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14.男爵令嬢ミリー
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郊外の大きな屋敷の自室で、ミリーは5日後の卒業パーティーに着ていくドレスを選んでいた。
「んふふ♡これは殿下からの贈り物でえー、こっちはアントニオ様、それからこれは、まあ、ロローニ様ね♡可愛い。えっと、それから…エスベリオ様からのもあるのね、はあ、なんて素敵♡ああ、早く5日後にならないかしら」
ミリーが幸せに浸っているとドアを叩き突然乱暴に開けて、オボルナ男爵家当主のジドーラがずかずかと部屋に入ってきた。
「おいミリー、どれかよこせ。どうせ着るのは一つなんだろ?売り払って娼館へ行く銭にするからよ」
ジドーラは下品にゲハゲハ笑いながらいやらしい目を娘であるミリーに向ける。
「お父様?ノック位してくださらないかしら。レディーに対して失礼ですわよ」
ミリーは見下した目で父であるジドーラへ吐き捨てた。
「ふん、お前なぞただの金づるだ。いつも言ってるだろうが。それとも久しぶりに気持ちよくしてやろうか?んん?」
彼らは実の親子ではない。
ミリーは設定上全く情報は出てこないが実は拾われた子だった。
そして、この世界のミリーは……転生者だったのだ。
一番与えてはいけないスキルをこの頭のおかしい女性は得ていた。
ジドーラはミリーに近づくと、いきなりミリーの胸をわしづかみにする。
「いやっ、やめてっ」
「ふん、無駄にでかくなりやがって。ふはは、確かにいい具合だな」
そしていやらしく手を動かす。
そのまま強引にベッドへと押し倒した。
「へへっ、気が変わった。どうせおまえはすぐに出ていくんだ。とっくに聖魔法の資格を失ったお前だ。今更変わらねえだろうが」
「やっ、いやあ、やめてよっ、あうっ」
暴れるミリーをジドーラは力任せにほほを大きな手で張る。
恐怖で一瞬固まってしまう。
「このっ、おとなしくしやがれ。へへっ、いい具合だなあ、くくっ、嫌がっても体は正直だな」
服を引きちぎり、際どい所をごつい手が蠢きだす。
「だめっ、いやあ、やめてっ、ああっ!?」
あと一歩で汚される!まさにそのタイミングで、第一騎士団長次男ロローニが部屋に飛び込んできた。
「ミリー!!この愚か者があああ!!!」
「ぐああああああーーーー」
馬乘りになるジドーラの横腹を蹴り倒し、ミリーを抱き寄せ守るロローニ。
ちょうど警戒中に嫌な予感がし、ミリーの家を訪ねてきていたロローニによって間一髪助けられたミリーはセキを切ったように泣き出した。
「ロローニ様、ああ、恐かった、うああ、ああああああ」
「くっ、なんてひどい……ああ、大丈夫だよ可愛いミリー」
服を引きちがれ、大きな胸が見えてしまっている。
ロローニはこんな状況だというのに、そんな彼女を見て欲情していた。
ますます彼はミリーに惹かれていった。
※※※※※
この事件は意外な場所に影響を及ぼす。
何と連行されたジドーラが嘘の証言をし、そしてなぜか牢の中で自害してしまう。
その証言は『ドレスト侯爵家』に唆され、ミリーを襲ったというものだった。
実はあまりにも執念深いミリーによって仕組まれた茶番だったのだ。
このようなあまりにも不自然な事件がここ2年ほど集中して起こっており、大体その中心にはミリーが絡んでいた。
はじめ疑いの目は当然のように男爵家のミリーへと向いた。
しかしあまりにも直接的なダメージを本人が受けているため、状況的に自作自演にもかかわらず誰もそこに触れることができなかったのだ。
仮に自作自演だとしても、普通は命や安全を確保するものだ。
巧妙に隠されたとしても状況などでさらけ出されるはずだ。
ミリーが恐ろしいのは。
目的のため自分の安全を考慮しない点にあった。
自分のために行っているはずなのに最悪自分が死んでもいいと思って行動する。
彼女はもうすでに狂っていた。
恐ろしいまでに自己中心的で考えが足りない。
しかしすべてを命がけで行い、その上で実はどうでも良いと考えている。
まともな神経と理知的な思考では、彼女の狂気を掴むことができなかった。
彼女は地球である男性に恋をした。
そしてその相手は自分以外を選んだ。
だから殺した。
そして自分も死んで会いに来ていた。
彼女は恐ろしいまでに純粋に一つの事を信じ続けていた。
運命。
だからどんなことが起ころうと、誰が死のうと、世界が滅ぼうと、結局最後には結ばれる。
なんの疑いもなく信じていたのだ。
ゆえに彼女に恐いものはなかった。
そして今から彼女が行うことは、運命の相手を見つけるため、ありとあらゆる男性を惑わすための準備に過ぎなかった。
彼女の有するスキルは幻術に特化した精神魔法。
そして称号【惑わすもの】を所有していた。
女性の地球での名前は。
高木絵美里
舞奈と俊則を引き裂いた元凶だった。
「んふふ♡これは殿下からの贈り物でえー、こっちはアントニオ様、それからこれは、まあ、ロローニ様ね♡可愛い。えっと、それから…エスベリオ様からのもあるのね、はあ、なんて素敵♡ああ、早く5日後にならないかしら」
ミリーが幸せに浸っているとドアを叩き突然乱暴に開けて、オボルナ男爵家当主のジドーラがずかずかと部屋に入ってきた。
「おいミリー、どれかよこせ。どうせ着るのは一つなんだろ?売り払って娼館へ行く銭にするからよ」
ジドーラは下品にゲハゲハ笑いながらいやらしい目を娘であるミリーに向ける。
「お父様?ノック位してくださらないかしら。レディーに対して失礼ですわよ」
ミリーは見下した目で父であるジドーラへ吐き捨てた。
「ふん、お前なぞただの金づるだ。いつも言ってるだろうが。それとも久しぶりに気持ちよくしてやろうか?んん?」
彼らは実の親子ではない。
ミリーは設定上全く情報は出てこないが実は拾われた子だった。
そして、この世界のミリーは……転生者だったのだ。
一番与えてはいけないスキルをこの頭のおかしい女性は得ていた。
ジドーラはミリーに近づくと、いきなりミリーの胸をわしづかみにする。
「いやっ、やめてっ」
「ふん、無駄にでかくなりやがって。ふはは、確かにいい具合だな」
そしていやらしく手を動かす。
そのまま強引にベッドへと押し倒した。
「へへっ、気が変わった。どうせおまえはすぐに出ていくんだ。とっくに聖魔法の資格を失ったお前だ。今更変わらねえだろうが」
「やっ、いやあ、やめてよっ、あうっ」
暴れるミリーをジドーラは力任せにほほを大きな手で張る。
恐怖で一瞬固まってしまう。
「このっ、おとなしくしやがれ。へへっ、いい具合だなあ、くくっ、嫌がっても体は正直だな」
服を引きちぎり、際どい所をごつい手が蠢きだす。
「だめっ、いやあ、やめてっ、ああっ!?」
あと一歩で汚される!まさにそのタイミングで、第一騎士団長次男ロローニが部屋に飛び込んできた。
「ミリー!!この愚か者があああ!!!」
「ぐああああああーーーー」
馬乘りになるジドーラの横腹を蹴り倒し、ミリーを抱き寄せ守るロローニ。
ちょうど警戒中に嫌な予感がし、ミリーの家を訪ねてきていたロローニによって間一髪助けられたミリーはセキを切ったように泣き出した。
「ロローニ様、ああ、恐かった、うああ、ああああああ」
「くっ、なんてひどい……ああ、大丈夫だよ可愛いミリー」
服を引きちがれ、大きな胸が見えてしまっている。
ロローニはこんな状況だというのに、そんな彼女を見て欲情していた。
ますます彼はミリーに惹かれていった。
※※※※※
この事件は意外な場所に影響を及ぼす。
何と連行されたジドーラが嘘の証言をし、そしてなぜか牢の中で自害してしまう。
その証言は『ドレスト侯爵家』に唆され、ミリーを襲ったというものだった。
実はあまりにも執念深いミリーによって仕組まれた茶番だったのだ。
このようなあまりにも不自然な事件がここ2年ほど集中して起こっており、大体その中心にはミリーが絡んでいた。
はじめ疑いの目は当然のように男爵家のミリーへと向いた。
しかしあまりにも直接的なダメージを本人が受けているため、状況的に自作自演にもかかわらず誰もそこに触れることができなかったのだ。
仮に自作自演だとしても、普通は命や安全を確保するものだ。
巧妙に隠されたとしても状況などでさらけ出されるはずだ。
ミリーが恐ろしいのは。
目的のため自分の安全を考慮しない点にあった。
自分のために行っているはずなのに最悪自分が死んでもいいと思って行動する。
彼女はもうすでに狂っていた。
恐ろしいまでに自己中心的で考えが足りない。
しかしすべてを命がけで行い、その上で実はどうでも良いと考えている。
まともな神経と理知的な思考では、彼女の狂気を掴むことができなかった。
彼女は地球である男性に恋をした。
そしてその相手は自分以外を選んだ。
だから殺した。
そして自分も死んで会いに来ていた。
彼女は恐ろしいまでに純粋に一つの事を信じ続けていた。
運命。
だからどんなことが起ころうと、誰が死のうと、世界が滅ぼうと、結局最後には結ばれる。
なんの疑いもなく信じていたのだ。
ゆえに彼女に恐いものはなかった。
そして今から彼女が行うことは、運命の相手を見つけるため、ありとあらゆる男性を惑わすための準備に過ぎなかった。
彼女の有するスキルは幻術に特化した精神魔法。
そして称号【惑わすもの】を所有していた。
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