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パロディ罵倒るファンタジー
《《00001011》》=11.だから、たて!たて!たて!たちあがれ!
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ダリアが作業を始めるその3分前...
アキリたちは龍と睨み合っていた。
「...」
「先手を取りたい所だね」
「どうするんだァ?」
「君、氷塊を打った後、直ぐに離脱できるかい?」
「何をする気だ?」
「一か八か迎撃してみるよ」
「わかった、合図は?」
「酸・辣・湯で行くよ」
「別にいいけど何でそれをチョイスした?」
「いくよ!」
「無視か!」
「棒・棒・鶏!」
「「絶対そう来ると思ったわ!!」」
そう叫びながらアキリは氷塊を演算し、龍に向かってありったけ撃ち込む!
「ヴァッ」
しかし、氷塊は龍に衝突する度にその毛皮に傷をつけることなく無惨に砕け散る。
「ちっ、遠すぎるか?...いや、近距離で当ててもかすり傷にしかならんな。硬すぎる」
悲しきかな、小さな氷塊を大量にぶつけたところで龍をただただ挑発するだけ...アキリたちを完全に獲物だと認識した龍はその前足を強く踏み込み岩場に自らの手型を残しながら地を駆けるように登ってくる!
「ふふっ、でも無防備すぎやしないかい?」
ルーナも対抗するように地を蹴り大きく跳び上がって龍に美しい空中回転蹴りをかます!
「ヴァル゛ァ」
龍もそれに合わせて右前脚を大きく振りかぶり薙ぎ払う!...脚と脚のぶつかり合い!
「ふふふ!相手にもならないね!」
飛翔ッ!ルーナは宙を舞って...
「ぐはっ」
「ッてェー」
堕鳥に激突した!
「なぁ、何で勝てると思った?」
「こう、なんか行けそうな感じする時...ない?」
「行けるわけねぇだろ!お前ごときのへっぽこキックで何でアレに勝てると思った?」
ルーナの蹴りは呆気なく龍に弾き飛ばされた。拮抗することはなく競り合うことも無い...人間ごときが抗うことは出来ない獣の理不尽。
「これは...かなりヤバいね...」
自分の蹴りが全く効かないとくればもうルーナが龍に攻撃する方法は数える程しかない、しかもその殆どは事前準備ありきのもの。この場で龍に対抗する方法はルーナの中には二つほどしかない。
「...おいィ、いいからどけよォ」
ルーナに押しつぶされて死にかけている堕鳥が呻きながら言う。
「あぁ、ごめんね」
ルーナと堕鳥は立ち上がる。すると...ふと、視界の隅が暗くなる。
「...ッ!」
「っ!」
堕鳥の首根っこを掴んだルーナとアキリは脇目も振らず後方へ大きく飛ぶ!
――――――ドガンッ!
二人がほんの少し前までいた場所は理不尽な暴力の化身によって地に罅が入っていた。
「ふふっ、ついにご対面って感じかな?」
「...この距離で見るとクソでけぇな...」
全長約6メートル、全高約2メートル強...そんな巨体が猫と同じくらいの速度感で動いている。さっきまでデカい猫やん、雰囲気出ねぇーとか言ってたのはなんだったのか。気を抜いて猫パンチが当たりでもすればあの世へ直行だろう。
「...」
「...ゥ」
龍は目を動かしながらルーナとアキリの位置を確認しつつ様子を伺っている。...時間稼ぎで重要な事の一つは自分から攻めないこと。相手が動かないのならそれでよし、動くのなら必ず二手以上かかる距離を保つこと。攻撃が一歩では届かない距離、しかし頑張れば届きそうだから何とかならないか...そう考えさせる絶妙な距離感。攻めるか守るか考えてしまうこの距離...この龍の攻撃範囲は恐らく2.5メートル。それが先程からの動きから予測した間合い。
「...ヴァッ!」
「っ!...動いた!?」
「チッ!」
アキリが舌打ちをしながらバックステップで距離を取る。一秒もしないうちに龍の前腕が地面を空気ごと押し潰していた!
「はぁぁああ!」
出し惜しみもなくアキリは氷塊を連射し龍にぶつけていく!しかし...
「ヴァルァァアア!」
それはもう慣れた。そう言わんばかりに氷塊を腕の手枷で払い、縦横無尽のステップで躱してアキリに迫る!
「クソッ、そういういかにもな動きはゲームかアニメの中だけにしろよッ!」
的はデカい、当たらないわけじゃない。ただ、当ててもたいして効果がない以上、どうしても顔を狙うしかない。しかし、顔を狙うには動きが俊敏すぎる。
「...!」
じわり、じわりと距離を詰められていくアキリ...
「ヴルァ!」
そして完全に龍の間合いまで詰められる!後、一秒足らずでアキリはぺしゃんこになるだろう。でも...
「ヴァっ!?」
龍が悶える!突如、感じた激痛ッ!それは人間で例えるなら所謂、『タンスの角に小指をぶつけた』というやつ。
「痛いだろう?僕もされたら痛いと思うよ」
ルーナが手に持っているのは白いゴルフクラブ...そしてそれでフルスイングしたのは龍の右後脚!
「ヴルァ!」
あまりの激痛に龍は攻撃対象を変更しルーナを後脚で蹴る!
「予測済みだよ!」
華麗に蹴りを回避したルーナはもう一度、フルスイングをお見舞いする!
「ヴァァアア!」
完全に逆鱗に触れ、龍は振り返り様にルーナを潰そうと前脚を振り上げる!
「...」
迫る前腕...ルーナはチラリとアキリを見る。そして何も無い空間目掛けてゴルフクラブを振る!
「お前、正気か?」
アキリは戸惑いながらも即座に小さい氷塊を演算し、高速回転させ...ルーナに向けて放つ!
――――――カンッ!
タイミングは完璧、空を切るはずだったゴルフクラブはアキリの氷塊が直撃!跳弾しその軌道を変える!着弾先はもちろん...
「ヴァッ!」
龍の眉間 !
「ふふっ、ゴルフクラブには物を打つ使い方もあるんだよ」
「いや、そっちが本来の用途だろ」
「...ヴ」
クリティカルヒットした氷塊に龍は思わず後方へ飛ぶ!
「...ここまでやってやっと下がったか」
「厳しいね」
ルーナとアキリは並び立ち、再び龍と正面から睨み合う。互いの距離は4m。だが、こちらには遠距離からの攻撃手段がある。一定の距離を保ちながら地道に龍の体力を削いでいく事が堅実な勝ち筋...。
「ヴァ!」
龍が動く!狙いはルーナではなくアキリ!だが、それはもちろん動きを見れば一目瞭然...しかし!アキリはもう既に間合いの外、3mほど離れている!これで龍の攻撃は...
「いや、違う!そうか、そこはまだッ!」
ルーナは見た、見えた。龍が大きく振りかぶった前足...それに合わせて手枷の鎖が独りでに動いていた。物理法則を無視しアキリを叩き潰す為、金切り音を響かせ向かっていく!
「あぁ、そいやそんなこと言ってたな」
3、4話くらい前の事だったから忘れてた。鎖がどうとかそういう話してた気がする...まぁ、だからどうした?
「こっちだってある程度、修羅場超えてきてんだよ!」
...そう叫んだアキリは手を前に翳す!
「是なるは祖国を護る我が誓い、堅く、気高く、美しく、永久不滅の象徴なり!『絶氷聖楯』!」
「おぉ...」
それを見たルーナは思わず息を呑む...最初に感じたのは誇り、次に感じたのは決意、最後に感じたのは慈愛。それは絶えぬ氷の聖なる楯。アキリの誓いが形となったもの...
――――――ガンッ
アキリを護るように現れた楯によって鎖の一撃は威力を失い静止する。
「はっ!」
「ヴゥ!」
楯越しに嘲笑するアキリと苦虫を噛み潰したような顔をする龍。両者睨み合う中...
――――――ピシッ!
それは突然に辺りに響いた均衡の崩れる音!アキリの氷の楯に一筋の罅が入る!
「えっ、あっ、えぇっ...」
動揺するアキリ!しかし、現実は非情...残酷な結果を突きつける!
――――――パリンッ!
氷の楯が割れる、物の見事に割れる!
「っぁんぇっ?」
よく分からん困惑の声を上げるアキリ再びトドメを刺さんと鎖が迫る!避けるタイミングはない、受け止める事も出来ない!そんなどうしようもない状況...だが、しかし!
「ふふっ、僕を忘れていないかい?」
鎖とアキリに割って入ったのは堕鳥を背負ったルーナ!
「お返しだよ」
刹那、ルーナは手に持っていた白いゴルフクラブをフルスイングする!...ガコンッ!という聞いた事のない音を立てルーナは鎖を思いっきりぶっ飛ばし...
「ッルッガッ!」
龍の顔面に打ち返すする!流石の龍も顔面に鉄の塊を打ちつけられれば多少のダメージに思わず仰け反る。
「ふふっ、やっぱりコレだね。ゴルフクラブに勝るものは無い...とはいえ」
チラリとゴルフクラブを...ゴルフクラブだったものを見る。それは完全に拉げており、直角に曲がって完全にゴルフクラブとしての機能を失っていた。ルーナは一言「ごめんね」とつぶやき、手に持っていたそれを放り投げ、新しく演算し直して軽く振る...
「さて、仕切り直しと...「どうしてだよぉぉおおお!」...ん?」
背後から突如、聞こえた悲痛な叫びにルーナも龍も反射的にそっちを見る!
「何でだぁぁぁあああ!」
アキリが地面を叩きながら叫んでいた!
「お、お~い?あ、の、今、戦闘中なんだけれどね...」
それでもアキリは叫ぶのを止めない!何故ならッ!
「何で初お披露目の技が速攻で破られるんだよぉぉぉおおおお!おかしいだろぉぉぉおおおお!しかも初詠唱だぞぉおお?あんなドヤ顔して『是なるは祖国を護る我が誓い』とか言ってこれかよぉぉぉおおお!何が『永久不滅の象徴』だよ、もう滅んだよッ!何もかも終わりだよ!」
「ふふふ、壊れた...」
「ヴァ...」
龍ですら少し引く程の怒り...怒り?の感情。アキリの血圧は上昇し、血流は全身を駆け巡る!
「え、これもしかしてそういう事かい?」
ルーナは察した。というか当然の事だ、血圧が上がればアドレナリンやら何やらがどうたらこうたらして興奮状態になる...身体パフォーマンスが上がる。つまり、単純に言えば思考速度も上がる。...そうなるんだが、それを意図的にやるのはまた話が変わってくる。
「イライラするなぁ、オイ!ここまでコケにされたのは初めてだ...」
血管が浮き出るほどに物凄い形相で龍を睨みつけるアキリ...
「...君、初のちゃんとした戦闘パートそれでいいのかい?もう、怖すぎて背中の堕鳥気絶してるよ?」
「さっきから喋らねぇと思ったら寝てやがったのか...」
アキリ@true= [気高き主の正当なる後継者:E]
「ふふふ、何をしたらそんな称号を得られるんだい?」
ルーナはもはやドン引きの域を超えむしろ感嘆の息を漏らしていた。今のアキリは傍から見ればさながら『怒れる魔人』...人の許容量を超えた怒りを持ちながら人としての形を保った歪な存在。少しでも均衡が崩れれば怒りに呑まれ人だったということを忘れてしまいそうな程に危うい存在。本来ならこんな称号は起動すべきではない。それを止めようとルーナが動いた瞬間!
「オイ、お前...私の詠唱の時間を稼げ」
「いきなり無茶ぶり過ぎないかなッ?」
ルーナは反射的に体が動いていた...まるで逆らっていけない何かに命令されたかのように勝手に体が動いていた。
「ゥヴァ!?」
命令され勝手に放ったゴルフクラブの一撃は完全に無防備だった龍の頬に直撃する!本来なら避けられていただろう...しかし、この攻撃はルーナの意思ではない為、敵意も殺意もなかった。だからこそ龍は避ける事が出来なかった!そして、それは致命的な隙となる!...二、三、四!と続けざまに間髪入れずに攻撃を放つ!もちろんこの程度の攻撃では何発入れても倒すことは出来ない...しかし、仰け反らせる事は出来る。そう、ルーナの背後では...
「空は泣き、海は涙を呑む。地は潤い、星は脈動し新たな命を産む。母なる大地よ、この声が聞こえるならば答えてくれ。その熱く滾る血脈を貴方の力を貸してくれ。その情熱に勝るモノなどこの世の何処にもありはしない。この美しい大地に蔓延る病の根源、その一切を灼き尽くす!」
詠唱とは言葉...長ければ長い程、複雑な演算を可能とする。人ではどうにもならない自然現象も人の域を超えた演算能力と読むのもうんざりするようなクソ長い言葉さえあれば不可能ではない。今回は怒りによって演算能力を無理やり引き上げ、一言一句...一切の省略無しの長文言葉によってこの場に限り...アキリは人智を超える演算...星の特権である自然現象の出力に成功する!
「!?...ヤバっいね!」
ルーナは直感で感じた。無意識にその体が回避行動を行ってしまう程の危険信号!
「『星脈岩漿』ッ!」
アキリが叫ぶ!
「ヴァッアア!」
龍が咆哮を上げながら跳び上がる!
――――――ドガンッ!
直後、大地が血飛沫を上げる!それは全てを灼き尽くすべく燃え上がる朱い炎の潮流即ち、岩漿!
「ゥヴァ!」
だがしかし、間欠泉のように湧き出たマグマは龍には当たらず大地へと滴り、触れたモノを焦がしていく。
「最初から当たると思ってねぇよ!本命はッ!」
「こっちだね!」
龍の背後からルーナが跳び出し、ゴルフクラブをフルスイングする!...龍を狙った所で精々、仰け反らせるだけ...だから、もちろん狙いは龍ではない!狙いは...
「鎖だよッ!」
湧き出たマグマに向かって両前足の鎖を打って飛ばす!
「ヴルルッ!」
マグマに触れた鎖はその熱でどんどん溶けだしその形を失っていく!
「ッ!」
突如、アキリは頭を抑え膝を付く。
「限界かい?」
「流石にやりすぎたな」
気づけばまるで何も無かったかのようにマグマが消滅する。しかし、役目は十分果たした。龍の鎖はその三分の二が溶けて鉄塊へと変わり果てていた。
Errorcode:7tvOqzdx4CU_[RAGE%<80]
アキリ@error= [気高き主の正当なる後継者:E] break;
「ッアア!」
アキリは全身に電流が流れたような痺れと痛みを感じ思わず叫ぶ!
「大丈夫かい!?」
「っあ、あぁ...称号が効力を失っただけだ」
「ふふっ、なるほど...条件付きなんだね」
「そうだ」
[気高き主の正当なる後継者]、それはかつて魔人と呼ばれた者の弟子がその座を引き継いだ事で得た称号。本来であればその力と共に座を引き継がなければならないが力を得ずに座を引き継いだが為に一定の条件下で一時的にしかその称号の力を引き出す事が出来ない。また、過ぎた力が故に無理に使えば暴走の危険すらある代物...
「少し冷静になったかい?」
「私はいつも冷静だ」
「よく言うぜェ、クッソこェえ顔してやがった癖によォ」
「起きたのかアホ面」
気が付けば堕鳥が気絶から覚め、ルーナの背中で騒いでいた。
「で、さっきのはなんだったんだァ?」
「そうだな...クソ野郎の置き土産みたいなモンだ」
「?」
「それより...」
ルーナはアキリと堕鳥の話を打ち切り龍を指さす。
「ヴァッルゥァーーーー!」
先程よりもより強く、より低く響く咆哮...
「...第二ラウンドってとこか」
「鎖の間合いは削った...後は気合いで躱して行くしかなさそうだね」
「さっきの溶岩出すやつ、もっかい出来ねェのかァ?」
「そんな連射できるなら最初からやってるわ」
「そもそも、また詠唱の時間稼ぐのは無理だと思うな」
「目を見りゃ分かる。もう、獲物じゃなくて...敵を見る目してやがる」
「こっからは根比べだね」
「アドリブで行くぞ?」
「さっきからずっとアドリブだったと思うけどねっ」
そう言ってルーナはゴルフクラブを、アキリは氷塊を演算し、各々構える。それを見た龍は少しだけ首を振って...勢いよくルーナたちに飛びかかった!
「早いッ!」
先程とは比べものにならないくらい龍の動きが早くなっている!いきなりの行動速度上昇に不意を突かれて二人は動けないでいた!
「まさかまだ...!」
この時、ルーナはとある事実に気づいた!
「あ、そっか鎖溶かしたって事は...そりゃ腕、軽くなるね」
「あ、そっか」
「...えェ!?」
回避も防御も間に合わない!迫る前腕を呆然と眺める二人...だが、このタイミングで一人...いや、一匹だけ、手札を持っているモノが居た!
「クソッ、奥の手だったが仕方ねェ!やってくれマスターッ!」
叫ぶ堕鳥...それに応えるかのように上空から空を切り、とてつもない速度で何かが迫る!
「ゥッ!」
かろうじて反応出来てももう遅い!それは龍に直撃し...
「ウルヴァァアアッ!?」
ドゴンッという破裂音共にその巨体を爆風で押し飛ばす!
「炸裂弾を付けた矢だァ!たっぷりと味わいなァ!」
この戦い...この十五分間。マナはずっと矢を構えたまま、アキリチームとダリアチームを観測していた。そう、ずっと出番を待っていた...いつ読者に忘れ去られるかヒヤヒヤしながらこの時を待っていた!
「ふふっ、助けられたね...」
「死ぬとこだった。ありがとな」
「お、ォう」
感謝され少し照れる堕鳥。それを見てアキリは少し複雑な表情を浮かべる。
「まぁ、ただそいつの背中にくっ付いてなきゃもっとカッコよかったんだけどな」
「お前ェ、一言余計って言われないィ?」
「言われたことないな...だって言った奴はいなくなるから」
そう言って堕鳥の首根っこを掴みルーナの背中から引っぺがす!
「...ッ!」
「冗談だ、ところでお前...一言足りないって言われないか?」
「...言われた事ねェぞォ?」
「そうか...」
小さくそう、呟くとアキリは嗤いながら屠畜場に送られる前の鶏のような顔をした堕鳥を背負って龍に向き直る。そして...
「いいか?よく見てろ、お前に足りないモンを教えてやる!」
力強くそう叫んだ!
アキリたちは龍と睨み合っていた。
「...」
「先手を取りたい所だね」
「どうするんだァ?」
「君、氷塊を打った後、直ぐに離脱できるかい?」
「何をする気だ?」
「一か八か迎撃してみるよ」
「わかった、合図は?」
「酸・辣・湯で行くよ」
「別にいいけど何でそれをチョイスした?」
「いくよ!」
「無視か!」
「棒・棒・鶏!」
「「絶対そう来ると思ったわ!!」」
そう叫びながらアキリは氷塊を演算し、龍に向かってありったけ撃ち込む!
「ヴァッ」
しかし、氷塊は龍に衝突する度にその毛皮に傷をつけることなく無惨に砕け散る。
「ちっ、遠すぎるか?...いや、近距離で当ててもかすり傷にしかならんな。硬すぎる」
悲しきかな、小さな氷塊を大量にぶつけたところで龍をただただ挑発するだけ...アキリたちを完全に獲物だと認識した龍はその前足を強く踏み込み岩場に自らの手型を残しながら地を駆けるように登ってくる!
「ふふっ、でも無防備すぎやしないかい?」
ルーナも対抗するように地を蹴り大きく跳び上がって龍に美しい空中回転蹴りをかます!
「ヴァル゛ァ」
龍もそれに合わせて右前脚を大きく振りかぶり薙ぎ払う!...脚と脚のぶつかり合い!
「ふふふ!相手にもならないね!」
飛翔ッ!ルーナは宙を舞って...
「ぐはっ」
「ッてェー」
堕鳥に激突した!
「なぁ、何で勝てると思った?」
「こう、なんか行けそうな感じする時...ない?」
「行けるわけねぇだろ!お前ごときのへっぽこキックで何でアレに勝てると思った?」
ルーナの蹴りは呆気なく龍に弾き飛ばされた。拮抗することはなく競り合うことも無い...人間ごときが抗うことは出来ない獣の理不尽。
「これは...かなりヤバいね...」
自分の蹴りが全く効かないとくればもうルーナが龍に攻撃する方法は数える程しかない、しかもその殆どは事前準備ありきのもの。この場で龍に対抗する方法はルーナの中には二つほどしかない。
「...おいィ、いいからどけよォ」
ルーナに押しつぶされて死にかけている堕鳥が呻きながら言う。
「あぁ、ごめんね」
ルーナと堕鳥は立ち上がる。すると...ふと、視界の隅が暗くなる。
「...ッ!」
「っ!」
堕鳥の首根っこを掴んだルーナとアキリは脇目も振らず後方へ大きく飛ぶ!
――――――ドガンッ!
二人がほんの少し前までいた場所は理不尽な暴力の化身によって地に罅が入っていた。
「ふふっ、ついにご対面って感じかな?」
「...この距離で見るとクソでけぇな...」
全長約6メートル、全高約2メートル強...そんな巨体が猫と同じくらいの速度感で動いている。さっきまでデカい猫やん、雰囲気出ねぇーとか言ってたのはなんだったのか。気を抜いて猫パンチが当たりでもすればあの世へ直行だろう。
「...」
「...ゥ」
龍は目を動かしながらルーナとアキリの位置を確認しつつ様子を伺っている。...時間稼ぎで重要な事の一つは自分から攻めないこと。相手が動かないのならそれでよし、動くのなら必ず二手以上かかる距離を保つこと。攻撃が一歩では届かない距離、しかし頑張れば届きそうだから何とかならないか...そう考えさせる絶妙な距離感。攻めるか守るか考えてしまうこの距離...この龍の攻撃範囲は恐らく2.5メートル。それが先程からの動きから予測した間合い。
「...ヴァッ!」
「っ!...動いた!?」
「チッ!」
アキリが舌打ちをしながらバックステップで距離を取る。一秒もしないうちに龍の前腕が地面を空気ごと押し潰していた!
「はぁぁああ!」
出し惜しみもなくアキリは氷塊を連射し龍にぶつけていく!しかし...
「ヴァルァァアア!」
それはもう慣れた。そう言わんばかりに氷塊を腕の手枷で払い、縦横無尽のステップで躱してアキリに迫る!
「クソッ、そういういかにもな動きはゲームかアニメの中だけにしろよッ!」
的はデカい、当たらないわけじゃない。ただ、当ててもたいして効果がない以上、どうしても顔を狙うしかない。しかし、顔を狙うには動きが俊敏すぎる。
「...!」
じわり、じわりと距離を詰められていくアキリ...
「ヴルァ!」
そして完全に龍の間合いまで詰められる!後、一秒足らずでアキリはぺしゃんこになるだろう。でも...
「ヴァっ!?」
龍が悶える!突如、感じた激痛ッ!それは人間で例えるなら所謂、『タンスの角に小指をぶつけた』というやつ。
「痛いだろう?僕もされたら痛いと思うよ」
ルーナが手に持っているのは白いゴルフクラブ...そしてそれでフルスイングしたのは龍の右後脚!
「ヴルァ!」
あまりの激痛に龍は攻撃対象を変更しルーナを後脚で蹴る!
「予測済みだよ!」
華麗に蹴りを回避したルーナはもう一度、フルスイングをお見舞いする!
「ヴァァアア!」
完全に逆鱗に触れ、龍は振り返り様にルーナを潰そうと前脚を振り上げる!
「...」
迫る前腕...ルーナはチラリとアキリを見る。そして何も無い空間目掛けてゴルフクラブを振る!
「お前、正気か?」
アキリは戸惑いながらも即座に小さい氷塊を演算し、高速回転させ...ルーナに向けて放つ!
――――――カンッ!
タイミングは完璧、空を切るはずだったゴルフクラブはアキリの氷塊が直撃!跳弾しその軌道を変える!着弾先はもちろん...
「ヴァッ!」
龍の眉間 !
「ふふっ、ゴルフクラブには物を打つ使い方もあるんだよ」
「いや、そっちが本来の用途だろ」
「...ヴ」
クリティカルヒットした氷塊に龍は思わず後方へ飛ぶ!
「...ここまでやってやっと下がったか」
「厳しいね」
ルーナとアキリは並び立ち、再び龍と正面から睨み合う。互いの距離は4m。だが、こちらには遠距離からの攻撃手段がある。一定の距離を保ちながら地道に龍の体力を削いでいく事が堅実な勝ち筋...。
「ヴァ!」
龍が動く!狙いはルーナではなくアキリ!だが、それはもちろん動きを見れば一目瞭然...しかし!アキリはもう既に間合いの外、3mほど離れている!これで龍の攻撃は...
「いや、違う!そうか、そこはまだッ!」
ルーナは見た、見えた。龍が大きく振りかぶった前足...それに合わせて手枷の鎖が独りでに動いていた。物理法則を無視しアキリを叩き潰す為、金切り音を響かせ向かっていく!
「あぁ、そいやそんなこと言ってたな」
3、4話くらい前の事だったから忘れてた。鎖がどうとかそういう話してた気がする...まぁ、だからどうした?
「こっちだってある程度、修羅場超えてきてんだよ!」
...そう叫んだアキリは手を前に翳す!
「是なるは祖国を護る我が誓い、堅く、気高く、美しく、永久不滅の象徴なり!『絶氷聖楯』!」
「おぉ...」
それを見たルーナは思わず息を呑む...最初に感じたのは誇り、次に感じたのは決意、最後に感じたのは慈愛。それは絶えぬ氷の聖なる楯。アキリの誓いが形となったもの...
――――――ガンッ
アキリを護るように現れた楯によって鎖の一撃は威力を失い静止する。
「はっ!」
「ヴゥ!」
楯越しに嘲笑するアキリと苦虫を噛み潰したような顔をする龍。両者睨み合う中...
――――――ピシッ!
それは突然に辺りに響いた均衡の崩れる音!アキリの氷の楯に一筋の罅が入る!
「えっ、あっ、えぇっ...」
動揺するアキリ!しかし、現実は非情...残酷な結果を突きつける!
――――――パリンッ!
氷の楯が割れる、物の見事に割れる!
「っぁんぇっ?」
よく分からん困惑の声を上げるアキリ再びトドメを刺さんと鎖が迫る!避けるタイミングはない、受け止める事も出来ない!そんなどうしようもない状況...だが、しかし!
「ふふっ、僕を忘れていないかい?」
鎖とアキリに割って入ったのは堕鳥を背負ったルーナ!
「お返しだよ」
刹那、ルーナは手に持っていた白いゴルフクラブをフルスイングする!...ガコンッ!という聞いた事のない音を立てルーナは鎖を思いっきりぶっ飛ばし...
「ッルッガッ!」
龍の顔面に打ち返すする!流石の龍も顔面に鉄の塊を打ちつけられれば多少のダメージに思わず仰け反る。
「ふふっ、やっぱりコレだね。ゴルフクラブに勝るものは無い...とはいえ」
チラリとゴルフクラブを...ゴルフクラブだったものを見る。それは完全に拉げており、直角に曲がって完全にゴルフクラブとしての機能を失っていた。ルーナは一言「ごめんね」とつぶやき、手に持っていたそれを放り投げ、新しく演算し直して軽く振る...
「さて、仕切り直しと...「どうしてだよぉぉおおお!」...ん?」
背後から突如、聞こえた悲痛な叫びにルーナも龍も反射的にそっちを見る!
「何でだぁぁぁあああ!」
アキリが地面を叩きながら叫んでいた!
「お、お~い?あ、の、今、戦闘中なんだけれどね...」
それでもアキリは叫ぶのを止めない!何故ならッ!
「何で初お披露目の技が速攻で破られるんだよぉぉぉおおおお!おかしいだろぉぉぉおおおお!しかも初詠唱だぞぉおお?あんなドヤ顔して『是なるは祖国を護る我が誓い』とか言ってこれかよぉぉぉおおお!何が『永久不滅の象徴』だよ、もう滅んだよッ!何もかも終わりだよ!」
「ふふふ、壊れた...」
「ヴァ...」
龍ですら少し引く程の怒り...怒り?の感情。アキリの血圧は上昇し、血流は全身を駆け巡る!
「え、これもしかしてそういう事かい?」
ルーナは察した。というか当然の事だ、血圧が上がればアドレナリンやら何やらがどうたらこうたらして興奮状態になる...身体パフォーマンスが上がる。つまり、単純に言えば思考速度も上がる。...そうなるんだが、それを意図的にやるのはまた話が変わってくる。
「イライラするなぁ、オイ!ここまでコケにされたのは初めてだ...」
血管が浮き出るほどに物凄い形相で龍を睨みつけるアキリ...
「...君、初のちゃんとした戦闘パートそれでいいのかい?もう、怖すぎて背中の堕鳥気絶してるよ?」
「さっきから喋らねぇと思ったら寝てやがったのか...」
アキリ@true= [気高き主の正当なる後継者:E]
「ふふふ、何をしたらそんな称号を得られるんだい?」
ルーナはもはやドン引きの域を超えむしろ感嘆の息を漏らしていた。今のアキリは傍から見ればさながら『怒れる魔人』...人の許容量を超えた怒りを持ちながら人としての形を保った歪な存在。少しでも均衡が崩れれば怒りに呑まれ人だったということを忘れてしまいそうな程に危うい存在。本来ならこんな称号は起動すべきではない。それを止めようとルーナが動いた瞬間!
「オイ、お前...私の詠唱の時間を稼げ」
「いきなり無茶ぶり過ぎないかなッ?」
ルーナは反射的に体が動いていた...まるで逆らっていけない何かに命令されたかのように勝手に体が動いていた。
「ゥヴァ!?」
命令され勝手に放ったゴルフクラブの一撃は完全に無防備だった龍の頬に直撃する!本来なら避けられていただろう...しかし、この攻撃はルーナの意思ではない為、敵意も殺意もなかった。だからこそ龍は避ける事が出来なかった!そして、それは致命的な隙となる!...二、三、四!と続けざまに間髪入れずに攻撃を放つ!もちろんこの程度の攻撃では何発入れても倒すことは出来ない...しかし、仰け反らせる事は出来る。そう、ルーナの背後では...
「空は泣き、海は涙を呑む。地は潤い、星は脈動し新たな命を産む。母なる大地よ、この声が聞こえるならば答えてくれ。その熱く滾る血脈を貴方の力を貸してくれ。その情熱に勝るモノなどこの世の何処にもありはしない。この美しい大地に蔓延る病の根源、その一切を灼き尽くす!」
詠唱とは言葉...長ければ長い程、複雑な演算を可能とする。人ではどうにもならない自然現象も人の域を超えた演算能力と読むのもうんざりするようなクソ長い言葉さえあれば不可能ではない。今回は怒りによって演算能力を無理やり引き上げ、一言一句...一切の省略無しの長文言葉によってこの場に限り...アキリは人智を超える演算...星の特権である自然現象の出力に成功する!
「!?...ヤバっいね!」
ルーナは直感で感じた。無意識にその体が回避行動を行ってしまう程の危険信号!
「『星脈岩漿』ッ!」
アキリが叫ぶ!
「ヴァッアア!」
龍が咆哮を上げながら跳び上がる!
――――――ドガンッ!
直後、大地が血飛沫を上げる!それは全てを灼き尽くすべく燃え上がる朱い炎の潮流即ち、岩漿!
「ゥヴァ!」
だがしかし、間欠泉のように湧き出たマグマは龍には当たらず大地へと滴り、触れたモノを焦がしていく。
「最初から当たると思ってねぇよ!本命はッ!」
「こっちだね!」
龍の背後からルーナが跳び出し、ゴルフクラブをフルスイングする!...龍を狙った所で精々、仰け反らせるだけ...だから、もちろん狙いは龍ではない!狙いは...
「鎖だよッ!」
湧き出たマグマに向かって両前足の鎖を打って飛ばす!
「ヴルルッ!」
マグマに触れた鎖はその熱でどんどん溶けだしその形を失っていく!
「ッ!」
突如、アキリは頭を抑え膝を付く。
「限界かい?」
「流石にやりすぎたな」
気づけばまるで何も無かったかのようにマグマが消滅する。しかし、役目は十分果たした。龍の鎖はその三分の二が溶けて鉄塊へと変わり果てていた。
Errorcode:7tvOqzdx4CU_[RAGE%<80]
アキリ@error= [気高き主の正当なる後継者:E] break;
「ッアア!」
アキリは全身に電流が流れたような痺れと痛みを感じ思わず叫ぶ!
「大丈夫かい!?」
「っあ、あぁ...称号が効力を失っただけだ」
「ふふっ、なるほど...条件付きなんだね」
「そうだ」
[気高き主の正当なる後継者]、それはかつて魔人と呼ばれた者の弟子がその座を引き継いだ事で得た称号。本来であればその力と共に座を引き継がなければならないが力を得ずに座を引き継いだが為に一定の条件下で一時的にしかその称号の力を引き出す事が出来ない。また、過ぎた力が故に無理に使えば暴走の危険すらある代物...
「少し冷静になったかい?」
「私はいつも冷静だ」
「よく言うぜェ、クッソこェえ顔してやがった癖によォ」
「起きたのかアホ面」
気が付けば堕鳥が気絶から覚め、ルーナの背中で騒いでいた。
「で、さっきのはなんだったんだァ?」
「そうだな...クソ野郎の置き土産みたいなモンだ」
「?」
「それより...」
ルーナはアキリと堕鳥の話を打ち切り龍を指さす。
「ヴァッルゥァーーーー!」
先程よりもより強く、より低く響く咆哮...
「...第二ラウンドってとこか」
「鎖の間合いは削った...後は気合いで躱して行くしかなさそうだね」
「さっきの溶岩出すやつ、もっかい出来ねェのかァ?」
「そんな連射できるなら最初からやってるわ」
「そもそも、また詠唱の時間稼ぐのは無理だと思うな」
「目を見りゃ分かる。もう、獲物じゃなくて...敵を見る目してやがる」
「こっからは根比べだね」
「アドリブで行くぞ?」
「さっきからずっとアドリブだったと思うけどねっ」
そう言ってルーナはゴルフクラブを、アキリは氷塊を演算し、各々構える。それを見た龍は少しだけ首を振って...勢いよくルーナたちに飛びかかった!
「早いッ!」
先程とは比べものにならないくらい龍の動きが早くなっている!いきなりの行動速度上昇に不意を突かれて二人は動けないでいた!
「まさかまだ...!」
この時、ルーナはとある事実に気づいた!
「あ、そっか鎖溶かしたって事は...そりゃ腕、軽くなるね」
「あ、そっか」
「...えェ!?」
回避も防御も間に合わない!迫る前腕を呆然と眺める二人...だが、このタイミングで一人...いや、一匹だけ、手札を持っているモノが居た!
「クソッ、奥の手だったが仕方ねェ!やってくれマスターッ!」
叫ぶ堕鳥...それに応えるかのように上空から空を切り、とてつもない速度で何かが迫る!
「ゥッ!」
かろうじて反応出来てももう遅い!それは龍に直撃し...
「ウルヴァァアアッ!?」
ドゴンッという破裂音共にその巨体を爆風で押し飛ばす!
「炸裂弾を付けた矢だァ!たっぷりと味わいなァ!」
この戦い...この十五分間。マナはずっと矢を構えたまま、アキリチームとダリアチームを観測していた。そう、ずっと出番を待っていた...いつ読者に忘れ去られるかヒヤヒヤしながらこの時を待っていた!
「ふふっ、助けられたね...」
「死ぬとこだった。ありがとな」
「お、ォう」
感謝され少し照れる堕鳥。それを見てアキリは少し複雑な表情を浮かべる。
「まぁ、ただそいつの背中にくっ付いてなきゃもっとカッコよかったんだけどな」
「お前ェ、一言余計って言われないィ?」
「言われたことないな...だって言った奴はいなくなるから」
そう言って堕鳥の首根っこを掴みルーナの背中から引っぺがす!
「...ッ!」
「冗談だ、ところでお前...一言足りないって言われないか?」
「...言われた事ねェぞォ?」
「そうか...」
小さくそう、呟くとアキリは嗤いながら屠畜場に送られる前の鶏のような顔をした堕鳥を背負って龍に向き直る。そして...
「いいか?よく見てろ、お前に足りないモンを教えてやる!」
力強くそう叫んだ!
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