創造主である究極の魔王は自分が創造した異世界に再転生する~気付いた時にはハーレム状態?運命の人も勇者も神々も、俺の子を欲しがるのだが?~

たらふくごん

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第125話 悍ましい悪意の正体

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 北部のエラナルド伯爵の領地からも同じく暴れるヒューマンが溢れ、伯爵の騎士団と壮絶な戦闘に突入した。

 そして貧民街を中心に混乱はますますその暴虐の範囲を広げていく。

 貧民街では数日前から第一皇子による炊き出しが行われており、普段見向きもしない第一皇子の優しさに感動した多くの貧民が、列をなしたのは誰も責める事はできないだろう。

 まさか配られる食事の中に、恐ろしい『種』が仕組まれているなど誰も想像ができないのだから。

 情報を得た『悪意に染まった研究員』がもたらすそれは、この世界では経験がないようなおぞましい悪意をはらみ、瞬く間に人の心を狂わせた。

 悪意の種に、漆黒は存在していなかった。
 戒律はノアーナが組んでいた。
 彼の知らない悪意は、戒律に触れることがなかったのだ。

※※※※※

 人は知らないものには対処できない。
 出来ないというより方法が分からない。

 ファルスーノルン星、いわゆる『中世の時代』はよく言えばおおらかといえよう。

 確かに命は軽いかもしれない。

 しかしそれはある程度仕方のないことだとこの世界の住人は理解していることだ。
 だから人の暗い感情も、本能や少ない経験から生まれるものがほとんどだった。
 所謂いわゆる『共感できる』ものなのだ。

 しかし別の世界。
 情報化が進み、暴力というものが抑圧され、発散することもできずに心を蝕むパターンが複雑化された現代の地球の悪意は、驚くほどその凶悪性が高かった。

 濃密であまりにも異常だ。

 勿論全てがそういうわけではないが確かに飛び抜けてしまっているものが存在するのは事実だ。

 そして態々そういうものを地球から送られ圧縮したものがばら撒かれた。

 例えば目の前に自分と全く関係のない5人の子供がいるとしよう。
 この世界ではせいぜい悪戯してやろうかなと思う者がいるくらいだ。
 関係ないのだ。
 そもそも理由すらない。

 だが残念なことに濃密な悪意に染まった場合、どうやって死体を処理しようかと考えるものが居てしまう現実がある。

 理由などない。

 ただ『してみたかった』という意味の分からない欲望が確かに存在する。
 そしてどうやって楽しもうかと。

 ファルスーノルン星ではおそらく誰も考えつかない事だ。

 そして、仕組んだつもりだったムフラドットやリアルルドも結局はその波に飲まれ、むごたらしく最期を迎えることになる。

 今はまだ悪意に操られていることに気づきもせず、満足そうな顔を浮かべているが、運命は悪意に染められた時点で決まっていたのかもしれない。

※※※※※

 混乱が町を襲う中、ドイストレフはわき目もふらずに冒険者ギルドへと駆け込んだ。

 30年くらい前までは看板の冒険者だったこともあり、ギルド長とはすぐに会うことができた。

 「お前が来たということはそういう事か……惜しい人を亡くしたな」

 ため息交じりにギルド長のルナエッタ・ナナラダが口にした。

 「すまない急いでいる。俺は約束を守りたい」
 「わかった。こっちだ」

 そして封印を施してある部屋へとたどり着く。

 第一皇女殿下のルルネイナ・ルグ・オズワイヤが薄い魔力の障壁に包まれ、眠っている姿が確認できた。

 そしてなぜか一緒にいたルミナラス女史が口を開く。

 「ドイストレフ、久しぶりね。事情は分かっている。飛ぶわよ」

 そして俺と皇女とルミナラスは、ルードロッド卿の待つ、ユミルの町の迎賓館へと飛んだのだ。

 「約束は守ったぞ」

 そう呟くドイストレフは涙を浮かべていた。

※※※※※

 俺は初めて感じる怒りに我を忘れそうだった。

 どういうカラクリか判らないが、ディールが殺されエルリックとかいう阿呆が皇帝を名乗り戦争を始めやがった。

 俺の住むこのアナデゴーラ大陸で。
 余りの怒りで魔力を押さえることができなかった俺は無意識で全開で魔力を放出していた。

 存在値を落としたとはいえ俺は25000ほどの力がある。

 その全開だ。
 そしておそらく……

 今まで感じたことのない黒い濃密な魔力が溢れてきた。

 そして俺は。

 はじめて悪意の陰とも呼ばれる怪しいレイスと繋がった。

 『くくく、初めましてだな、本体様。ご機嫌麗しゅう?ハハハッ』
 「貴様……」
 『くはははあ、怖いねえ、さすがは魔王様だ。どうだ?俺のプロデュースは?』
 「俺はお前を許さないっ!」
 『おーコワ。まあ焦んなよ。もっと追い詰めてやるさ。ハハハッ』

 そして突然途絶える繋がり。
 しかし俺の経験にない、悍ましい悪意のような物を俺に残していきやがった。

 俺にないスキル。
 奴は持っているのだろう。

 そして二度と…繋がる事はなかった。

 「くそがっ!!!」

 真核から感じたことのない怒りが吹き上がる。
 俺の魔力の放出で、執務室の家具が吹き飛びガラスが割れた。

 「うああああああああああああああ―――――――!!!!!」

 黒い心に侵食されるように俺の真核が変貌し始めた。

 「くそがああああああああああああああああ―――!!!!!」

 力が溢れてくる。

 なんだ?
 気持いい!
 もっとだ。

 クククハハハ、ウハハハハハハハハ!!!!!!

 そして執務室は吹き飛び、俺は魔力に包まれ、もうどうでも良くなっていく心に飲まれそうになっていった。

 「……こんな世界、滅ぼしてやる」

 俺は権能の破壊を使おうと、心に力を込めた。

 「破か……」
 「ノアーナ様あああああああ!!!!」

 ネルが抱き着いて来た。

 俺の出鱈目に吹き荒れる魔力に体を引き裂かれながら全身から大量の血を流して。
 涙を流し、奇麗な顔から血を流しながら……

 「っ!?」

 真核から温かい光が漏れ始めた。

 「はあああああああああああああああああっっっ!!!!!!」

 遠くから茜の声が聞こえた。
 温かい魔力に包まれる。

 【衰退!!】
 【安定!!!】
 【減退っ!!】
 【静!!】

 神々の権能が俺を包み込む。

 俺の黒い魔力がだんだん浄化されていく。

※※※※※

 俺は暴走した魔力の代償として四肢を失い、存在を消失しながら。

 倒れ伏した。
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