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第3話 成長する被転生者
しおりを挟む月日は流れ、あれから3年が経った。12歳だった少年たちも今は15歳となり青春真っ只中、多感な日々を送っていることだろう。但し、少年Aこと新生Aにとって、である。一方の少年Bは、……?、???、ちょっと待て! 少年Bと思っていた少年が……可憐な少女の姿をしているではないか。——補足しておくが、その姿は生前の、在りし日の延長であり、決して自らの想像で創造したものではない。その根拠として一例を挙げると、それは幽霊の姿を見れば一目瞭然である。その幽霊、生前と全く違う姿をしていたら困るだろう、……いや、誰だか分からなくなってしまうだろう。よって生きていた頃の姿を継承するのが普通だ。それがもし普通でないとしたら、……いや、クドくなるのでここまでにしておこう。以降、少年Bを改め、女性らしく「ユイ」とする。
とすると、新生Aは良き青年に成長した、と思いきや、美しい少女になっているではないか。こちらは事情が面倒だ。何せ人格というか心は少年Aであり、体は少女Bでは何かと不都合が、——その辺の混乱は3年の月日の間にアレコレとあっただろうが、今では落ち着いて(馴染んで)いるようだ。以降、新生Aを改め、中性的な名称「ヒロミ」としよう。
それよりもなにも神が性別を間違えるとは、……と今更文句を言ったところで、これこそ後の祭りということだ。それと、神とやらが人間の性別を正確に理解していたかどうかなど怪しいところではあるが、敢えてそうしたとも考えられる。どちらにせよ、その真相はまさしく「神のみぞ知る」だ。
ところで、さり気なく少女Bは成長し、とあるが、霊体だか精神・意識体、魂などなど、とにかく実体の無い? フワッとした存在であるユイに成長など有り得るのだろうか。答えは「ある」だ。先程の、姿形の例のように、霊が人生最後の姿をしているということで説明がつくだろう。今回は普通と違い、ユイの体が生きて成長しているからである。但しその体はヒロミによってユイとして生きている。
ユイの肉体が生き続け、かつ成長しているのであるから、ユイの霊体のような存在も一緒に成長するのは自然の流れであろう。そして更に、どこだか知らない場所でユイは、見たり聞いたり話をすることが出来るようになっている。が、これはそのような器官が有る訳ではないので、飽くまでユイが思い浮かべる想像の上で、のことであり、話す相手は神B、見えるのは想像上の世界か、または「あの世・天国」のようなところだろう。
では、そのような能力、つまり感覚や思考する能力はどうなっているのか。その答えは簡単である。生存している肉体があるのだから、ユイはヒロミの能力、ズバリ「脳」をヒロミと共有しているのである。これが可能となるのは、ヒロミの体はもともとユイの支配下にあったものであり、肉体と心が離れ離れになっている現状でも、そうそう縁が切れるものではないからだ。これは、霊が生前の姿を反映していることからも推測できるだろう。
そうなると、「脳」を共有することによって、却って2人が混乱するだけではないか、という疑問が生じる。これは次のように説明できる。
オーラをご存知だろうか。それを人体から発する霊的な何かであると定義すると、それが人によって違うものだということに異論はないだろう。この、人によって違うというのはつまり、……個性でも良いが、波長が異なると言える。謂わば人の固有振動とすれば、それには周波数があるということであり、その周波数が異なるが故に「脳」を共有しても問題がない。
具体的には、ヒロミが脳を使用する時はヒロミの周波数を使い、ユイの場合はユイの周波数が使われる。それぞれ周波数が異なるので脳にアクセスするタイミングが異り、よって共有が可能となる。そして周波数が異なれば互いに混信することなく干渉もされない(殆どの場合)。これはヒロミとユイが互いの存在を認識できないことも意味し、同様なことはラジオやテレビでも起きていることである。但し、他の人よりも余計に脳を酷使することになるので、実体を持つヒロミは疲れやすいだろう。
こうしてユイが人並みに思考できる仕組みが解明されたとする。となれば、次にユイが思い考えることといえば、それは自身の復活になるだろう。
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