ママは男の娘

狐猫(キツネコ)

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#01

#01-04

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「爆弾か……はじめて見たわ。こっちじゃ珍しいよね」

「そうですね……嫌がらないのですか?」

 この国では廃材とはいえ、兵器を連想とするものは嫌われる風潮にある。

 そのため再利用などもされず、大体は海の底へと沈められる。

「あんた程度にビビっていたら、こんな街になんか来られないよ」

 彼女は私の疑問を鼻で笑った。

「この街に来たっていうのは、お仕事ですか?」

「ううん、家出してきたの」

「……家出、ですか?」

 正直、面倒くさい情報を聞いてしまったと思った。

「親と馬が合わなくてね、もう何回目かな?」

「7回目!」

 ぬーちゃんが元気よく手を挙げる。

 かなりの常習犯のようだ。

「家庭の事情に口をはさむ主義ではありませんが、女性一人でこんな街に来るものではありませんよ。しかもこんな遅くに」

「大丈夫だよ、こう見えても僕の性別は男だから」

「男!?」

 私は驚きを隠せなかった。頭の天辺に隠されている小さなプロペラが、思わず顔を見せる。
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