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第1章 洞窟出現編
51話 帰還
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私は朝早くに目が覚めてしまった。
今日、私は自分の世界に転移する事に決めたのだ。
この世界に初めて来た時に着いた、薬草庫から行く事にした。
あの魔法陣のような布があればどこからでも問題はないのだが、同じところから戻る事にしたのだ。
まだ2ヶ月もたっていないのに、この世界に来たのはもう何ヶ月も前のことに感じるのだ。
この世界にスマホもバッテリーも持ってきていたのに全く使わなかったのが残念であった。
写真を最後にと思った時には全てのバッテリーも充電が無くなっていたのだ。
早めに撮れば良かったと大きな後悔の一つだったのだ。
持ってきた、カップ麺やガーゼ、絆創膏、マスクなどは、カクが興味津々だったので、全て置いていく事にしたのだ。
私は薄水色の白衣に着替え、赤いスーツケースを手にして、部屋から出てきた。
カクとヨクが待っていてくれて、お屋敷の隣にある薬草庫に一緒に向かった。
薬草庫は初めて来た時と同じ、生薬のような匂いで充満していたのだ。
私の大好きな匂いなのだ。
胸いっぱいその匂いを吸い込んで、ゆっくりと呼吸してみた。
「舞、こまめに手紙を送るからちゃんと扉をあけて見るんだよ。」
カクは泣きそうな顔で私の手を取った。
ちゃんとすればイケメンなのに、なんだか最後まで頼りない。
でも、とても優しくて私の事をいつでも気にかけてくれた人なのだ。
ハナさんの時からお世話になっているケイシ家とは、本当に面倒見がいい一族なのだろう。
「もちろん、私も手紙を書くわ。カクも扉を確認してね。」
私は満面の笑みで応えた。
「舞にまた会える時まで元気でいなくてはな。」
ヨクが笑いながら話した。
確かに、歳は聞かなかったが、おじいちゃんと同じくらいと考えるとそう言うのも無理は無いのだ。
この世界で生活する上で、ヨクの存在は私を安心させたてくれたのだ。
本当にずっと元気でいてほしいと思った。
最後にブラックに会わなかったことが、少し心残りではあったのだが、自分でそう決めた事なのだ。
「じゃあ、2人とも元気でね。
また、そのうち戻ってくるから、待っててね。」
そう言って魔法陣の中心に立ち、光の鉱石を取り出す為に、ポケットから袋を取り出した。
初めて見た時と同じ小さな袋に入っているのだ。
その時である。
薬草庫の外でガタンと言う音がしたのだ。
カクが扉を開けるとそこにはブラックが立っていたのだ。
「帰る前に挨拶に来ると言っていたじゃないですか?
どうして内緒で帰るのですか?」
なんでブラックがここにいるかわからなかったが、カクの顔を見ると、どうやらカクが伝えた事が明らかだったのだ。
「ああ、ごめんなさい。
急に帰ることを決めたから、挨拶に行く時間がなくて。
後で連絡だけしてもらおうと思っていたの。」
私はそんな嘘をついたので、ブラックに見透かされないように、顔を背けて話したのだ。
「・・・そうですか。
実は渡したいものがあったのです。」
ブラックは私の手を取って、手のひらに冷たくて、硬いものを置いたのだ。
「お守りです。
あなたが幸せになれるような魔法をかけました。
受け取ってください。」
手の中のものを見ると、とても綺麗な石がついたペンダントだったのだ。
その石はどこかで見た事があるような気がした。
濃い藍色にも見えるが光にかざすと透き通るようにも見える不思議な宝石のようなものだった。
「これ、森の・・・。」
つい話してしまいそうになったが、あの森のことは内緒であった。
そう、あの森で見たユニコーンのような魔獣の額についていた石と同じなのだ。
ブラックのお気に入りと言っていた・・・。
私は少し切なくなって目が熱くなったが、一生懸命笑顔で話したのだ。
「ありがとうございます。
大事にしますね。」
私はそう言うと、光の鉱石の粉末を頭上に投げたのだ。
周辺に光の粉末が舞い散ったかと思うと、魔法陣の中心に引き寄せられ、私自身を包み込み、もう周りは見えない状態になったのだ。
そして、その光の霧が消えると懐かしい自分の部屋が現れたのだ。
私は急にポロポロと涙が止まらなくなったのだ。
戻って来れた安堵感と、しばらくは会うことが出来ない友人達との別れの切なさが入り混じった、複雑な気持ちだったのだ。
手にはブラックからもらったペンダントが光っていて、今までのことは夢ではない事を伝えているかのようだった。
私は気持ちが落ち着くと、白衣を着替えて1階の薬局の方をそーっと覗いてみたのだ。
そこはいつもと同じ匂いの空間で、父が漢方薬の在庫のチェックをしていた。
私は隣の調剤薬局から繋がる通路から来たかのように、帰ってきた事を告げたのである。
「ただいま。遅くなってごめんねー」
私は父に何を言われるかドキドキしながら声をかけたのだ。
1ヶ月くらいで帰ると言っておきながら、2ヶ月近く音信不通だったわけなのだ。
「ああ、帰って来たな。
どうだった?
旅行は。」
案外、普通の対応で少し拍子抜けしたのだ。
「うん、良かったよー。
疲れたから部屋にいくねー。」
そう言って、また2階に上がったのだ。
まあ、父にそんなに心配されてなかったのは意外だったが結果オーライという事で。
私はベッドに転がりながら、部屋にあるテレビをつけたのである。
見ている途中で、少し違和感を感じたのだ。
そして、今日の日付を見て驚いたのだ。
ベッドの横のデジタルの目覚まし時計に表示されている日付は、何故かこの世界を出発してから2週間しかたっていないのだ。
私は勢いよくベッドから起きて、テレビの番組表を表示したのである。
やっぱり2週間しかたっていない。
だから、父は何も言わなかったのだ。
転移した異世界とこちらの時間の流れが違うのか、もしかしたらこのブラックにもらったペンダントの関係か、何もわからなかったのだ。
今日、私は自分の世界に転移する事に決めたのだ。
この世界に初めて来た時に着いた、薬草庫から行く事にした。
あの魔法陣のような布があればどこからでも問題はないのだが、同じところから戻る事にしたのだ。
まだ2ヶ月もたっていないのに、この世界に来たのはもう何ヶ月も前のことに感じるのだ。
この世界にスマホもバッテリーも持ってきていたのに全く使わなかったのが残念であった。
写真を最後にと思った時には全てのバッテリーも充電が無くなっていたのだ。
早めに撮れば良かったと大きな後悔の一つだったのだ。
持ってきた、カップ麺やガーゼ、絆創膏、マスクなどは、カクが興味津々だったので、全て置いていく事にしたのだ。
私は薄水色の白衣に着替え、赤いスーツケースを手にして、部屋から出てきた。
カクとヨクが待っていてくれて、お屋敷の隣にある薬草庫に一緒に向かった。
薬草庫は初めて来た時と同じ、生薬のような匂いで充満していたのだ。
私の大好きな匂いなのだ。
胸いっぱいその匂いを吸い込んで、ゆっくりと呼吸してみた。
「舞、こまめに手紙を送るからちゃんと扉をあけて見るんだよ。」
カクは泣きそうな顔で私の手を取った。
ちゃんとすればイケメンなのに、なんだか最後まで頼りない。
でも、とても優しくて私の事をいつでも気にかけてくれた人なのだ。
ハナさんの時からお世話になっているケイシ家とは、本当に面倒見がいい一族なのだろう。
「もちろん、私も手紙を書くわ。カクも扉を確認してね。」
私は満面の笑みで応えた。
「舞にまた会える時まで元気でいなくてはな。」
ヨクが笑いながら話した。
確かに、歳は聞かなかったが、おじいちゃんと同じくらいと考えるとそう言うのも無理は無いのだ。
この世界で生活する上で、ヨクの存在は私を安心させたてくれたのだ。
本当にずっと元気でいてほしいと思った。
最後にブラックに会わなかったことが、少し心残りではあったのだが、自分でそう決めた事なのだ。
「じゃあ、2人とも元気でね。
また、そのうち戻ってくるから、待っててね。」
そう言って魔法陣の中心に立ち、光の鉱石を取り出す為に、ポケットから袋を取り出した。
初めて見た時と同じ小さな袋に入っているのだ。
その時である。
薬草庫の外でガタンと言う音がしたのだ。
カクが扉を開けるとそこにはブラックが立っていたのだ。
「帰る前に挨拶に来ると言っていたじゃないですか?
どうして内緒で帰るのですか?」
なんでブラックがここにいるかわからなかったが、カクの顔を見ると、どうやらカクが伝えた事が明らかだったのだ。
「ああ、ごめんなさい。
急に帰ることを決めたから、挨拶に行く時間がなくて。
後で連絡だけしてもらおうと思っていたの。」
私はそんな嘘をついたので、ブラックに見透かされないように、顔を背けて話したのだ。
「・・・そうですか。
実は渡したいものがあったのです。」
ブラックは私の手を取って、手のひらに冷たくて、硬いものを置いたのだ。
「お守りです。
あなたが幸せになれるような魔法をかけました。
受け取ってください。」
手の中のものを見ると、とても綺麗な石がついたペンダントだったのだ。
その石はどこかで見た事があるような気がした。
濃い藍色にも見えるが光にかざすと透き通るようにも見える不思議な宝石のようなものだった。
「これ、森の・・・。」
つい話してしまいそうになったが、あの森のことは内緒であった。
そう、あの森で見たユニコーンのような魔獣の額についていた石と同じなのだ。
ブラックのお気に入りと言っていた・・・。
私は少し切なくなって目が熱くなったが、一生懸命笑顔で話したのだ。
「ありがとうございます。
大事にしますね。」
私はそう言うと、光の鉱石の粉末を頭上に投げたのだ。
周辺に光の粉末が舞い散ったかと思うと、魔法陣の中心に引き寄せられ、私自身を包み込み、もう周りは見えない状態になったのだ。
そして、その光の霧が消えると懐かしい自分の部屋が現れたのだ。
私は急にポロポロと涙が止まらなくなったのだ。
戻って来れた安堵感と、しばらくは会うことが出来ない友人達との別れの切なさが入り混じった、複雑な気持ちだったのだ。
手にはブラックからもらったペンダントが光っていて、今までのことは夢ではない事を伝えているかのようだった。
私は気持ちが落ち着くと、白衣を着替えて1階の薬局の方をそーっと覗いてみたのだ。
そこはいつもと同じ匂いの空間で、父が漢方薬の在庫のチェックをしていた。
私は隣の調剤薬局から繋がる通路から来たかのように、帰ってきた事を告げたのである。
「ただいま。遅くなってごめんねー」
私は父に何を言われるかドキドキしながら声をかけたのだ。
1ヶ月くらいで帰ると言っておきながら、2ヶ月近く音信不通だったわけなのだ。
「ああ、帰って来たな。
どうだった?
旅行は。」
案外、普通の対応で少し拍子抜けしたのだ。
「うん、良かったよー。
疲れたから部屋にいくねー。」
そう言って、また2階に上がったのだ。
まあ、父にそんなに心配されてなかったのは意外だったが結果オーライという事で。
私はベッドに転がりながら、部屋にあるテレビをつけたのである。
見ている途中で、少し違和感を感じたのだ。
そして、今日の日付を見て驚いたのだ。
ベッドの横のデジタルの目覚まし時計に表示されている日付は、何故かこの世界を出発してから2週間しかたっていないのだ。
私は勢いよくベッドから起きて、テレビの番組表を表示したのである。
やっぱり2週間しかたっていない。
だから、父は何も言わなかったのだ。
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