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第1章 洞窟出現編
30話 別の敵
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魔人の王であるブラックとは会う事は無いだろうと諦めかけていた時に、声をかけられたのである。
振り向くとそこには黒髪の長身の男性が立っていたのだ。
私はあまりに驚いて、言葉が出なかったのだ。
「お嬢さん、怖がらないで。
何もしませんから。
少しだけ話をしてもいいですか?」
「ええ。
私もあなたに聞きたい事があったの。」
私は落ち着きを取り戻し、答えた。
「あなたはこの世界の人間ではないですよね?
昔、異世界から来た知り合いにとても似ているのですよ。」
ブラックは優しく話し始めた。
500年ほど前に異世界から来たハナさんの話を聞かせてくれたのだ。
人間との戦争があってからは会えなくなってしまったが、そうなる前は魔人と交流を持っていた人のようだ。
そして、そのハナさんが生薬やこの世界の鉱石を使い、不思議な薬を作り始めたと知ったのである。
私の世界での500年前といえば、他国から生薬が伝わり、独自の漢方薬ができる少し前と思われるのだ。
そんな時代に生薬を熟知した若い女性という事に驚きなのだ。
「それにしても、異世界からお嬢さんはどうやってきたのですか?」
私は転移の魔法陣の話をしたのだ。
それによってこの世界に来たこと。
そして、ハナさんが作ったと思われる魔法のような薬の調合の書物がうちに代々受け継がれてきた事を付け加えたのだ。
「ほほう。その魔法陣は私とハナで作ろうとしていたものですね。
きっと、作ることに成功して、ハナは自分の世界に戻れたんでしょう。
そうか、よかった。
やっぱり、お嬢さんはハナと関係があったのですね。」
昔、ハナさんが自分の世界に戻れるようにと異世界転移の方法をブラックと模索していたようだ。
異世界に通じる洞窟はその前段階のようなもので、自分の希望する世界ではないが、違う世界に行く事に成功はしたのだという。
そこが今、魔人達が暮らす世界ということなのだ。
もともと移住目的の異世界探しでは無かったが、 色々な世界を垣間見ることは出来たようだ。
一度行った異世界は座標のようなものが刻まれ、また訪れることもできる事がわかったようだ。
わたしと何かしらの関係がある人がこの世界にいた事にびっくりもしたが、少し納得もできたのである。
「あの・・・人間と戦争を起こすつもりですか?」
人間のハナさんと仲良くいられたならば、共存も可能などではと思うのだ。
「私としては共存出来ればと思うけど、まだどうするかは決まってないのだよ。
以前は上手くいかなかったからね。
ハナに酷い思いをさせた者達もいたのだよ。」
ブラックから、ハナさんに無理矢理闇の薬を作らせた人間達がいた事を聞いたのだ。
ブラックはそう言うと、急に厳しい顔つきになり、辺りを見回したのだ。
何かを感じ取ったかのように。
「・・・お嬢さんも気をつけるのだよ。
魔人だからとか、人間だからとかじゃなく、その人物自体をよく見る事だよ。
では、また会える時があるといいね。」
ブラックは洞窟の中に消えていったのである。
私はブラックの最後の言葉が気になった。
確かに、人間だからと言って絶対信用出来るとは限らないのかもしれない。
気をつけなければいけない人物がいなくは無いのだ。
それにしても、ブラックは何を感じ取ったのだろう。
少し嫌な予感がしたのである。
私はカクの家に戻ると帰り支度をする事にした。
魔人の王であるブラックに会って、少し安心したのである。
今後どうなるかはわからないが、人間にひどい事をするような人には見えなかったのだ。
今後はここに住む人たちで考える事なのかもしれないと思ったのだ。
それに、ハナさんの話を聞いた時、自分がここにいる事はあまり良くない事かもしれないと思ったのだ。
500年前と同じで、私を利用しようとする人たちが出てきてもおかしくないと思ったのだ。
私がいる事でみんなに迷惑をかけるのではと、心配になったのだ。
ふと私は違和感を感じたのだ。
そういえば、カクもヨクもお屋敷に戻ってきてなかった。
王室に呼ばれて城に行っているはずであったが、いつもに比べて帰りが遅いのである。
・・・胸騒ぎがしたのだ。
急いで城に向かおうとドアを開けた時である。
そこにはシンブと数人の兵士が立っていたのだ。
私は何もわからないふりをして、聞いてみたのだ。
「あ、こんばんは。
まだカク達は戻ってきてないのですが、何か急な会議が入ったのでしょうか?」
「ああ、そうなのですよ。魔人との対応について話し合いが長引いてて。舞殿も参加して欲しく、迎えに伺ったのですよ。」
朗らかにシンブは答えた。
明らかにおかしいのである。
カクやヨクが迎えに来るならともかく、薬師の取りまとめであるシンブが、私を迎えに来る事は考えられないのである。
とりあえず、何も感じないふりをしてついて行く事にしたのだ。
城には向かっているのだが、もしかすると王室自体がもう拘束されているのかもしれない。
そんな不安が出てきたのだ。
ふと、ブラックが言ったハナさんの話が頭によぎった。
城に着く前に考えなくては。
きっとハナさんはとても優しい人だったのだろう。
人間も魔人も傷つける事をしたくなかったのだろう。
・・・でも、私は違う。
自分の大事な人や仲間を傷つける人には容赦しない。
今は、頭を一生懸命働かせるのだ。
振り向くとそこには黒髪の長身の男性が立っていたのだ。
私はあまりに驚いて、言葉が出なかったのだ。
「お嬢さん、怖がらないで。
何もしませんから。
少しだけ話をしてもいいですか?」
「ええ。
私もあなたに聞きたい事があったの。」
私は落ち着きを取り戻し、答えた。
「あなたはこの世界の人間ではないですよね?
昔、異世界から来た知り合いにとても似ているのですよ。」
ブラックは優しく話し始めた。
500年ほど前に異世界から来たハナさんの話を聞かせてくれたのだ。
人間との戦争があってからは会えなくなってしまったが、そうなる前は魔人と交流を持っていた人のようだ。
そして、そのハナさんが生薬やこの世界の鉱石を使い、不思議な薬を作り始めたと知ったのである。
私の世界での500年前といえば、他国から生薬が伝わり、独自の漢方薬ができる少し前と思われるのだ。
そんな時代に生薬を熟知した若い女性という事に驚きなのだ。
「それにしても、異世界からお嬢さんはどうやってきたのですか?」
私は転移の魔法陣の話をしたのだ。
それによってこの世界に来たこと。
そして、ハナさんが作ったと思われる魔法のような薬の調合の書物がうちに代々受け継がれてきた事を付け加えたのだ。
「ほほう。その魔法陣は私とハナで作ろうとしていたものですね。
きっと、作ることに成功して、ハナは自分の世界に戻れたんでしょう。
そうか、よかった。
やっぱり、お嬢さんはハナと関係があったのですね。」
昔、ハナさんが自分の世界に戻れるようにと異世界転移の方法をブラックと模索していたようだ。
異世界に通じる洞窟はその前段階のようなもので、自分の希望する世界ではないが、違う世界に行く事に成功はしたのだという。
そこが今、魔人達が暮らす世界ということなのだ。
もともと移住目的の異世界探しでは無かったが、 色々な世界を垣間見ることは出来たようだ。
一度行った異世界は座標のようなものが刻まれ、また訪れることもできる事がわかったようだ。
わたしと何かしらの関係がある人がこの世界にいた事にびっくりもしたが、少し納得もできたのである。
「あの・・・人間と戦争を起こすつもりですか?」
人間のハナさんと仲良くいられたならば、共存も可能などではと思うのだ。
「私としては共存出来ればと思うけど、まだどうするかは決まってないのだよ。
以前は上手くいかなかったからね。
ハナに酷い思いをさせた者達もいたのだよ。」
ブラックから、ハナさんに無理矢理闇の薬を作らせた人間達がいた事を聞いたのだ。
ブラックはそう言うと、急に厳しい顔つきになり、辺りを見回したのだ。
何かを感じ取ったかのように。
「・・・お嬢さんも気をつけるのだよ。
魔人だからとか、人間だからとかじゃなく、その人物自体をよく見る事だよ。
では、また会える時があるといいね。」
ブラックは洞窟の中に消えていったのである。
私はブラックの最後の言葉が気になった。
確かに、人間だからと言って絶対信用出来るとは限らないのかもしれない。
気をつけなければいけない人物がいなくは無いのだ。
それにしても、ブラックは何を感じ取ったのだろう。
少し嫌な予感がしたのである。
私はカクの家に戻ると帰り支度をする事にした。
魔人の王であるブラックに会って、少し安心したのである。
今後どうなるかはわからないが、人間にひどい事をするような人には見えなかったのだ。
今後はここに住む人たちで考える事なのかもしれないと思ったのだ。
それに、ハナさんの話を聞いた時、自分がここにいる事はあまり良くない事かもしれないと思ったのだ。
500年前と同じで、私を利用しようとする人たちが出てきてもおかしくないと思ったのだ。
私がいる事でみんなに迷惑をかけるのではと、心配になったのだ。
ふと私は違和感を感じたのだ。
そういえば、カクもヨクもお屋敷に戻ってきてなかった。
王室に呼ばれて城に行っているはずであったが、いつもに比べて帰りが遅いのである。
・・・胸騒ぎがしたのだ。
急いで城に向かおうとドアを開けた時である。
そこにはシンブと数人の兵士が立っていたのだ。
私は何もわからないふりをして、聞いてみたのだ。
「あ、こんばんは。
まだカク達は戻ってきてないのですが、何か急な会議が入ったのでしょうか?」
「ああ、そうなのですよ。魔人との対応について話し合いが長引いてて。舞殿も参加して欲しく、迎えに伺ったのですよ。」
朗らかにシンブは答えた。
明らかにおかしいのである。
カクやヨクが迎えに来るならともかく、薬師の取りまとめであるシンブが、私を迎えに来る事は考えられないのである。
とりあえず、何も感じないふりをしてついて行く事にしたのだ。
城には向かっているのだが、もしかすると王室自体がもう拘束されているのかもしれない。
そんな不安が出てきたのだ。
ふと、ブラックが言ったハナさんの話が頭によぎった。
城に着く前に考えなくては。
きっとハナさんはとても優しい人だったのだろう。
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