国虎の楽隠居への野望・十七ヶ国版

カバタ山

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七章 鞆の浦幕府の誕生

黄鬼と白い悪魔

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 これを報告書と呼ぶには明らかに語弊がある。そんな思いを抱きながら、俺は毛利 元就もうり もとなりから届いた巻物を読んでいた。

 内容は勿論石見いわみ国攻めの経過となる。同時に行っている周防すおう国・長門ながと国攻めの二つの戦線を合わせた報告書ではない。こちらは別に届いていた。「周防国制圧完了。逃げ出した周防大内おおうち家当主 大内 義長おおうち よしながを追うため、長門国へと兵を進める」と。特記事項も何もない一文のみである。

 まるで対照的な二つの報告書だ。足して二で割っても……いや、両者を足して五で割る位で丁度良い。対周防大内戦は苦戦もなく順調に進んだのは読んでいて分かったものの、もう少し詳細を書いて欲しかった。特に武器・弾薬・食料・薬等の追加が必要かどうかは読んでいる身としては気になる。俺からの返書では、この点に触れておくとしよう。

「よ、ようやく読み終わった。元就からの一通を読むだけで、半刻近く過ぎてるんじゃないか。しかも内容がくどいから、読んでいる途中で飽きがくる。今後もずっとこれかと思うとゲンナリするな」

「国虎様、父上の悪い癖が出てしまったようで申し訳ございませぬ」

「気にするな気にするな。少し愚痴っただけだ。それより隆元たかもとも読んでみろ。面白い話も中に書いてあるぞ」

 そう言いながら、居残り組の一人である毛利 元就の嫡男 毛利 隆元に巻物を渡す。かなりの長さであったので、巻き取るだけで一苦労であった。報告書一つで辞書並みの重みがあるのだから、これだけでかなりの文量があるというもの。

 だがそこは親子だ。俺には読み進めるだけでも大変な報告書を、毛利 隆元は何でもないように読んでいく。時折上げる「おおっ」といった感嘆の声が没頭している証なのだろう。いっそこれからは、毛利 隆元に要約を任せるのも良いのではないかという邪な考えが過る程だ。

 ……いや、止めておこう。こういった時はミイラ取りがミイラになるのがオチである。より難解な文章に仕上がるという無意味な結末しか見えない。

「さすがは父上です。撫養むや城にいながら戦場にいるような気持ちになり申した」

「……そうか。それは良かった」

「特に鈴木すずき殿の活躍は目を見張りますな。『白い悪魔 (悪魔という言葉は仏教語)』という二つ名で尼子あまご兵が恐れるようになったのも納得致す。逆に馬路党の『黄鬼』の二つ名は今更かと。馬路党の武名は伊予での争いで轟いておりますからな。出雲いずも尼子家はもう少し相手を警戒すべきでした」

 こういうのを興奮冷めやらずというのだろう。まるでアクション映画を観た後のように毛利 隆元が見所を語り出す。

 毛利 元就の報告書は相当な文量だが、それは裏を返せば石見国での戦いを詳細に書いているという意味でもあった。誰がどんな活躍をしたか、それを細かく書いてある。通常ならここまでの内容はまずあり得ない。

 そんな中で毛利 隆元の目に留まったのが、馬路うまじ党の活躍と鈴木 重秀すずき しげひでの活躍となる。奇しくもその箇所は、俺が「面白い話」と言った部分と同じだった。

 今回の遠征では火器を扱う部隊を二つに分けている。周防・長門戦線には杉谷 善住坊すぎたに ぜんじゅうぼう率いる新居猛太改の部隊と久万 俊政くま としまさ率いる抱え大筒の部隊を。石見戦線には三〇匁の大筒を持つ馬路党と鈴木 重秀すずき しげひで率いる抬槍たいそう部隊を振り分けた。

 焙烙玉や火の鳥は構造が簡単なため、当家傘下の各国でも大量生産ができるようになっている。だが種子島銃に於いては、技術移転が思うように進んでいないのが現実だ。概ね部品点数を増やした俺にその原因がある。

 そのため、現状では鍛冶師の多くいた薩摩さつま国がようやく三〇匁の大筒を製作できるのが精一杯だ。銃は各部品が消耗品だからこそ、販売して終わりという訳にはいかない。製造は難しいとしても、せめて修理ができる環境が整わなければ宝の持ち腐れで終わってしまう。

 結果として、石見戦線の火力不足を補うべく火器部隊を二つに分ける必要に迫られた。

 加えて、リボルビング・ライフルの試作品は現在鈴木 重秀の手にある。五日間連続で土下座して懇願する鈴木 重秀の熱意に負け、俺が譲り渡した形だ。

 それが「黄鬼」と「白い悪魔」なのだから、目論見を超えるものだと言えよう。

 とは言え、馬路党の「黄鬼」はまだ分かるとしても、鈴木 重秀の二つ名は少々可哀想な気もする。

 何故ならこの白の意味は、俺が渡した色染めする前の試作品の陣羽織の色だからだ。

 銃床の関係上、リボルビング・ライフルの性能を十分に発揮しようと思えば鎧は着用できない。そうすると今度は防御が不安になる。そこで開発されたのが絹布を数枚重ねた陣羽織だ。実質白衣、もしくは背中に「天上天下唯我独尊」と刺繍を入れれば特攻服と何ら変わらない。

 その姿はおよそ最前線には似合わないものであったろう。しかしながらもう遅い。これから鈴木 重秀は戦場のドクターSとして生きるしかないようだ。

「父上の報告書を読む限りでは、鈴木殿は古の呂奉先の如く単騎で数百の兵を蹴散らし、将の首まで取ったと書いておりまする。まさに人の超えた活躍ですな。悪魔という二つ名が付くのも納得かと」

「ちょっと待て。……単"騎"だと。もう一回読ませてくれ」

 そう言いながら、有無を言わせず毛利 隆元の手から巻物を奪い取る。

 段落も空けておらず、文字のびっしりと詰まった報告書を改めて確認すると、確かに「単騎」と書いてあった。読んだつもりが頭に入ってなかったのだろう。

「まさかの騎馬鉄砲かよ! 重秀、アイツは何考えてんだ。……あっ、すまない」

「どうされたのですか。国虎様?」

「いや……重秀が時代を進めた。まさか銃身の長い歩兵銃で騎馬鉄砲をやるとはな。これなら一人で一部隊並みの働きをするのも納得できる。……なるほど。だから馬路党が対抗意識を出して派手に暴れたのか」

「国虎様、それは一体どういう意味なのでしょうか?」

「簡単に言えば流鏑馬の鉄砲版となる。それを連発可能な鉄砲で行ったと言えば、どれだけ脅威か分かるだろう」

「た、確かに。今はまだ鈴木殿お一人ですが、それが一〇人、一〇〇人となれば、それだけで戦が変わってしまうのは分かりまする」

「言っておくが、重秀は矢も鉄砲の弾も貫通できない特別製の陣羽織を着ているからな」

 これだからこの時代の者は侮れない。俺が鈴木 重秀に渡したのはリボルビング・ライフルと新型白衣の二つのみ。それが騎乗という化学反応によって、ワンマンアーミーへと進化した。最早単なる騎馬鉄砲隊の枠から外れた存在になっている。これに対抗するには、面制圧射撃や機関銃を持ち出す位でなければ到底無理だ。

 どうやら俺はこの戦国時代に一人のニュータイプを生んでしまったらしい。それが「白い悪魔」というのだから、偶然の一致にも納得できる。

 そうなると今度は馬路党も黙っていられまい。俺が余計な事をした結果、自分達のお株を取られたのだ。さぞや悔しい思いをしているだろう。詫びに何か新しい玩具を与えて機嫌を取るしかない。さて何が良いか。

 ここでふと良い案を思い付く。馬路党には「黄鬼」ではなく、「黄竜」になってもらおうと。「黄竜」は四神の長とも呼ばれ、中央を守る要である。その名に相応しい玩具を与えれば、隊員達も納得するのではないか。そうと決まれば、早速親信ちかのぶに相談するとしよう。

 新たな玩具、それは「ドラゴンブレス」と命名する。竜と言えば炎。これが最も似合うというもの。

「それはさて置き、この分なら石見戦線も苦戦はしないだろう。それが一番の安心材料だな。悪いが隆元、返書を書くから誰か右筆を呼んで来てくれ」

「はっ」


▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 この分なら近い将来西国三カ国の制圧の報せも入るだろうと思われた頃、もう一つの戦線の報告書が届く。それは九州ではなく、摂津国の西に位置する播磨はりま国の近況であった。島津しまづ家を派遣して以来の初めての報告書である。これまで全く音沙汰がなかっただけに、完全に忘れ去っていた。

「ぶっ、さすが島津だ。早速やってくれた」

「国虎様、随分と楽しそうですね。何か良い事が書かれていたのですか?」

「内容的には物資の催促だぞ。という訳で忠澄、播磨島津家への支援の手配を頼む」

「……何やら話が噛み合ってないような気がしますが」

「悪い悪い。もう一つあったな。島津が播磨南西部の龍野赤松たつのあかまつ領を併呑したと書いてあった」

「良い報せではないですか」

「これだけならな。ただ、その内容が凄まじい」

「と言いますと……」

「簡単に言えばバンザイ突撃……いや、決死隊と言った方が分かるか。要は玉砕覚悟の突撃で戦に勝ち、敵を皆殺しにしたそうだ。それも着火した火の鳥を抱えてな」

「……えっ……」

「そうだよな。その反応になるよな。する方もどうかと思うが、される方は恐怖に震えた筈だ。きっと、こいつ等イカれてると感じただろうよ」

「笑いながら話す内容ではないでしょう」

「いやいや。これこそ島津だろう」

 これを待っていた。まさに俺の期待に応えた戦果と言える。さすがにバンザイ突撃は想定外であったものの、肉を切らせて骨を断つという言葉がとても似合う。

 とは言え、島津 義久しまづ よしひさはこの攻撃を何も好き好んで行った訳ではない。散々悩んだ挙句、くじ引きという神託によって決断したと書かれていた。

 ついに念願の城主になったは良いが、播磨の地は新参者を温かく迎えてくれはしない。ましてや居城である 室山むろやま城は、播磨国守護代の浦上 政宗うらがみ まさむねの元本拠地でもある。

 そうなれば、城を奪われた浦上 政宗が奪還の動きに出るのは当然と言えよう。相手はぽっと出の九州の田舎武士である。何の迷いがあろうか。

 加えてその動きに相乗りして、龍野赤松家の赤松 政秀あかまつ まさひでが兵を出して浦上 政宗に協力をする。龍野赤松領は宇喜多 直家うきた なおいえの領土と隣り合っているため、味方を得ようとした行動だろう。

 こうした背景での開戦だ。戦力差は絶望的だったに違いない。

 勿論当主 島津 義久やその弟達も、指を咥えてただ黙って見ていた訳ではない筈だ。真っ先に宇喜多 直家へ援軍を求め、更には英賀あが本徳ほんとく寺や讃岐さぬき国の畑山 長秀はたやま ながひでにも協力を依頼する。

 ただ援軍を求めた所で、即座に兵が派遣される訳ではない。必ず準備が必要となる。何が言いたいかというと、援軍が到着するまでの間、播磨島津家は自分達の城を守り切らなければならなかった。

 ここで島津 義久にはある幸運な出来事が起きている。いや、惨劇の切っ掛けとも捉えられるだろう。

 実は室山城に籠る播磨島津家の面々は土佐から出向いた者達だけではない。遠州細川家に嫌気が差して辞めていった南九州出身の者、薩摩斯波さつましば家に反抗して国から追い出された者、果ては当家の南九州遠征時に逃げ出した島津 義久の祖父 島津 忠良しまづただよし一行までもが合流をしていた。

 つまりは室山城は、行き場を無くした島津関係者の最後の砦となっていたのだ。

 この事実がある以上、島津 義久は絶対に城を捨てて逃げられない。それをしてしまえば、頼ってきた旧家臣を路頭に迷わせてしまう。何より、これまで面目を潰され続けてきた島津の汚名を返上するには、勝利の二文字が必要であった。

 最終的にはくじ引きに決断を委ねたとはいえ、退路の無い背水の陣だったからこそ特攻を行わざるを得なかったのだろう。より多くの家臣を生かすために家臣に犠牲を強いる。誰が発案したかは分からないが、よくぞこの決断ができたものだと逆に感心する程だ。

 焙烙玉や火の鳥は万能ではない。命中率は低い上に威力も思ったほど高くはない代物だ。

 だが、そんな効率の良くない火器が思い通りの場所で爆発させられるとなれば、その効果は計り知れない。無差別の爆破テロより自爆テロの方が効率が良いのと同じ理屈だ。さぞや一人の犠牲で何十の兵を行動不能に追い込んだだろう。

 それが起死回生の一手になった。これにて形勢が逆転し、今度は寄せ手が逃げる番となる。

 人というのは抑圧されればされる程、その感情を解放した時には加減ができなくなるものだ。その上播磨島津家の周りは最初から敵だらけである。何の遠慮があろうか。

 気が付けば室山城の外には死屍累々が広がる。その余勢を駆って島津 義久が領土拡張に舵を切ったのは言うまでもない。その頃には、きっと要請していた援軍も到着していただろう。

 こうして多大な犠牲を払いつつも、播磨島津家は龍野赤松家を壊滅させた。赤松 政秀以下の龍野赤松家の者は皆殺しにしたという話である。というよりも、生かして捕らえる心の余裕が無かったのが実情であろう。

「それにしても凄まじい戦ですね。当家では考えられません」

「実はな、鉢屋衆はちやしゅうから前もって旧島津家臣の合流は報告が入っていてな。『島津 義久に謀反の兆候あり』と報告を受けていたんだ。ただ、室山城一つが謀反を起こした所で大した事ないと放置していたのがこの顛末となる。良かったのか悪かったのか俺には分からん。それでも言える事が一つある」

「それは何でしょうか、国虎様」

「島津のお家再興への気持ちが本物だという点だ。だから今俺達は、その気持ちに水を差さないようにしないといけない。という訳で、支援の手配を頼むぞ」

「確かにそうですね。かしこまりました」

「そうそう。この報告書、最後に面白い一文が書いてあったぞ」

「何ですか? それは一体?」

備前びぜん宇喜多家が兵を全く寄越さなかったという愚痴だ。直家は選択を間違ったかもしれないな」

「笑いながら話す内容ではないでしょう」

「まあそう言うなって。今後の播磨島津家の活躍が見ものだな」

 ともあれ島津 義久は賭けに勝ち、初戦を勝利で飾った。このままの勢いで播磨全土を掌握するか、それとも夢破れて滅亡するか。更には宇喜多 直家との関係はどうなるか? 目の離せない展開となるのは確実である。

 やはり俺の目に狂いはなかった。
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