創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第93話 教えてアースノート先生!

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(新星歴4817年9月12日)

 今の俺たちの世界は、俺の作ったシステムにエラーが発生しているような状況だった。
 基本的には俺の定めた戒律が適用されているが、それをすり抜ける存在が爆発的に増えている。

 原因は当然『悪意の欠片』なのだが、回収量と計算式を合わせると説明がつかないほど多くの事例が出ている。

 対応する茜や神々、そして多くの眷属がいるものの、状況によって対応できる幅が違うため、どうしても手遅れになるケースが増えてきてややこしい状況になってしまっていた。

 まあ、ちょっとした小競り合いの延長で、うっかり殺してしまうなどの報告が主なため、数的被害は多くはないが、件数が異常だった。

 今までのデータと多くのサンプルから、我らが天才アースノートの重大な発表があるとして、皆が集められていた。

 「皆お疲れさまだ。今回の事件のほとんどで俺が役に立たないので迷惑をかける。いつもすまない………ありがとう」

 皆がどよめく。
 アルテミリスが口を開いた。

 「ノアーナ様、ご自分を責めないでください。そのために私たちがいるのです。頼られるのは嬉しいですから」
 「……うん……もっと頼ってもいい」

 ダラスリニアがクマのようなぬいぐるみを抱きしめアルテミリスに同調してくれる。

 「ああ、頼りにしている。それで今日皆を集めたのは、アートがもう少し簡略化できる方法を見つけてくれたらしいので、全員で共有したいんだ。アート、頼む」

 「はい♡お任せあれですわ。まず、前提を言いますわね。おそらく今3種類の悪意がありますわ。まとめたのでご覧あそばせ」

 そう言ってアースノートは色々書きこまれた書類を皆に配った。

【今出現している悪意】

1. 物理特化型〔初期に発生したもの〕

 おもに動くものとして発現する。
 魔法:不可・権能の射程:短・物理:存在値による
 付加能力:回復を弾く・漆黒を吸収
 (吸収速度は速い)
 (主にノアーナ様の力と星の万物の力を吸い取る)
 (茜、儀式で得られた漆黒は吸収しない)
 魔石による追跡:可
 対処法:魔石による吸収・琥珀石による消去
 状況:ほぼ回収済み
 被害:物理:甚大(星にかかわる)

2. 精神特化型〔中期に発生したもの〕

 主に固形物として発現する(オーブなど)
 魔法:可・権能の射程:中・物理:可
 付加能力:精神感応・悪意の漆黒で活性化・接触で発動・感染
 (吸収速度は非常に遅い※一部例外アリ)
 魔石による追跡:不可 
 悪意の漆黒で追跡可(魔王・神々・茜)
 対処法:琥珀石での消去・神々による消去・茜の音波兵器
 状況:漆黒を利用しないで増殖可能(住民による呪い等)
 被害:心に侵食する

3. 精神特化増殖型〔後期に発生したもの〕

 人々の心に根付いている様子
 魔法:可・権能の射程:中・物理:可
 付加能力:精神感応・空気感染
 追跡不可
 吸収を必要としない
 魔石:吸収できない(形状が変化しすぎている)
 対処法:琥珀石での消去・神々による消去・茜の音波兵器
 状況:感染による増殖
 被害:心に侵食する
 特記:強い心ならレジスト可能

 「まあこんな感じですわ」

 アースノートがぐるぐる眼鏡をくいっと持ち上げる。

 「アート、これだとすべてに対応できるのは、茜しかいなくなるが」
 「ええ、そうですわね。ならば茜の能力を皆に持っていただきますわ♡」

 全員がざわつき始める。
 茜は落ち着きなくキョロキョロとしている。

 「えっ、わたしの力?………まさか……儀式?」

 茜の顔が真っ赤に染まる。

 「で、でも……女の子同士は……えっと……キス……とか?」

 先日の超絶テクニックエルフの顔が浮かぶ。
 ネルも真っ赤っかだ。

 「んーん。だめだよそれは。あれは禁呪だ。ノアーナ様しかできない。しかも茜の力を持っているノアーナ様の『琥珀に緑』は対象外らしいね」

 真面目モード突入のアースノートに皆が息をのむ。

 「だって皆ないでしょ?いっぱい愛してもらってるのに」

 全員の顔が真っ赤に染まる。
 ………アグアニード以外。

 「コホン、アート、現状は分かった。対策はあるのか?」
 「ええ、これを使いますわ♡」

 アースノートは着ぐるみの中から新しい魔石を取り出した。

 「琥珀の魔石に緑を追加しましたの。これを持って対応してくださいまし」

 皆が真剣に聞いている。

 「分かりにくいので、最初のを『魔石』そして今回のを『琥珀石』と呼ぶといいと思いますわ」

 皆が配られた『琥珀石』を手に取りまじまじと見つめた。

 「えー、なんかー温かいねー、これー」
 「持っているだけでレジスト出来ますわね♡」

 「えっ、凄い………さすがアースノートですわね。頼りになりますわ」

 モンスレアナが驚愕の表情で琥珀石を見つめて呟いた。

 俺はアースノートを見つめて、本当にコイツがいてよかったと思った。

※※※※※

 整理するために甘いものと紅茶で休憩した。
 頭を使った後は甘いものに限るな。

 俺は好きな紅茶をゆっくりと楽しんだ。
 皆もうまそうに飲んでいて、心が温かくなった。

※※※※※

 休憩後、アースノートが俺に問いかけてきた。

 「ノアーナ様、概念はいじれまして?」
 「っ!?………何をいじるんだ。出来ることと出来ないことがあるが」
 「この星の漆黒を変えることです」

 「っ!?……それは無理だ。星が崩壊してしまう」
 「付与はどうですか?」

 「………できる…………そうか『琥珀に緑』を追加するということだな?俺が保有しているのだから、可能だ」

 「ええ、おそらく今の感染型は、星に棲む住人がきっと慣れますわ。まあ被害は出ますが、莫大過ぎて対応は不可能です」

 「誰しも、もともと悪意はあるのですから」
 「……………ああ」

 「ノアーナ様、最初のころノアーナ様は意志のない活動が腑に落ちておりませんでしたわよね?おそらく分離したのだと考えますわ」

 「分離?………そうか、力と意思が分かれたという事か」

 「ええ、あーしの計算が合ってしまえばおそらく眠っているものが存在します。眠る意思を持った初期型が」

 「っ!!??……それは恐ろしいな。もうあれから4年だ。もしそいつが目覚めたら間違いなく対処できないぞ」

 「ええ、なので供給を止めるしかありませんの。そしてノアーナ様と茜の力をとことん高めるしかありませんわ」

 「………」

 「私たち神は、あなたを殺せませんから」

 皆が黙ってしまった。
 俺を殺す方法を考えなければならない日が来るとは、思いたくなかった。

※※※※※

 あれから数日が経過した。

 アースノートが新たに作成した魔石『琥珀石』は一定の効果を発揮した。
 以前より広範囲に反応し、取り敢えず魔力を込めれば30m四方くらいは消去できた。

 大量に作成し、今は各眷族たちに行動してもらっている。

 そして俺は………

 保護の儀式を自分に行い、ギルガンギルの塔の地下300mのコアの地点に来ていた。
 存在するエネルギーが強大すぎて弾かれるか吸収されてしまうからだ。

 「ここに来るのは3000年ぶりくらいか………」

 目の前には白銀を纏う漆黒の巨大なクリスタルが瞬いていた。
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