ママは男の娘

狐猫(キツネコ)

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#04-08

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 またもや訳の分からないことをサキが言い出した。

「ねえねえ、どうすればいいの!?」

 私は、カウンターの前でピョンピョンと飛び跳ねるサキの肩を掴んで抑え込んだ。

「変なことを言わないでください。私にはこれで充分なんですから!」

「あなたが良くても、僕が納得できないの!」

 サキは体を揺らして私の手を振り払おうとするが、私も負けじと力を込める。

「だいたい、値段を上げてどうしようと言うんですか!?」

「どうもしないわよ! 単純に値段が気に入らないの!」

「うるせーーー!!」

 店先でギャーギャー騒ぐ私達に、ジャンクさんが大声をあげた。

 街全体に響いたのではないかと思わんばかりの大声に、私達を含めた通行人すべてが足を止めた。

 時間が止まったかのような静けさが流れた。

 やがて通行人の足が動き出し、街に再び時が流れはじめた。

「お嬢ちゃん、そんなに俺の鑑定が不満かい?」

 サキは一瞬、私と目を合わせたのち答えた。

「そうね、足元を見るにも程があると思ってるわ」

 何故、この人はこんなことを平気で言えるのだろうかと、私は頭を抱えた。
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