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子は鎹
213 変化
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「よう!」
「レイス?」
病室にやって気たのはレイス達だった。
「どうした?」
「見舞いだよ、見舞い」
「そうそう。どこかの誰かさん達が無茶したからね」
うぅん、事実だからなにも言えない。
やってきたレイス達は魔法学校の話をしてくれた。
あんな大騒動があったが事件は終息したと言うことで、特に休校することもなく、通常通りに授業が行われているらしい。
レイス達は成績に問題なく、無事に進学できて今や二年生になっている。
僕も成績的に問題はなく、進級は出きるのだが入院してしまっているせいで今だ一年生の気分で進級した実感は微塵もなかった。
それは戌井も同じで、レイス達よりも遅れてきた戌井は前よりもましになったけれど今だ青白い顔で「実感わかな~」と笑っていた。
「カルタはどうよ?」
「……え?あ、あぁ、僕も実感がわかないな。閉じ込められていたのもあるし」
相変わらず慣れない名前呼びに反応が少し遅れる。
「だよね~。私も命狙われ過ぎてなんかねえ?」
「それなりに学生らしい生活もしていただろう……。まあ、そっちの方が印象が強くなるのもおかしくないけど」
ため息をはいたところで、さっきまでレイスやファーレンテインなんかの声がしてやかましいほどでなくとも賑やかだった病室が静まり返っていることに気がついた。
一体どうしたんだと不思議に思っていれば、普段は糸目で目線が分からないアスクスですら目を見開いて僕と戌井を交互に見ていた。
「え?い、今、“カルタ”って」
「ん?うん、言ったよ?」
「なんで!?」
レイス達の疑問の声が病室に響いて、看護師に注意されることになった。
「ビックリした……。いきなり何だ?」
「うえ~、頭に響く……」
いきなりの大声に戌井は貧血の影響か、くらくらするようでしんどそうにしていた。
「あ、ごめん……」
「いやいやいや、永華、貴女いままで篠野部のこと名前で呼ばなかったじゃない。それに、篠野部は名前で呼んでも反応しなかったのよ?それがガラッと変わって、叫びもするわよ……」
あぁ、そう言うことだったのか。
いや、うん。
そうなるのも分かるんだが、名前一つでこうも大騒ぎすることになるとは思わなかった……。
「あぁ、だって覚えやすいでしょ?」
「覚えやすい、ですかあ?」
「?まあ、特徴的な名前だし、そうだが……」
「だから、簡単に忘れないよねって思ってね。あと、篠野部もカルタも特徴的な名前だけどさ、篠野部ってカルタの家族も使ってるでしょ?だからちゃんと区別付けるためにカルタって、忘れないためにもね」
「……」
そういう、理由だったのか。
「え~、私もお名前呼びたいですわ!えーちゃんだけずるいです!」
「そうだぞ。こっちはカルタって呼んでもなかなか反応しねえし、それ言ったら気まずそうにするから地雷踏んじまったんじゃねえかって遠慮してたんだぞ」
「カルタって呼ぶわよ。拒否権はないからね!」
「俺も~!俺も呼ぶからな」
「いっそのこと貴方も私たちのこと名前で呼ぶようにしたらどうかしら?」
「妙案ですねえ。レーピオって呼んでくださいよお」
予想外の事態に困惑していると戌井が笑った。
「いいじゃん、いいじゃん。心機一転、呼び方変えちゃえば?」
「え、でも……」
お母さんが冷たくなってから名前を呼ばれることがなくなってしまった。
そのせいか、誰に名前を呼ばれても、あまり反応できなくなっていって自然と呼び方は“篠野部”と、反応する名字呼びに変わっていった。
それから更に辛うじて反応できていた名前に完全に反応できなくなっていった。
まるで、自分が“篠野部カルタ”ではなく“篠野部”に成ったような感覚だった。
自分が名前で呼ばれることもなくなってしまったことから、僕自身も人のことを名前で呼ぶことがなくなってしまった。
「でももだってもないって、本人達が良いってんだから呼べば良いじゃん。私だってカルタの許可とってから呼んだわけじゃないんだからさ。それとも許可いる?」
「いや、いらないけど……」
「私のことも名前で呼んでみ?」
戌井のやつ、顔色は青白いまんまだが僕のことをからかっているつもりなのかニヤついている。
「えーちゃんじゃなくて私のことを最初に呼んでくださいまし!」
「え~、何でよ」
「だって、しれっとカルタの名前呼んでたじゃねえか」
「そうですよお。カルタ君の初めてを取ったんですから、これくらいは僕らに譲るべきなのではあ?」
「気持ち悪い言い方するな」
「うふふ~。久しぶりの冷たい目……。うへへ~」
「……」
いつでも変わらないな、コイツは……。
呆れた目で見ても喜ぶだけなので切り替えることにした。
どんな表情をして名前を呼べば良いか分からなくて目をそらして、口を開く。
「……ローレス、ミュー、メイメア、ベイノット、レーピオ、ララ、永華」
病室は再びどんちゃん騒ぎになって看護師に怒られることになった。
「そんなに騒ぐことか……?」
「だって……。何か距離感じててよ」
「それが縮まったって思ったらな?」
そんな名前一つで喜ばれることになるだなんて誰が思ったか……。
確かに、名前を呼ばれるのは嬉しいけど……。
ワイワイ、ガヤガヤと賑やかな面々を改めてみる。
元いた世界では純粋な意味での中の良い人間なんていなかった。
いつも隣にいるのは名前さえもうろ覚えで、いつも課題をうつさせてくれだとか言ってくるものばかりだった。
異世界だからだろうか。
身分が違うからだろうか。
種族が違うからだろうか。
まったくもって分からない。
……嬉しいと、思うのだけは分かる。
「ふふ……」
「あ!カルタ笑った!」
動体視力の良いミューが反応した。
「え?」
「まじで?」
「笑ってない」
「笑ったわよ」
「笑ってない」
そんなやり取りをしていたら時間が結構たっていて、レイス__じゃない、ローレス達は魔法学校に帰っていった。
い……永華はまだ僕の病室に残っていた。
ララがお土産にと持ってきたクッキーを食べていた永華は、ふと僕を見たかと思うと、ある疑問を口にした。
「髪、切らないの?あとは染めたりとか?まあ、染めるとするのなら白いの綺麗だから、もったいない気もするけど」
永華が記憶を無くしてから、僕も余裕を無くしてしまって、すっかり邪魔になる前髪以外を切るのを疎かにしてしまっていた。
しかも、髪を媒介に使って儀式をしようとしていたのか、何か薬を飲まされて髪が腰のあたりまで延びていた。
しかも長い間監禁されていたこと、魔力をギリギリまで吸い上げられていたこと、色々とあって僕の髪はすっかりとストレスによって色が抜けて白くなってしまっていた。
「そう、だな。邪魔ではあるが、戒めとして残しておくつもりだ」
「戒め?」
「地雷を踏まれはしたが、君に八つ当たりをし、冷静さをかき、挙げ句捕まってしまい、いろんな人に迷惑をかけたからな」
「ふ~ん?でも邪魔そうだね」
「まあ、慣れないからな。少し切るか」
「なら私が切ってあげようか?下の子達にしてたから慣れてるんだ」
「は?別に構わないが……」
「やったー」
いぬ……永華はすぐに立ち上がって廊下に出ていった。
大方、看護師あたりにハサミとちり取りを貸して貰いにいくんだろうな。
待っていると永華は看護師を引き連れて戻ってきた。
見舞いに来た人用の椅子に座るように言われて、地面には大分前のもう使わない新聞紙が引かれた。
ジャキ、ジャキ__
髪が切られていく度に頭が軽くなる。
ほどなくして「できた!」と永華の声と、感心した看護師の声が静かな病室に響いた。
「どうよ?」
そう言って鏡を手渡される。
写っていたのは相も変わらず見慣れない、白くて長い髪をした自分だった。
髪は襟足以外は元の長さになっており、少し前に比べると随分と頭が軽くなった。
「これは……」
「ウルフカットって言うの。長い方の毛先は整えるためいちょっと切ったけど、それ以外はそのまんまだよ」
「君の趣味か?」
「うん!」
元気な返事が返ってきた。
「似合ってるよ」
「髪に頓着はないからが、悪くないんじゃないか」
「なら、よかった」
そう言ってハサミを看護師に返し、古い新聞紙とその上に散らばった髪を丸めてゴミ箱に捨てた。
髪に手を伸ばす。
違和感がハンパないが……。
まあ、そのうち慣れるだろう。
「あ、ちょっと待ってね」
そう言って永華はお土産の中から、ちょっと前まで食べていたクッキーが入っていた箱を手に取る。
箱についていたリボンを取って、看護師に借りたのだろう櫛を使って髪をといたかと思えば、髪を一まとめにしてクッキーの箱から取ったリボンを髪に結びつけた。
「これでスッキリするでしょ」
「あぁ」
髪を切ったからか、気分がスッキリした気がする。
「レイス?」
病室にやって気たのはレイス達だった。
「どうした?」
「見舞いだよ、見舞い」
「そうそう。どこかの誰かさん達が無茶したからね」
うぅん、事実だからなにも言えない。
やってきたレイス達は魔法学校の話をしてくれた。
あんな大騒動があったが事件は終息したと言うことで、特に休校することもなく、通常通りに授業が行われているらしい。
レイス達は成績に問題なく、無事に進学できて今や二年生になっている。
僕も成績的に問題はなく、進級は出きるのだが入院してしまっているせいで今だ一年生の気分で進級した実感は微塵もなかった。
それは戌井も同じで、レイス達よりも遅れてきた戌井は前よりもましになったけれど今だ青白い顔で「実感わかな~」と笑っていた。
「カルタはどうよ?」
「……え?あ、あぁ、僕も実感がわかないな。閉じ込められていたのもあるし」
相変わらず慣れない名前呼びに反応が少し遅れる。
「だよね~。私も命狙われ過ぎてなんかねえ?」
「それなりに学生らしい生活もしていただろう……。まあ、そっちの方が印象が強くなるのもおかしくないけど」
ため息をはいたところで、さっきまでレイスやファーレンテインなんかの声がしてやかましいほどでなくとも賑やかだった病室が静まり返っていることに気がついた。
一体どうしたんだと不思議に思っていれば、普段は糸目で目線が分からないアスクスですら目を見開いて僕と戌井を交互に見ていた。
「え?い、今、“カルタ”って」
「ん?うん、言ったよ?」
「なんで!?」
レイス達の疑問の声が病室に響いて、看護師に注意されることになった。
「ビックリした……。いきなり何だ?」
「うえ~、頭に響く……」
いきなりの大声に戌井は貧血の影響か、くらくらするようでしんどそうにしていた。
「あ、ごめん……」
「いやいやいや、永華、貴女いままで篠野部のこと名前で呼ばなかったじゃない。それに、篠野部は名前で呼んでも反応しなかったのよ?それがガラッと変わって、叫びもするわよ……」
あぁ、そう言うことだったのか。
いや、うん。
そうなるのも分かるんだが、名前一つでこうも大騒ぎすることになるとは思わなかった……。
「あぁ、だって覚えやすいでしょ?」
「覚えやすい、ですかあ?」
「?まあ、特徴的な名前だし、そうだが……」
「だから、簡単に忘れないよねって思ってね。あと、篠野部もカルタも特徴的な名前だけどさ、篠野部ってカルタの家族も使ってるでしょ?だからちゃんと区別付けるためにカルタって、忘れないためにもね」
「……」
そういう、理由だったのか。
「え~、私もお名前呼びたいですわ!えーちゃんだけずるいです!」
「そうだぞ。こっちはカルタって呼んでもなかなか反応しねえし、それ言ったら気まずそうにするから地雷踏んじまったんじゃねえかって遠慮してたんだぞ」
「カルタって呼ぶわよ。拒否権はないからね!」
「俺も~!俺も呼ぶからな」
「いっそのこと貴方も私たちのこと名前で呼ぶようにしたらどうかしら?」
「妙案ですねえ。レーピオって呼んでくださいよお」
予想外の事態に困惑していると戌井が笑った。
「いいじゃん、いいじゃん。心機一転、呼び方変えちゃえば?」
「え、でも……」
お母さんが冷たくなってから名前を呼ばれることがなくなってしまった。
そのせいか、誰に名前を呼ばれても、あまり反応できなくなっていって自然と呼び方は“篠野部”と、反応する名字呼びに変わっていった。
それから更に辛うじて反応できていた名前に完全に反応できなくなっていった。
まるで、自分が“篠野部カルタ”ではなく“篠野部”に成ったような感覚だった。
自分が名前で呼ばれることもなくなってしまったことから、僕自身も人のことを名前で呼ぶことがなくなってしまった。
「でももだってもないって、本人達が良いってんだから呼べば良いじゃん。私だってカルタの許可とってから呼んだわけじゃないんだからさ。それとも許可いる?」
「いや、いらないけど……」
「私のことも名前で呼んでみ?」
戌井のやつ、顔色は青白いまんまだが僕のことをからかっているつもりなのかニヤついている。
「えーちゃんじゃなくて私のことを最初に呼んでくださいまし!」
「え~、何でよ」
「だって、しれっとカルタの名前呼んでたじゃねえか」
「そうですよお。カルタ君の初めてを取ったんですから、これくらいは僕らに譲るべきなのではあ?」
「気持ち悪い言い方するな」
「うふふ~。久しぶりの冷たい目……。うへへ~」
「……」
いつでも変わらないな、コイツは……。
呆れた目で見ても喜ぶだけなので切り替えることにした。
どんな表情をして名前を呼べば良いか分からなくて目をそらして、口を開く。
「……ローレス、ミュー、メイメア、ベイノット、レーピオ、ララ、永華」
病室は再びどんちゃん騒ぎになって看護師に怒られることになった。
「そんなに騒ぐことか……?」
「だって……。何か距離感じててよ」
「それが縮まったって思ったらな?」
そんな名前一つで喜ばれることになるだなんて誰が思ったか……。
確かに、名前を呼ばれるのは嬉しいけど……。
ワイワイ、ガヤガヤと賑やかな面々を改めてみる。
元いた世界では純粋な意味での中の良い人間なんていなかった。
いつも隣にいるのは名前さえもうろ覚えで、いつも課題をうつさせてくれだとか言ってくるものばかりだった。
異世界だからだろうか。
身分が違うからだろうか。
種族が違うからだろうか。
まったくもって分からない。
……嬉しいと、思うのだけは分かる。
「ふふ……」
「あ!カルタ笑った!」
動体視力の良いミューが反応した。
「え?」
「まじで?」
「笑ってない」
「笑ったわよ」
「笑ってない」
そんなやり取りをしていたら時間が結構たっていて、レイス__じゃない、ローレス達は魔法学校に帰っていった。
い……永華はまだ僕の病室に残っていた。
ララがお土産にと持ってきたクッキーを食べていた永華は、ふと僕を見たかと思うと、ある疑問を口にした。
「髪、切らないの?あとは染めたりとか?まあ、染めるとするのなら白いの綺麗だから、もったいない気もするけど」
永華が記憶を無くしてから、僕も余裕を無くしてしまって、すっかり邪魔になる前髪以外を切るのを疎かにしてしまっていた。
しかも、髪を媒介に使って儀式をしようとしていたのか、何か薬を飲まされて髪が腰のあたりまで延びていた。
しかも長い間監禁されていたこと、魔力をギリギリまで吸い上げられていたこと、色々とあって僕の髪はすっかりとストレスによって色が抜けて白くなってしまっていた。
「そう、だな。邪魔ではあるが、戒めとして残しておくつもりだ」
「戒め?」
「地雷を踏まれはしたが、君に八つ当たりをし、冷静さをかき、挙げ句捕まってしまい、いろんな人に迷惑をかけたからな」
「ふ~ん?でも邪魔そうだね」
「まあ、慣れないからな。少し切るか」
「なら私が切ってあげようか?下の子達にしてたから慣れてるんだ」
「は?別に構わないが……」
「やったー」
いぬ……永華はすぐに立ち上がって廊下に出ていった。
大方、看護師あたりにハサミとちり取りを貸して貰いにいくんだろうな。
待っていると永華は看護師を引き連れて戻ってきた。
見舞いに来た人用の椅子に座るように言われて、地面には大分前のもう使わない新聞紙が引かれた。
ジャキ、ジャキ__
髪が切られていく度に頭が軽くなる。
ほどなくして「できた!」と永華の声と、感心した看護師の声が静かな病室に響いた。
「どうよ?」
そう言って鏡を手渡される。
写っていたのは相も変わらず見慣れない、白くて長い髪をした自分だった。
髪は襟足以外は元の長さになっており、少し前に比べると随分と頭が軽くなった。
「これは……」
「ウルフカットって言うの。長い方の毛先は整えるためいちょっと切ったけど、それ以外はそのまんまだよ」
「君の趣味か?」
「うん!」
元気な返事が返ってきた。
「似合ってるよ」
「髪に頓着はないからが、悪くないんじゃないか」
「なら、よかった」
そう言ってハサミを看護師に返し、古い新聞紙とその上に散らばった髪を丸めてゴミ箱に捨てた。
髪に手を伸ばす。
違和感がハンパないが……。
まあ、そのうち慣れるだろう。
「あ、ちょっと待ってね」
そう言って永華はお土産の中から、ちょっと前まで食べていたクッキーが入っていた箱を手に取る。
箱についていたリボンを取って、看護師に借りたのだろう櫛を使って髪をといたかと思えば、髪を一まとめにしてクッキーの箱から取ったリボンを髪に結びつけた。
「これでスッキリするでしょ」
「あぁ」
髪を切ったからか、気分がスッキリした気がする。
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