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第130話 怒りのムクとナハムザート
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(新星歴4818年1月15日)
阿呆な皇帝の開戦宣言から大きく混乱したドルグ帝国は、たったの一日でほぼ壊滅してしまった。
今となっては何をしたかったのか判らないが、きっと悪意にいいように踊らされただけだろう。
思うところも色々あるが、取り敢えず俺はグースワースに飛んだ。
執務室が捕捉できず、仕方なく俺は反応が集まっている厨房へと飛んだ。
厨房にはいくつかベッドが持ち込まれており、ネルとリナーリアが寝ていて、ルナとカナリアが看病しているようだった。
他の皆は持ち込んだテーブルの椅子で、腕を組み難しそうな顔で落ち込んでいた。
転移した俺に皆が気づいて、まるで幽霊でも見るような目を俺に向けてきた。
「すまない皆、心配かけた。……ネル、大丈夫か?」
俺は真っ先にネルの寝ているベッドをのぞき込んだ。
ネルは気を失ったように寝ていて、目を覚ましそうになかった。
横で寝ているリナーリアは僅かに目を開いたようだ。
「リナーリア……まだ起きないか」
リナーリアはまた目を閉じ、眠りにつく。
「ムク、今はどんな感じだ?」
返事がない。
俺は訝しげにムクを見た。
涙がまるで滝のように流れていた。
「おうっ?!……ああ、本当にすまなかった。……もう大丈夫だ。皆頼むから!」
俺の言葉が効いたのかどうか取り敢えずテーブルで話し合いができる体制にはなってくれたのだった。
※※※※※
ネルのケガは、何とかリナーリアが治してくれたらしい。
今はモンスレアナの【安定】の権能で寝ているため、もう少しで目覚めるようだ。
美しい顔が元通りになっていて俺は安心した。
同時に俺の心に痛みが走る。
酷い事をしてしまった。
「コホン、ムク、今はどういう状況か教えてくれるか」
「はい、ミユルの町とガイワット港は無事に守れました。ルードロッド辺境伯も無事でございます。ただミユルの町の北側までは酷い事になっています」
ムクは悔しそうに俯く。
「大将、もう大丈夫なんですか?その……魔力とか……」
ナハムザートは不安そうに俺に問いかける。
「ああ、問題ない。他の方面はどうだ?」
「へい。すみません。力及ばず殆どダメです」
「仕方ない。仕切りなおそう。まだ助かる命はあるはずだ」
「……申し訳ありやせん」
「お前らの尽力のおかげでミユルだけでも守れたんだ。胸を張れ。俺はお前らが誇らしい。本当だ」
皆が落ち込んで下を向く。
まあしょうがない。
力が及ばなかったのは事実だ。
だが。
「俺はお前たちが無事でよかったと思っている。一番死にかけた俺が言うのもなんだが死なないでくれてありがとう。これからも俺を助けてくれ」
「ノアーナ様、一ついいでしょうか?」
「ん?なんだムク?」
「昨晩ルミナラス様と皇女殿下がお見えになりました」
「ルミナと皇女?……どういう組み合わせだ?」
「もしよければノアーナ様と直接話がしたいと申しておりました。いかがいたしましょう」
俺は腕を組んで考える。
出来ればネルの無事を確認してからにしたいが……
「連絡は取れるのか」
「お望みでしたらすぐにでも」
「わかった。他の部屋は使えるか?」
「はい。応接室が使用可能です」
「よし俺はそちらへ向かう。呼んでくれ。ムクとナハムザート。ダールも来てくれ」
ダールは一瞬困った表情を浮かべる。
「お前の気持ちはわかる。つらいと思うが俺を助けてくれ」
「っ!?…わかりました。お供します」
俺たちは応接室へと移動した。
そして真実を知ることになる。
※※※※※
俺たちが応接室に着くと、空間が軋みルミナラスと第一皇女ルルネイアが転移してきた。
そして跪く二人。
「ノアーナ様。大変な時にお時間をいただき……」
俺はルミナラスをハグし口上を止めさせた。
「ルミナ、そういうのはいい。…久しぶりだなルル。奇麗になった」
顔を赤くさせ固まっているルミナラスの横で、第一皇女のルルネイアが立ち上がり、俺の目を真直ぐに見つめ、悲しそうに微笑みながら口を開いた。
「お久しぶりです。ノアーナ様」
そしてダールに飛びつかん勢いで抱き着いた。
「お兄様!あああ、お会いしとうございました。うあああ…」
優しく抱きとめ頭を撫でてやるダール。
優しい気持ちが応接室を包んだ。
「よし、打ち合わせを始めよう」
※※※※※
皇女は稀有なスキル持ちだった。
『投影』というスキル。
これは条件が整った場合、その人物の内面を確認できる非常に恐ろしい力を秘めたスキルだが、条件が厳しいため通常ではほとんど意味をなさない。
しかし彼女の立場と今回の主犯の関係が近かったため、ほぼ事件の概要を確認する事が出来た。
条件は3つ。
一つ、5年以上近くで生活し、コミュニケーションをとっている事。
二つ、対象の隠された秘密を一つ以上知っている事。
三つ、遠くても構わないので血のつながりがあること。
彼女は今回の主犯であるとみられるエルリックの妹だ。
すべての条件をかなり濃い濃度で満たしていたため、さらに能力拡張され接触者の内面まで覗くことができていた。
全ての始まりは、霊安殿の地下で稼働していた研究所。
欲にかられエルリックを唆したエラナルド伯爵とブシステル侯爵。
実は劣等感に包まれていた心の弱かったエルリック。
そして漆黒が『あの影』が糸を引いていた。
この星に暮らすものの欲望を刺激し、誘導して、多くの命が奪われた。
ノアーナも消滅しかけた。
応接室を沈黙が包む。
「許せねえ…」
ナハムザートが沈黙を破る。
怒りに震え、顔が赤く染まっていく。
「大将、研究所へ行かせてください。もしかしたら、まだ…」
ナハムザートは涙をこらえながら俺に懇願してきた。
酷い状況にさらされていたものに、共感したのだろう。
そしてさらに、ムクが立ち上がり俺に懇願してきた。
「ノアーナ様。これは捨て置けません。皇女の手前失礼に当たるかと思いますが、最優先すべきかと」
そして奇麗に礼をとる。
俺は腕を組み考える。
『魔王に近しもの』の称号がある二人なら、問題なくたどり着けるだろう。
俺も同行したいが、先ほどからもう一人の、胸の中にいる俺が警告を発している。
『また、キレちゃうよ』
そう言っている。
俺は皆を見回し提案した。
「ルル、お前のおかげで今回の事がかなり分かった。残念だがディードとはもうつながらない。おそらく……」
ルルネイアが顔を両手で覆い、肩を震わせ涙をこらえる。
ダールがそっと寄り添っている。
「ルミナ、おまえに頼みたい。ナハムザートとムクに付いて行ってほしい。ブレーキを掛けてやってくれ」
ルミナラスは決意を込めた表情を浮かべ力強くうなずいた。
「お任せください。ノアーナ様」
こうしてムク、ナハムザート、ルミナラスの三名が霊安殿へと転移していった。
阿呆な皇帝の開戦宣言から大きく混乱したドルグ帝国は、たったの一日でほぼ壊滅してしまった。
今となっては何をしたかったのか判らないが、きっと悪意にいいように踊らされただけだろう。
思うところも色々あるが、取り敢えず俺はグースワースに飛んだ。
執務室が捕捉できず、仕方なく俺は反応が集まっている厨房へと飛んだ。
厨房にはいくつかベッドが持ち込まれており、ネルとリナーリアが寝ていて、ルナとカナリアが看病しているようだった。
他の皆は持ち込んだテーブルの椅子で、腕を組み難しそうな顔で落ち込んでいた。
転移した俺に皆が気づいて、まるで幽霊でも見るような目を俺に向けてきた。
「すまない皆、心配かけた。……ネル、大丈夫か?」
俺は真っ先にネルの寝ているベッドをのぞき込んだ。
ネルは気を失ったように寝ていて、目を覚ましそうになかった。
横で寝ているリナーリアは僅かに目を開いたようだ。
「リナーリア……まだ起きないか」
リナーリアはまた目を閉じ、眠りにつく。
「ムク、今はどんな感じだ?」
返事がない。
俺は訝しげにムクを見た。
涙がまるで滝のように流れていた。
「おうっ?!……ああ、本当にすまなかった。……もう大丈夫だ。皆頼むから!」
俺の言葉が効いたのかどうか取り敢えずテーブルで話し合いができる体制にはなってくれたのだった。
※※※※※
ネルのケガは、何とかリナーリアが治してくれたらしい。
今はモンスレアナの【安定】の権能で寝ているため、もう少しで目覚めるようだ。
美しい顔が元通りになっていて俺は安心した。
同時に俺の心に痛みが走る。
酷い事をしてしまった。
「コホン、ムク、今はどういう状況か教えてくれるか」
「はい、ミユルの町とガイワット港は無事に守れました。ルードロッド辺境伯も無事でございます。ただミユルの町の北側までは酷い事になっています」
ムクは悔しそうに俯く。
「大将、もう大丈夫なんですか?その……魔力とか……」
ナハムザートは不安そうに俺に問いかける。
「ああ、問題ない。他の方面はどうだ?」
「へい。すみません。力及ばず殆どダメです」
「仕方ない。仕切りなおそう。まだ助かる命はあるはずだ」
「……申し訳ありやせん」
「お前らの尽力のおかげでミユルだけでも守れたんだ。胸を張れ。俺はお前らが誇らしい。本当だ」
皆が落ち込んで下を向く。
まあしょうがない。
力が及ばなかったのは事実だ。
だが。
「俺はお前たちが無事でよかったと思っている。一番死にかけた俺が言うのもなんだが死なないでくれてありがとう。これからも俺を助けてくれ」
「ノアーナ様、一ついいでしょうか?」
「ん?なんだムク?」
「昨晩ルミナラス様と皇女殿下がお見えになりました」
「ルミナと皇女?……どういう組み合わせだ?」
「もしよければノアーナ様と直接話がしたいと申しておりました。いかがいたしましょう」
俺は腕を組んで考える。
出来ればネルの無事を確認してからにしたいが……
「連絡は取れるのか」
「お望みでしたらすぐにでも」
「わかった。他の部屋は使えるか?」
「はい。応接室が使用可能です」
「よし俺はそちらへ向かう。呼んでくれ。ムクとナハムザート。ダールも来てくれ」
ダールは一瞬困った表情を浮かべる。
「お前の気持ちはわかる。つらいと思うが俺を助けてくれ」
「っ!?…わかりました。お供します」
俺たちは応接室へと移動した。
そして真実を知ることになる。
※※※※※
俺たちが応接室に着くと、空間が軋みルミナラスと第一皇女ルルネイアが転移してきた。
そして跪く二人。
「ノアーナ様。大変な時にお時間をいただき……」
俺はルミナラスをハグし口上を止めさせた。
「ルミナ、そういうのはいい。…久しぶりだなルル。奇麗になった」
顔を赤くさせ固まっているルミナラスの横で、第一皇女のルルネイアが立ち上がり、俺の目を真直ぐに見つめ、悲しそうに微笑みながら口を開いた。
「お久しぶりです。ノアーナ様」
そしてダールに飛びつかん勢いで抱き着いた。
「お兄様!あああ、お会いしとうございました。うあああ…」
優しく抱きとめ頭を撫でてやるダール。
優しい気持ちが応接室を包んだ。
「よし、打ち合わせを始めよう」
※※※※※
皇女は稀有なスキル持ちだった。
『投影』というスキル。
これは条件が整った場合、その人物の内面を確認できる非常に恐ろしい力を秘めたスキルだが、条件が厳しいため通常ではほとんど意味をなさない。
しかし彼女の立場と今回の主犯の関係が近かったため、ほぼ事件の概要を確認する事が出来た。
条件は3つ。
一つ、5年以上近くで生活し、コミュニケーションをとっている事。
二つ、対象の隠された秘密を一つ以上知っている事。
三つ、遠くても構わないので血のつながりがあること。
彼女は今回の主犯であるとみられるエルリックの妹だ。
すべての条件をかなり濃い濃度で満たしていたため、さらに能力拡張され接触者の内面まで覗くことができていた。
全ての始まりは、霊安殿の地下で稼働していた研究所。
欲にかられエルリックを唆したエラナルド伯爵とブシステル侯爵。
実は劣等感に包まれていた心の弱かったエルリック。
そして漆黒が『あの影』が糸を引いていた。
この星に暮らすものの欲望を刺激し、誘導して、多くの命が奪われた。
ノアーナも消滅しかけた。
応接室を沈黙が包む。
「許せねえ…」
ナハムザートが沈黙を破る。
怒りに震え、顔が赤く染まっていく。
「大将、研究所へ行かせてください。もしかしたら、まだ…」
ナハムザートは涙をこらえながら俺に懇願してきた。
酷い状況にさらされていたものに、共感したのだろう。
そしてさらに、ムクが立ち上がり俺に懇願してきた。
「ノアーナ様。これは捨て置けません。皇女の手前失礼に当たるかと思いますが、最優先すべきかと」
そして奇麗に礼をとる。
俺は腕を組み考える。
『魔王に近しもの』の称号がある二人なら、問題なくたどり着けるだろう。
俺も同行したいが、先ほどからもう一人の、胸の中にいる俺が警告を発している。
『また、キレちゃうよ』
そう言っている。
俺は皆を見回し提案した。
「ルル、お前のおかげで今回の事がかなり分かった。残念だがディードとはもうつながらない。おそらく……」
ルルネイアが顔を両手で覆い、肩を震わせ涙をこらえる。
ダールがそっと寄り添っている。
「ルミナ、おまえに頼みたい。ナハムザートとムクに付いて行ってほしい。ブレーキを掛けてやってくれ」
ルミナラスは決意を込めた表情を浮かべ力強くうなずいた。
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