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#16 見送る風
#16.7 永遠の風
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幾つかの季節が変わった頃、月夜のケイコの家でマチコとヨシコが話し合っていました。その話題はズバリ、月夜のことです。
「ヨシコぉ、なんでここは何時も夜なのよぉ。暗くて困るんだけどぉ」とヨシコに詰め寄るマチコです。
「はあ? なんで暗いかって? そりゃあ寝る時は暗い方がいいでしょうが。それに、なんで私に聞く訳? ここはあの子に家だよ。だから、あの子に言いなさいな」のヨシコ、言い掛りだと言わんばかりに手を振っています。
「ちょっとぉ、あの子に言ったら何とかなる訳ぇ? ねえ、何とかなるのぉ?」のマチコに、
「おやおや、揉め事はごめんだよ、落ち着くのじゃ、マチコよ」のケイコです。
「ほらぁ、ダメでしょう? ヨシコぉぉぉ」とヨシコに向かうマチコに、
「おばさん、駄々をこねてはいかんぞ、素直になるのじゃ」と、ケイコもヨシコに向き合いました。そんなケイコとマチコにウンザリするヨシコです。
「揃いも揃って、仕方のない子たちだねえ。そんなに言うんなら、ほれ」と手をパンパンと叩いたヨシコです。すると、すると、夜明けがやって参りました。星の瞬く夜空は青い空に変わり、暗い世界が昼間のように全てを明らかに照らし出しました。それに、
「ううっ、眩しいのじゃあああ」と、まるで日光が弱点のようなケイコ、
「なんだ、やれば出来るんじゃやないのよぉ」とご満悦のマチコです。そこに、
「大変だー、大変だよー」と駆けて来たノリコです。しかし、家の中が明るいせいで、「あれっ、間違えた」と引き返そうとするノリコ、それを止めたマチコです。
「どうしたのよぉ、そんなに慌ててぇ」と尋ねると、
「大変なんだよー、ニャージロウがー」と言いながら何かを探している様子のノリコです。そして、「エリコはー」とマチコに尋ねるノリコ、
「ここは私の家じゃぞ、聞くなら私に」とケイコが言ったところで、
「自分の家じゃない?」と答えたマチコ、
「そうっ、それなら行ってくるー」と言い残して出て行ったノリコです。
「なんじゃ、ノリコは何しに来たんじゃ?」とマチコに尋ねるケイコに、
「さあ」と手を広げて答えたマチコです。それに、
「ニャージロウが子猫を連れてきたんだってさ」と然りげ無く答えるヨシコです。
「なんで知ってるのぉ」のマチコ、少々不審に思っていますが、
「私はね、なんでも知ってるんさ」と得意満面に答えるヨシコです。そんなヨシコに、
「流石は、おばあちゃんの知恵じゃのう」と、ウンウンと頷くケイコ、それに続いて、
「それじゃぁ、仕方ないないわね」のマチコです。
「何だってえええ。いいよいいよ、いいよーだ」と拗ねたようなヨシコが手をパチンと叩くと、また夜の世界に変わってしまったケイコの家です。それに驚き、不満一杯のマチコは、
「なっ!」です。それに、
「うむ、落ち着くのじゃ」のケイコ、ふむふむです。
そこでもう一度、明るくしようとパチパチするマチコですが、一向に明るくなりません、「何でよぉぉぉ」のマチコです。その様子に、
「ヘッヘーンだ」と勝ち誇るヨシコ、暗くなったので眠くなってきたケイコ、悔し紛れに、
「明るくなーれ」と夜空に向かって叫ぶマチコです。すると、パッと光溢れる世界になりました。それに、
「ええっ、なんで」のヨシコ、
「おっと、今は夜ではないのじゃ、起きて遊ばねば」のケイコです。
◇
こうして騒いでいる間に、ノリコはエリコを誘って自宅に戻り、ニャージロウが連れてきた子猫とご対面です。しかし、ノリコにとっても子猫とは初対面、ニャージロウが誰の子を連れて来たのかは知りません。そこで、
「ねえ、ニャージロウ、その子は誰の子なのよ」と尋ねますが、ニャーニャー言うだけでハッキリとしません。ということは何か隠したい事情でもあるのでしょうか。でも、それを深く追求しないノリコです。そもそもニャージロウがどこから来ているのさえ知らないノリコなので、今ここに居ることの方が重要なのです。
そのノリコの後ろに隠れてコッソリと覗き込むエリコです。ニャーゴと初めて会った時もそうでしたが、自分よりも大きく、知らない猫さんは苦手のようです。それでもノリコの誘いにワクワクしながら付いてきているので、仲良しになりたい気持ちはパンパンです。
「さあ、こうしててもアレだから、遊びに行きましょう」
そう言うと、ニャージロウの背中にフワッと飛び乗ったノリコです。そして振り向くと、「エリコも乗って。それとも、あの子に乗ってみる?」と尋ねると、すぐさま首を横に振るエリコ、まだまだ大きな猫さんは怖いようです。それで、ノリコの後ろに飛び乗るように催促すると、
「飛べないよ~」のエリコです。
「あれ、飛べるようになったんじゃないの?」と不思議に思うノリコです。でもそれも追及することはせず、「じゃあ、掴まって」と手を差し出して、よっこいしょとエリコを乗せました。そうして後ろからノリコに抱き付くと、
「あの子がニャーゴ?」と小声で尋ねるエリコです。
「えっ、違うよ」
「そうなの? また会えるって……言ってたから」
「それはね、そうね、何時か会えるってことよ。でもあの子はニャーゴじゃないよ」
「そうなんだ」
「そう、あの子は、あの子は、ニャーゴロウよ。さあ、行こう、ニャージロウ」
ノリコの合図で走り始めたニャージロウと、少し遅れて気ままに走るニャーゴロウ、スタッスタッ、です。
青い空に、ポツンポツンと浮かぶ小さな雲を背景に、野原を疾走するニャージロウとニャーゴロウ。その背中で風を受けながら笑顔のノリコとエリコは、楽しい時間を過ごして行くのでした。
◇
高原に遊びに来たケイコとマチコです。こちらもノリコたちと同様、快晴の空模様です。吹き上げてくる風を広げた両手で受け止め、
「良いお天気じゃあああ」と空に向かって叫ぶケイコです。
「ねえ、あんたも猫さんを見に行きたかったんじゃないのぉ?」と尋ねるマチコに、
「うんにゃ、いいんじゃ」と、さらりと答えたケイコです。
「ふ~ん、そうなんだぁ」
「そうじゃ。それに、ノリコがお迎えに来ておったからのう。今日のところは、お姉さんを譲ったのじゃ。ふふ、そんな私こそ、真のお姉さんなのじゃあああ」と、どこか強がっているようなケイコです。そんなケイコに、
「そっかぁ、じゃぁ、今から私、行ってみようかな」と言ってみるマチコ、
「なぬっ」と言ったきり考え込むケイコ、暫く沈黙が続きます。そして、口をムムムとしていると、
「嘘だよぉぉぉ。さあ、遊ぼうか」のマチコに、
「許せん、成敗してくれよう」とマチコを追いかけるケイコです。
高原の風は気まぐれで、強く吹いたり弱まったりです。そのタイミングで時々、舞い上がってみせるケイコに、あさっての風を吹き付けるマチコです。そして、そして、その鬼ごっこのような遊びは、ケイコとマチコを楽しい一時に誘って行くのです。
「ヨシコぉ、なんでここは何時も夜なのよぉ。暗くて困るんだけどぉ」とヨシコに詰め寄るマチコです。
「はあ? なんで暗いかって? そりゃあ寝る時は暗い方がいいでしょうが。それに、なんで私に聞く訳? ここはあの子に家だよ。だから、あの子に言いなさいな」のヨシコ、言い掛りだと言わんばかりに手を振っています。
「ちょっとぉ、あの子に言ったら何とかなる訳ぇ? ねえ、何とかなるのぉ?」のマチコに、
「おやおや、揉め事はごめんだよ、落ち着くのじゃ、マチコよ」のケイコです。
「ほらぁ、ダメでしょう? ヨシコぉぉぉ」とヨシコに向かうマチコに、
「おばさん、駄々をこねてはいかんぞ、素直になるのじゃ」と、ケイコもヨシコに向き合いました。そんなケイコとマチコにウンザリするヨシコです。
「揃いも揃って、仕方のない子たちだねえ。そんなに言うんなら、ほれ」と手をパンパンと叩いたヨシコです。すると、すると、夜明けがやって参りました。星の瞬く夜空は青い空に変わり、暗い世界が昼間のように全てを明らかに照らし出しました。それに、
「ううっ、眩しいのじゃあああ」と、まるで日光が弱点のようなケイコ、
「なんだ、やれば出来るんじゃやないのよぉ」とご満悦のマチコです。そこに、
「大変だー、大変だよー」と駆けて来たノリコです。しかし、家の中が明るいせいで、「あれっ、間違えた」と引き返そうとするノリコ、それを止めたマチコです。
「どうしたのよぉ、そんなに慌ててぇ」と尋ねると、
「大変なんだよー、ニャージロウがー」と言いながら何かを探している様子のノリコです。そして、「エリコはー」とマチコに尋ねるノリコ、
「ここは私の家じゃぞ、聞くなら私に」とケイコが言ったところで、
「自分の家じゃない?」と答えたマチコ、
「そうっ、それなら行ってくるー」と言い残して出て行ったノリコです。
「なんじゃ、ノリコは何しに来たんじゃ?」とマチコに尋ねるケイコに、
「さあ」と手を広げて答えたマチコです。それに、
「ニャージロウが子猫を連れてきたんだってさ」と然りげ無く答えるヨシコです。
「なんで知ってるのぉ」のマチコ、少々不審に思っていますが、
「私はね、なんでも知ってるんさ」と得意満面に答えるヨシコです。そんなヨシコに、
「流石は、おばあちゃんの知恵じゃのう」と、ウンウンと頷くケイコ、それに続いて、
「それじゃぁ、仕方ないないわね」のマチコです。
「何だってえええ。いいよいいよ、いいよーだ」と拗ねたようなヨシコが手をパチンと叩くと、また夜の世界に変わってしまったケイコの家です。それに驚き、不満一杯のマチコは、
「なっ!」です。それに、
「うむ、落ち着くのじゃ」のケイコ、ふむふむです。
そこでもう一度、明るくしようとパチパチするマチコですが、一向に明るくなりません、「何でよぉぉぉ」のマチコです。その様子に、
「ヘッヘーンだ」と勝ち誇るヨシコ、暗くなったので眠くなってきたケイコ、悔し紛れに、
「明るくなーれ」と夜空に向かって叫ぶマチコです。すると、パッと光溢れる世界になりました。それに、
「ええっ、なんで」のヨシコ、
「おっと、今は夜ではないのじゃ、起きて遊ばねば」のケイコです。
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こうして騒いでいる間に、ノリコはエリコを誘って自宅に戻り、ニャージロウが連れてきた子猫とご対面です。しかし、ノリコにとっても子猫とは初対面、ニャージロウが誰の子を連れて来たのかは知りません。そこで、
「ねえ、ニャージロウ、その子は誰の子なのよ」と尋ねますが、ニャーニャー言うだけでハッキリとしません。ということは何か隠したい事情でもあるのでしょうか。でも、それを深く追求しないノリコです。そもそもニャージロウがどこから来ているのさえ知らないノリコなので、今ここに居ることの方が重要なのです。
そのノリコの後ろに隠れてコッソリと覗き込むエリコです。ニャーゴと初めて会った時もそうでしたが、自分よりも大きく、知らない猫さんは苦手のようです。それでもノリコの誘いにワクワクしながら付いてきているので、仲良しになりたい気持ちはパンパンです。
「さあ、こうしててもアレだから、遊びに行きましょう」
そう言うと、ニャージロウの背中にフワッと飛び乗ったノリコです。そして振り向くと、「エリコも乗って。それとも、あの子に乗ってみる?」と尋ねると、すぐさま首を横に振るエリコ、まだまだ大きな猫さんは怖いようです。それで、ノリコの後ろに飛び乗るように催促すると、
「飛べないよ~」のエリコです。
「あれ、飛べるようになったんじゃないの?」と不思議に思うノリコです。でもそれも追及することはせず、「じゃあ、掴まって」と手を差し出して、よっこいしょとエリコを乗せました。そうして後ろからノリコに抱き付くと、
「あの子がニャーゴ?」と小声で尋ねるエリコです。
「えっ、違うよ」
「そうなの? また会えるって……言ってたから」
「それはね、そうね、何時か会えるってことよ。でもあの子はニャーゴじゃないよ」
「そうなんだ」
「そう、あの子は、あの子は、ニャーゴロウよ。さあ、行こう、ニャージロウ」
ノリコの合図で走り始めたニャージロウと、少し遅れて気ままに走るニャーゴロウ、スタッスタッ、です。
青い空に、ポツンポツンと浮かぶ小さな雲を背景に、野原を疾走するニャージロウとニャーゴロウ。その背中で風を受けながら笑顔のノリコとエリコは、楽しい時間を過ごして行くのでした。
◇
高原に遊びに来たケイコとマチコです。こちらもノリコたちと同様、快晴の空模様です。吹き上げてくる風を広げた両手で受け止め、
「良いお天気じゃあああ」と空に向かって叫ぶケイコです。
「ねえ、あんたも猫さんを見に行きたかったんじゃないのぉ?」と尋ねるマチコに、
「うんにゃ、いいんじゃ」と、さらりと答えたケイコです。
「ふ~ん、そうなんだぁ」
「そうじゃ。それに、ノリコがお迎えに来ておったからのう。今日のところは、お姉さんを譲ったのじゃ。ふふ、そんな私こそ、真のお姉さんなのじゃあああ」と、どこか強がっているようなケイコです。そんなケイコに、
「そっかぁ、じゃぁ、今から私、行ってみようかな」と言ってみるマチコ、
「なぬっ」と言ったきり考え込むケイコ、暫く沈黙が続きます。そして、口をムムムとしていると、
「嘘だよぉぉぉ。さあ、遊ぼうか」のマチコに、
「許せん、成敗してくれよう」とマチコを追いかけるケイコです。
高原の風は気まぐれで、強く吹いたり弱まったりです。そのタイミングで時々、舞い上がってみせるケイコに、あさっての風を吹き付けるマチコです。そして、そして、その鬼ごっこのような遊びは、ケイコとマチコを楽しい一時に誘って行くのです。
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