2 / 2
きっかけ
しおりを挟む
小学一年生の時、羽間拓郎の人生を狂わせた出来事があった。
もともとは、のんびり屋と言われるくらいこだわりの少ない子だった。
家が貧乏でものすごい田舎暮らしという以外は普通の子だった。
小学校に入学して、すぐにしのぶという友達ができた。
家が同じ方向だったことと、その当時の話になるがアニメが好きと言う点で話があったのだろう。
拓郎は毎日のようにしのぶと遊んだ。
自転車にのって基地を作りに行ったり、街に出掛けたり
初めての場所を二人で探検したりした。
あの当時のことを拓郎は今でも思い出す。
ただ一点の亀裂さえ入らなければ、あるいは違った形になっていたのかもしれない。
冬だった。
拓郎の故郷は雪国だった。
除雪をしないと車が埋まってしまうくらい激しく雪が降る。
拓郎としのぶは初めて、人工の雪山(除雪車が作ったもの)を利用してかまくらを作ろうと躍起になっていた。
拓郎の持っていた雪掻き道具が壊れてしまい、しのぶが持っていたものを交代で使うことになったのだ。
ただ、しのぶはなかなか拓郎に貸してはくれなかった。
「俺のなんだから黙ってろ」としのぶが一言いい放った。
しのぶは拓郎より色々なものを持っていて、拓郎はそれを使って遊ばせてもらっていた。思えばいつもしのぶが飽きたら、拓郎が使うと言う感じだった。
結局、小学生二人の力ではかまくらは作れなかった。
そのあと雪山に登ってみようという話になり、
しのぶと拓郎は雪山で遊んでいた。
小学生が遊ぶには大きすぎる雪山。
しのぶがいきなり卓郎の目の前から消えた。
「やばい。拓郎来て」
拓郎は声のする方に走った。
そこにいくと、しのぶがすっぽりと四角い穴に落ちていた。
なぜかそこだけ穴になっていたのだ。
怪我もなくただ自力であがれる大きさの穴ではなかった。
「待っていろ。今助けてやるからな」
拓郎はすぐに、山から降りてしのぷの雪掻きを持って来た。
山を崩せば上がってこれると思ったのだ。
本当に助けるつもりだった。間違いなく助けるつもりだった。
安心しきっていたしのぶの顔を見た瞬間、
「俺のなんだから、黙ってろ」という発言が頭のなかで繰り返されていた。
拓郎に悪魔がとりついた。
その日からしのぶが消えた。
もともとは、のんびり屋と言われるくらいこだわりの少ない子だった。
家が貧乏でものすごい田舎暮らしという以外は普通の子だった。
小学校に入学して、すぐにしのぶという友達ができた。
家が同じ方向だったことと、その当時の話になるがアニメが好きと言う点で話があったのだろう。
拓郎は毎日のようにしのぶと遊んだ。
自転車にのって基地を作りに行ったり、街に出掛けたり
初めての場所を二人で探検したりした。
あの当時のことを拓郎は今でも思い出す。
ただ一点の亀裂さえ入らなければ、あるいは違った形になっていたのかもしれない。
冬だった。
拓郎の故郷は雪国だった。
除雪をしないと車が埋まってしまうくらい激しく雪が降る。
拓郎としのぶは初めて、人工の雪山(除雪車が作ったもの)を利用してかまくらを作ろうと躍起になっていた。
拓郎の持っていた雪掻き道具が壊れてしまい、しのぶが持っていたものを交代で使うことになったのだ。
ただ、しのぶはなかなか拓郎に貸してはくれなかった。
「俺のなんだから黙ってろ」としのぶが一言いい放った。
しのぶは拓郎より色々なものを持っていて、拓郎はそれを使って遊ばせてもらっていた。思えばいつもしのぶが飽きたら、拓郎が使うと言う感じだった。
結局、小学生二人の力ではかまくらは作れなかった。
そのあと雪山に登ってみようという話になり、
しのぶと拓郎は雪山で遊んでいた。
小学生が遊ぶには大きすぎる雪山。
しのぶがいきなり卓郎の目の前から消えた。
「やばい。拓郎来て」
拓郎は声のする方に走った。
そこにいくと、しのぶがすっぽりと四角い穴に落ちていた。
なぜかそこだけ穴になっていたのだ。
怪我もなくただ自力であがれる大きさの穴ではなかった。
「待っていろ。今助けてやるからな」
拓郎はすぐに、山から降りてしのぷの雪掻きを持って来た。
山を崩せば上がってこれると思ったのだ。
本当に助けるつもりだった。間違いなく助けるつもりだった。
安心しきっていたしのぶの顔を見た瞬間、
「俺のなんだから、黙ってろ」という発言が頭のなかで繰り返されていた。
拓郎に悪魔がとりついた。
その日からしのぶが消えた。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
壊れていく音を聞きながら
夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。
妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪
何気ない日常のひと幕が、
思いもよらない“ひび”を生んでいく。
母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。
誰も気づきがないまま、
家族のかたちが静かに崩れていく――。
壊れていく音を聞きながら、
それでも誰かを思うことはできるのか。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
幼馴染の許嫁
山見月あいまゆ
恋愛
私にとって世界一かっこいい男の子は、同い年で幼馴染の高校1年、朝霧 連(あさぎり れん)だ。
彼は、私の許嫁だ。
___あの日までは
その日、私は連に私の手作りのお弁当を届けに行く時だった
連を見つけたとき、連は私が知らない女の子と一緒だった
連はモテるからいつも、周りに女の子がいるのは慣れいてたがもやもやした気持ちになった
女の子は、薄い緑色の髪、ピンク色の瞳、ピンクのフリルのついたワンピース
誰が見ても、愛らしいと思う子だった。
それに比べて、自分は濃い藍色の髪に、水色の瞳、目には大きな黒色の眼鏡
どうみても、女の子よりも女子力が低そうな黄土色の入ったお洋服
どちらが可愛いかなんて100人中100人が女の子のほうが、かわいいというだろう
「こっちを見ている人がいるよ、知り合い?」
可愛い声で連に私のことを聞いているのが聞こえる
「ああ、あれが例の許嫁、氷瀬 美鈴(こおりせ みすず)だ。」
例のってことは、前から私のことを話していたのか。
それだけでも、ショックだった。
その時、連はよしっと覚悟を決めた顔をした
「美鈴、許嫁をやめてくれないか。」
頭を殴られた感覚だった。
いや、それ以上だったかもしれない。
「結婚や恋愛は、好きな子としたいんだ。」
受け入れたくない。
けど、これが連の本心なんだ。
受け入れるしかない
一つだけ、わかったことがある
私は、連に
「許嫁、やめますっ」
選ばれなかったんだ…
八つ当たりの感覚で連に向かって、そして女の子に向かって言った。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる