ママは男の娘

狐猫(キツネコ)

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#06

#06-07

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 ここから視点は再び主役へと戻る……

 工場に潜入してから二十分ほどが経った。

 これだけ大きな工場なのだから、監視カメラも多数設置されているはず。

 私が工場内にいることは、恐らく源蔵にはバレているだろう。

 それでも何もしてこないのは、あえて無視しているのか、それとも何か他の理由があるのだろうか?

「聞こえているかい、ロボットくん?」

 そんなことを考えながら歩いていると、どこからともなく源蔵の声が聞こえてきた。

「わざわざこんなところまで来るとは……そこまでしてに会いたいかね?」

 声が上ずって聞こえる。どうやら気分が高揚しているようだ。

 源蔵にとっては良い現状なのだろう。

「もし会いたいというのなら、そいつについていくといい」

 源蔵がそう言うと、物陰から一体のロボットが現れた。

 私は驚いた。そこにいるロボットは私だったのだ。

 お互いに顔を見合わせる。

 すると脳内に私そっくりのロボットの情報が流れ込んできた。

 どうやらこのロボットは、私の後継機のようだ。

 私よりも遥かに高性能なコンピュータを持ち、エネルギーも電力ではなくアストロギーで動いているようだ。
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