87 / 181
第3章 翼国編
87話 潜入
しおりを挟む
ユークレイスとトルマはブロムの手引きで軍に潜り込むことが出来た。
国境に配置されていた部隊から城の衛兵に移動して来たという設定なのだ。
そのため、城の中のことは全く分からなくても、不思議ではなかったのだ。
もちろん、上官にはユークレイスが都合の良い記憶を送ったこともあり、難なく入り込めたのだ。
衛兵であれば、アルゴンの近くに行くこともあるので一番良いのではと、ブロムの勧めであった。
ユークレイスがいるので、疑われそうになったら上手く記憶を書き換えてくれるので、全く問題は無かった。
アルゴンに直接ユークレイスの魔法を使い、考えを覗く事は出来るのだが、アルゴンの力がハッキリとは分からないため、二人の魔人がこの国に入り込んでいる事は、まだ隠しておく事にしたのだ。
リオの病についても回復はしているが、まだ原因というものがわかってないのも理由の一つなのだ。
それに王子達は、父である王が操られていると言うが、王自らがこの状況を本当に希望している事であるなら、魔人達が口を挟む事ではないのだ。
これはブラックの考えであった。
それを見極めるためにも、二人はしばらく黒翼人の兵士を演じる事としたのだ。
兵士の訓練においては、前もってブロムから一度説明を受けていた事もあり、彼らにとっては簡単であったのだ。
トルマは楽しんでやっていたので、やり過ぎな面もあり、ユークレイスに注意されていたのだ。
特別視されても困るので、魔人にとっては逆に力を制御する方が大変だったようだ。
そしてユークレイスの力もあるが、同僚ともすぐに打ち解ける事ができ、数日もすると二人は黒翼人の立派な衛兵になっていたのだ。
そしてある朝、アルゴンとブロムの父である王が城の兵士達を全員召集したのだ。
そこで、白翼人へ数日後に行う先制攻撃が公表されたのだ。
ブロム達三兄弟もその場で聞かされたようで、驚きを隠せなかった。
そして、かつて白翼人が仕掛けたように、今度は我々がやる番であると王様は力を込めて演説したのだ。
その後アルゴンが兵士達の指揮を高めるために話し出したのだ。
二人の魔人達が思った通り、その言葉と一緒に思考誘導の魔法が使われていたのだ。
アルゴンの言葉を聞くと兵士たちは口々に歓声をあげ、打倒白翼人を掲げたのだ。
それは魔人の二人にとっては、とても異様な光景であった。
それにしても、せっかく停戦状態である国にわざわざ戦いをまた挑むとは、どんな理由があるのだろう。
今まで軍に力を入れてきた事で、民間人は飢えに苦しんでいるとブロムは訴えていたのだ。
白翼人との間にはどんな確執があるのだろうか。
ユークレイスとトルマは戦争に向かって行くこの国が不思議でならなかった。
その後ブロム達三兄弟は、父である王に攻撃の計画を取りやめるように懇願したが、聞き入れてはくれなかったのだ。
そして、黒翼人の兵士達は先制攻撃に向けて準備を進めることになったのだ。
ユークレイス達兵士は武器庫から大量の武器を出して手入れを始めたのだ。
その中には魔法道具と思われる武器も沢山あり、トルマの興味をそそるものばかりだった。
自分の国でも使えるものが無いか、目を輝かせていたのだ。
後日人間のシウンに報告しようと、しっかりと目に焼き付けていたのだ。
夜になるとユークレイスとトルマはこの世界から自分の世界につながるトンネルを抜けるのが日課だった。
湖のそばの岩場に出れば、どこにでも連絡が取れる状態になるのだ。
そしてブラックに思念を飛ばし、その日にあった事を報告し今後の指示を仰いでいたのだ。
○
○
○
アルゴンは自分の執務室に入り、一息ついていた。
当初の計画より早めることになったが仕方がない。
あの三兄弟に邪魔される前に私の計画を進めることにしたのだ。
結局、先日の人間の娘もいつの間にか、元の世界に帰したと王子達から言われたのだ。
魔人が迎えに来たのでは無いかという事が、うやむやになったのだ。
それに、あの階層の重体だった兵士に、後日誰にやられたかを聞いたところ、記憶が全く無いと言うのだ。
城の中で嵐のような騒ぎがあった事も、何が原因で起きたか、誰も分からないと言うのだ。
腑に落ちない事が多かったが、私の計画を中止する事は出来ないのだ。
そして私は白翼人の内通者に話をしたのだ。
先制攻撃を仕掛ける事を、敵である白翼人へわざと漏らすようにと。
こちらの兵力、武器や弱点など様々な情報を流すことにしたのだ。
これで、白翼人に一丸となって先制攻撃を仕掛けたつもりが、返り討ちにされるわけなのだ。
全ての情報を知られている事で、黒翼人達は手足も出ない状況になるはずなのだ。
そして、彼らの顔は絶望に変わるのだ。
私はその気持ちをより深い絶望感を味わえるように思考誘導してあげようと思うのだ。
以前、カレンにかけられたスパイ容疑と同じに、今度は私が本当のスパイになってやるのだ。
国境に配置されていた部隊から城の衛兵に移動して来たという設定なのだ。
そのため、城の中のことは全く分からなくても、不思議ではなかったのだ。
もちろん、上官にはユークレイスが都合の良い記憶を送ったこともあり、難なく入り込めたのだ。
衛兵であれば、アルゴンの近くに行くこともあるので一番良いのではと、ブロムの勧めであった。
ユークレイスがいるので、疑われそうになったら上手く記憶を書き換えてくれるので、全く問題は無かった。
アルゴンに直接ユークレイスの魔法を使い、考えを覗く事は出来るのだが、アルゴンの力がハッキリとは分からないため、二人の魔人がこの国に入り込んでいる事は、まだ隠しておく事にしたのだ。
リオの病についても回復はしているが、まだ原因というものがわかってないのも理由の一つなのだ。
それに王子達は、父である王が操られていると言うが、王自らがこの状況を本当に希望している事であるなら、魔人達が口を挟む事ではないのだ。
これはブラックの考えであった。
それを見極めるためにも、二人はしばらく黒翼人の兵士を演じる事としたのだ。
兵士の訓練においては、前もってブロムから一度説明を受けていた事もあり、彼らにとっては簡単であったのだ。
トルマは楽しんでやっていたので、やり過ぎな面もあり、ユークレイスに注意されていたのだ。
特別視されても困るので、魔人にとっては逆に力を制御する方が大変だったようだ。
そしてユークレイスの力もあるが、同僚ともすぐに打ち解ける事ができ、数日もすると二人は黒翼人の立派な衛兵になっていたのだ。
そしてある朝、アルゴンとブロムの父である王が城の兵士達を全員召集したのだ。
そこで、白翼人へ数日後に行う先制攻撃が公表されたのだ。
ブロム達三兄弟もその場で聞かされたようで、驚きを隠せなかった。
そして、かつて白翼人が仕掛けたように、今度は我々がやる番であると王様は力を込めて演説したのだ。
その後アルゴンが兵士達の指揮を高めるために話し出したのだ。
二人の魔人達が思った通り、その言葉と一緒に思考誘導の魔法が使われていたのだ。
アルゴンの言葉を聞くと兵士たちは口々に歓声をあげ、打倒白翼人を掲げたのだ。
それは魔人の二人にとっては、とても異様な光景であった。
それにしても、せっかく停戦状態である国にわざわざ戦いをまた挑むとは、どんな理由があるのだろう。
今まで軍に力を入れてきた事で、民間人は飢えに苦しんでいるとブロムは訴えていたのだ。
白翼人との間にはどんな確執があるのだろうか。
ユークレイスとトルマは戦争に向かって行くこの国が不思議でならなかった。
その後ブロム達三兄弟は、父である王に攻撃の計画を取りやめるように懇願したが、聞き入れてはくれなかったのだ。
そして、黒翼人の兵士達は先制攻撃に向けて準備を進めることになったのだ。
ユークレイス達兵士は武器庫から大量の武器を出して手入れを始めたのだ。
その中には魔法道具と思われる武器も沢山あり、トルマの興味をそそるものばかりだった。
自分の国でも使えるものが無いか、目を輝かせていたのだ。
後日人間のシウンに報告しようと、しっかりと目に焼き付けていたのだ。
夜になるとユークレイスとトルマはこの世界から自分の世界につながるトンネルを抜けるのが日課だった。
湖のそばの岩場に出れば、どこにでも連絡が取れる状態になるのだ。
そしてブラックに思念を飛ばし、その日にあった事を報告し今後の指示を仰いでいたのだ。
○
○
○
アルゴンは自分の執務室に入り、一息ついていた。
当初の計画より早めることになったが仕方がない。
あの三兄弟に邪魔される前に私の計画を進めることにしたのだ。
結局、先日の人間の娘もいつの間にか、元の世界に帰したと王子達から言われたのだ。
魔人が迎えに来たのでは無いかという事が、うやむやになったのだ。
それに、あの階層の重体だった兵士に、後日誰にやられたかを聞いたところ、記憶が全く無いと言うのだ。
城の中で嵐のような騒ぎがあった事も、何が原因で起きたか、誰も分からないと言うのだ。
腑に落ちない事が多かったが、私の計画を中止する事は出来ないのだ。
そして私は白翼人の内通者に話をしたのだ。
先制攻撃を仕掛ける事を、敵である白翼人へわざと漏らすようにと。
こちらの兵力、武器や弱点など様々な情報を流すことにしたのだ。
これで、白翼人に一丸となって先制攻撃を仕掛けたつもりが、返り討ちにされるわけなのだ。
全ての情報を知られている事で、黒翼人達は手足も出ない状況になるはずなのだ。
そして、彼らの顔は絶望に変わるのだ。
私はその気持ちをより深い絶望感を味わえるように思考誘導してあげようと思うのだ。
以前、カレンにかけられたスパイ容疑と同じに、今度は私が本当のスパイになってやるのだ。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる