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第24話 王都へ行く前の後始末2
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ティアたちと別れ、僕はどうにか魔族の待つ場所へとたどり着けた。
ちょっと混乱しているけどね。
いまだに鼓動は早いままだ。
「ようこそいらっしゃいましたライト様……いやあ、まさか…あんな熱烈な…」
「………怒るよ?」
「っ!?ハハ、ハ……し、失礼を……」
まったく。
ずっと覗いていたの、僕知っているんだからね?
僕はバルイルドさんにジト目を向ける。
「コホン、そ、それでいらっしゃったという事は……準備が?」
「うん。ねえ、皆を集めてくれる? 慌てなくていいからさ。そしたら集落に行こう」
「はっ、直ちに」
そう言い一瞬で姿を消すバルイルドさん。
何気に彼は優秀だ。
そしてしばらくして彼を中心に全員が集まった。
皆の期待する感情に、心が軽くなる。
「ねえ、忘れ物とかないかな?一瞬で着くから最悪また来られるけど」
「ええ、問題ありません。お願いいたします」
「じゃあ行くよ……はい、着いた」
一瞬で切り替わる景色。
皆が唖然としてしまう。
「ねえ、バルイルドさん。地下ってどこなの?キメラ排除した方が良いよね」
「っ!?…凄まじい……はっ?!…え、ええ。キメラは人造魔獣のような物です。私のテイムが効きません。……お願いしても良いのですか?」
「乗り掛かった舟だしね。ああ、取り敢えず説明が必要だね。なんか集落の他の人たち混乱しているみたいだし。……家族に早く会わせてあげて」
僕の言葉に、やっと帰ってきたことの理解が追い付き、皆が涙ぐむ。
ああ、よかった。
誰も“殺さず”に済んだ。
僕は満足げに笑みを浮かべた。
そんな僕の様子に、バルイルドさんは優しい瞳を向けていたんだ。
※※※※※
我が救世主、ライト様。
私はこの奇跡の出会い、一生忘れる事はないだろう。
まだ9歳。
でも彼の能力、そして雰囲気。
きっと私の思う数万倍は培われたものなのだろう。
久しぶりの我が家。
そして愛する妻と可愛い娘。
あの日諦めた日常が――戻ってきた。
私はすぐに長老の家を訪ね、そのスキルで集落の皆と今回の事を共有した。
そしてライト様が協力してくださるキメラ退治。
彼を待たせるわけにはいかない。
「バルイルドよ。大儀であった」
「長老、俺は何もしていないんだ。すべてライト様のおかげだ。なあ、落ち着いたら俺は辺境伯に会いに行く。許可をくれ」
「……またあの愛おしい日々が戻るというのか……是非もない。好きにするとよい」
「感謝する。それじゃ最後の後始末、やってくる」
「うむ。若い者たちを連れて行ってくれ。皆思うところもあるじゃろうて」
「そうだな」
そして私はライト様の待つ場所へ集落の猛者5人とともに向かった。
※※※※※
「お待たせしました」
「うん?もういいの?……そちらの皆は?」
バルイルドさんとともに5人の魔族の男性がやってきていた。
そしておもむろに跪く5人。
感謝の念が僕に伝わってくる。
「ライト様、最大の謝辞を」
あー、うん。
そういうの、なんかくすぐったいんだよね。
「えっと、皆さん、顔を上げてください。僕が好きでやったことです。それにまだ終わっていませんよ?早速キメラ、やっつけましょう」
「おうっ!!」
(いい目をしてる…これなら大丈夫かな)
僕はバルイルドさんたち全員で地下の元霊安所へと転移した。
※※※※※
集落外れにある地下の元霊安所。
咆哮を上げるキメラと、それに立ち向かう魔族の猛者6人。
僕はただそれを見つめていた。
「ぐわああああっ!!!」
「くうっ、こ、このおっ!!!!」
「正面に回り込めっ!!あの尾には毒針がある。気をつけろっ!!」
「ギャーーーース!!!!!」
暴れ狂うキメラ。
ていうかこれキメラなの?
何か首がいっぱいあるし……
?!ああっ、あぶないよ?
「ちいいっ!?大丈夫か!!!」
「も、問題ないっ!!くそっ、毒か?!!」
うーん。
魔族の皆もそこそこ強いけど……
あのキメラまだ遊んでいるだけだな。
「バルイルドさん、手伝おうか?」
「くっ、い、いえ、まだ……ぐうああああっっ!!!???」
僕の声がけに一瞬気をとられたバルイルドさんが吹き飛ばされた。
たちまち陣形が崩れ、窮地に追いやられる魔族の皆さん。
(不味い!)
「あー、ごめんね?……じゃあここからは僕が」
さすがに大怪我とか、ましてや死んでほしくない。
僕は一瞬でキメラの懐に入り、そっと手を振り下ろした。
「……ごめんね?でも君たちもう元に戻れない……せめて安らかに」
次の瞬間。
キメラの首、およそ8本が一瞬で消え失せ、その活動を停止した。
ズズ―――ン……
倒れ伏すキメラ。
僕はそっと黙とうをささげた。
「……な、何という……」
「……スゲ――――」
「はあ、ヒューマンってあそこまで強くなるものなのか?」
座り込む魔族の6人。
僕はエリアヒールを発動させた。
もちろん状態異常解除も重ね掛けしたよ?
緑色の神聖な魔力に包まれ全てのケガと状態異常が回復。
確認した僕はバルイルドさんに視線を向ける。
「ねえ、できればでいいんだけど……この子埋葬してあげてほしいんだ。きっと戦いたかったわけじゃない」
「……貴方さまは……ええ、承知いたしました。お任せください」
「うん。……ねえ、いつごろ僕の父上に会ってくれる?」
「落ち着いたらすぐにでも。またお会いできますか?」
優しい目で僕を見るバルイルドさん。
心に温かいものが込み上げる。
僕はにっこり微笑み。
「僕は明日から王都に行くんです。家族全員でね。……んん?……できたっ!」
僕はおもむろに小さい石をバルイルドさんに手渡した。
「これに魔力込めると僕と意思疎通出来ます。準備が出来たら教えてください。僕は王都に行きますが“転移”できるんで」
「おおっ、かようなアーティーファクト……承知しました」
「うん。あー、人を待たせているから……僕はこれで失礼するよ?」
「なんと……ああ、先ほどの麗しい女性たちですな?ええ、次は是非に、皆さまで。……歓迎させてほしい」
「うん。じゃあね」
「はっ」
こうして僕の王都へ行く前の後始末は終わった。
さあ後は……
「……このまま家に帰ったら……怒られるよね」
少し…気が重い。
僕はため息を吐きつつ。
魔力を纏い待ってくれている可愛い3人の女性のところへと転移していった。
正直好意を寄せられるのは嬉しい。
けど。
処理しきれない感情に、僕の思考は混乱していたんだ。
ちょっと混乱しているけどね。
いまだに鼓動は早いままだ。
「ようこそいらっしゃいましたライト様……いやあ、まさか…あんな熱烈な…」
「………怒るよ?」
「っ!?ハハ、ハ……し、失礼を……」
まったく。
ずっと覗いていたの、僕知っているんだからね?
僕はバルイルドさんにジト目を向ける。
「コホン、そ、それでいらっしゃったという事は……準備が?」
「うん。ねえ、皆を集めてくれる? 慌てなくていいからさ。そしたら集落に行こう」
「はっ、直ちに」
そう言い一瞬で姿を消すバルイルドさん。
何気に彼は優秀だ。
そしてしばらくして彼を中心に全員が集まった。
皆の期待する感情に、心が軽くなる。
「ねえ、忘れ物とかないかな?一瞬で着くから最悪また来られるけど」
「ええ、問題ありません。お願いいたします」
「じゃあ行くよ……はい、着いた」
一瞬で切り替わる景色。
皆が唖然としてしまう。
「ねえ、バルイルドさん。地下ってどこなの?キメラ排除した方が良いよね」
「っ!?…凄まじい……はっ?!…え、ええ。キメラは人造魔獣のような物です。私のテイムが効きません。……お願いしても良いのですか?」
「乗り掛かった舟だしね。ああ、取り敢えず説明が必要だね。なんか集落の他の人たち混乱しているみたいだし。……家族に早く会わせてあげて」
僕の言葉に、やっと帰ってきたことの理解が追い付き、皆が涙ぐむ。
ああ、よかった。
誰も“殺さず”に済んだ。
僕は満足げに笑みを浮かべた。
そんな僕の様子に、バルイルドさんは優しい瞳を向けていたんだ。
※※※※※
我が救世主、ライト様。
私はこの奇跡の出会い、一生忘れる事はないだろう。
まだ9歳。
でも彼の能力、そして雰囲気。
きっと私の思う数万倍は培われたものなのだろう。
久しぶりの我が家。
そして愛する妻と可愛い娘。
あの日諦めた日常が――戻ってきた。
私はすぐに長老の家を訪ね、そのスキルで集落の皆と今回の事を共有した。
そしてライト様が協力してくださるキメラ退治。
彼を待たせるわけにはいかない。
「バルイルドよ。大儀であった」
「長老、俺は何もしていないんだ。すべてライト様のおかげだ。なあ、落ち着いたら俺は辺境伯に会いに行く。許可をくれ」
「……またあの愛おしい日々が戻るというのか……是非もない。好きにするとよい」
「感謝する。それじゃ最後の後始末、やってくる」
「うむ。若い者たちを連れて行ってくれ。皆思うところもあるじゃろうて」
「そうだな」
そして私はライト様の待つ場所へ集落の猛者5人とともに向かった。
※※※※※
「お待たせしました」
「うん?もういいの?……そちらの皆は?」
バルイルドさんとともに5人の魔族の男性がやってきていた。
そしておもむろに跪く5人。
感謝の念が僕に伝わってくる。
「ライト様、最大の謝辞を」
あー、うん。
そういうの、なんかくすぐったいんだよね。
「えっと、皆さん、顔を上げてください。僕が好きでやったことです。それにまだ終わっていませんよ?早速キメラ、やっつけましょう」
「おうっ!!」
(いい目をしてる…これなら大丈夫かな)
僕はバルイルドさんたち全員で地下の元霊安所へと転移した。
※※※※※
集落外れにある地下の元霊安所。
咆哮を上げるキメラと、それに立ち向かう魔族の猛者6人。
僕はただそれを見つめていた。
「ぐわああああっ!!!」
「くうっ、こ、このおっ!!!!」
「正面に回り込めっ!!あの尾には毒針がある。気をつけろっ!!」
「ギャーーーース!!!!!」
暴れ狂うキメラ。
ていうかこれキメラなの?
何か首がいっぱいあるし……
?!ああっ、あぶないよ?
「ちいいっ!?大丈夫か!!!」
「も、問題ないっ!!くそっ、毒か?!!」
うーん。
魔族の皆もそこそこ強いけど……
あのキメラまだ遊んでいるだけだな。
「バルイルドさん、手伝おうか?」
「くっ、い、いえ、まだ……ぐうああああっっ!!!???」
僕の声がけに一瞬気をとられたバルイルドさんが吹き飛ばされた。
たちまち陣形が崩れ、窮地に追いやられる魔族の皆さん。
(不味い!)
「あー、ごめんね?……じゃあここからは僕が」
さすがに大怪我とか、ましてや死んでほしくない。
僕は一瞬でキメラの懐に入り、そっと手を振り下ろした。
「……ごめんね?でも君たちもう元に戻れない……せめて安らかに」
次の瞬間。
キメラの首、およそ8本が一瞬で消え失せ、その活動を停止した。
ズズ―――ン……
倒れ伏すキメラ。
僕はそっと黙とうをささげた。
「……な、何という……」
「……スゲ――――」
「はあ、ヒューマンってあそこまで強くなるものなのか?」
座り込む魔族の6人。
僕はエリアヒールを発動させた。
もちろん状態異常解除も重ね掛けしたよ?
緑色の神聖な魔力に包まれ全てのケガと状態異常が回復。
確認した僕はバルイルドさんに視線を向ける。
「ねえ、できればでいいんだけど……この子埋葬してあげてほしいんだ。きっと戦いたかったわけじゃない」
「……貴方さまは……ええ、承知いたしました。お任せください」
「うん。……ねえ、いつごろ僕の父上に会ってくれる?」
「落ち着いたらすぐにでも。またお会いできますか?」
優しい目で僕を見るバルイルドさん。
心に温かいものが込み上げる。
僕はにっこり微笑み。
「僕は明日から王都に行くんです。家族全員でね。……んん?……できたっ!」
僕はおもむろに小さい石をバルイルドさんに手渡した。
「これに魔力込めると僕と意思疎通出来ます。準備が出来たら教えてください。僕は王都に行きますが“転移”できるんで」
「おおっ、かようなアーティーファクト……承知しました」
「うん。あー、人を待たせているから……僕はこれで失礼するよ?」
「なんと……ああ、先ほどの麗しい女性たちですな?ええ、次は是非に、皆さまで。……歓迎させてほしい」
「うん。じゃあね」
「はっ」
こうして僕の王都へ行く前の後始末は終わった。
さあ後は……
「……このまま家に帰ったら……怒られるよね」
少し…気が重い。
僕はため息を吐きつつ。
魔力を纏い待ってくれている可愛い3人の女性のところへと転移していった。
正直好意を寄せられるのは嬉しい。
けど。
処理しきれない感情に、僕の思考は混乱していたんだ。
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