいく。
「そういえば」
暗殺者が口を開いた。
「あの嫌味やろうの名前なんだっけ?」
「エンヴィー・ノイズですよ。忘れたんですか?」
「最初は長い付き合いになると持ってなかったから覚えようとも思ってなかった」
暗殺者はてっきり嫉妬の幹部候補__エンヴィー・ノイズとは最初の仕事だけの一度限りの関係になると予測しており、名前を聞いたとしても無意味だろうと思って、すぐに忘れてしまったのだ。
暗殺者が受ける仕事関係の人間との関係なんてそんなものだったからだ。
「まぁ、殺し殺されの世界ですから、会った人が次の日のは死んでるなんてよくあることですからね」
「死ぬとは思っていないけど、てっきり殺しばかり依頼されるものと」
「あぁ、そっちですか。まぁ、暗殺者なんていくらでも抱え込んでいますからね。“あの方”曰く、貴方には貴方の使い方があるんですよ」
モカノフの言葉に暗殺者は眉間にシワを寄せる。
使い方と言われて、モノ扱いされて不満はあった。
シワを寄せはするものの、モカノフの発言に文句を言うことはなかった。
それに、このアジトや組織に関わりだした時から、まれに聞こえてくる“あの方”についても気になっていた。
だが、聞かない方がいいと本能が警告して口を開くことはない。
「それで、今回の仕事って何?」
「目ルリス魔法学校に侵入した二人と、二人の補助の魔導師はわかりますね?」
「あぁ、わかる。冬に女の子の方を襲撃した三人だな?」
「そうです。その三人が仕事を失敗して全員揃って捕まりましてね?彼らは前のような末端とは違い、今回の計画の内容をある程度知っています。情報が漏れる前に、処理したいんです」
前の末端といえば、夏休みの序盤に起こした襲撃事件のために集めたろくに情報も渡していない雑兵達のことだろう。
「つまりは殺処分?」
「ふふ、イエスです」
「指定は?」
モカノフの指定に暗殺者は頷き、時間もないと言って早々に仕事に出掛けていった。
メルリス魔法学校の内部で起きた襲撃事件の犯人である三人は襲撃日の翌日、軍に引き渡された日の翌日、軍の施設の内部にて、襲撃犯の三人が遺体となって見つかった。
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