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第3章 翼国編
89話 植物毒
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私はカクに手伝ってもらい、色々な準備をすることにした。
その合間に、ヨクにこの世界で有毒な植物があるか聞いてみた。
黒翼人の世界のリオさんの病について色々考えたのだ。
毒物を定期的に摂取させられたと仮定すると、そのような害をもたらす植物があるか知りたかったのだ。
ヨクの話だと葉や花粉、根などに毒を有する植物は存在するようだ。
皮膚からも吸収されるとの事で、触っているだけで身体に取り込まれたり、花粉を知らずに吸い込むことで害があるようだ。
ただ、口からの摂取と違って持続的な吸入や接触が無ければ、大きな問題にはならないらしい。
舞の世界でも同じような植物は存在し、よく殺人事件のドラマや小説に使われる物がある。
きっと黒翼人の国に存在してもおかしくはないのだろう。
まあ、そう言うものが使われたのか、まだはっきりとはしないのだが。
ただ、食事に混入したならば、食べるたびに具合が悪くなるはずで、気付きそうなものなのだ。
初めは絶対に食べ物への混入と思っていたのだが、私は勘違いをしていたのかもしれない。
もしも、触れたり匂いを嗅いで身体に入る毒があるとしたら、気づかないうちに身体が弱ってくるのかもしれないのだ。
リオさんの部屋に何か怪しいものがなかったか思い出してみたが、全く覚えがなく、やっぱり行くしかないと思った。
それにブラックから、私を軟禁したアルゴンという老人が実は魔人の可能性が高いと聞いたのだ。
そうなると、私たちが行った地下の部屋にあった絵は、アルゴンによって描かれたと思われるのだ。
アクアの言った通り、魔人が黒翼人の世界にあの絵を持ち込んだと言うことなのだろう。
あの綺麗な女性と絶望的な絵・・・。
アルゴンがこちらの世界にいる理由があるのかもしれない。
私はカクに手伝ってもらい、何種類かの薬を作った。
光の鉱石は貴重ではあったが、ヨクが私が帰るのに使う分以外は全て使って良いと言うので、精神に働かせる薬や完全回復出来る薬もいくつか作ったのだ。
それ以外に怪我や痛みに効くもの、化膿や傷に効くもの、今まで作ったことがあるものを色々準備したのだ。
もちろん、これらの薬が使われずに帰って来れるのが一番であるのだが、ブラックにも言われていたが、万全の準備をする事にしたのだ。
それから数日後にブラックから連絡があり、私は準備を整えて魔人の国に行くことにした。
ブラックの話では、黒翼人の国が隣の国に今にも戦争を仕掛ける状況となっており、以前より危険な状態かもしれないというのだ。
カクはとても心配して、魔人の国への洞窟まで一緒に来てくれた。
「舞、本当に気をつけるんだよ。」
「大丈夫よ。
私が運がいいのは知ってるでしょう?」
カクは苦笑いをして私にある物を渡したのだ。
「戦いに巻き込まれたら大変だから、これを持って行って。
風の鉱石を使って作られているんだよ。
きっと舞を守ってくれるから。」
そう言って、私にフード付きのマントを渡したのだ。
風の鉱石で作られた盾は見たことがあるが、それに近い働きをしてくれると言うのだ。
「カク、ありがとう。
すぐに戻るから、ヨクと待っててね。」
私はそう言うと、魔人の国に繋がる洞窟に進んだのだ。
そしてブラックのところに行く前に、森の精霊に会って聞きたいことがあった。
前回と同じように森の入り口まで歩いて行った。
何度も通った森の小道を走り抜け、大木の前に急いだ。
すると、木のトンネルが作られ、それを抜けると精霊が待っていてくれたのだ。
「舞、無事でよかった。
ちゃんと帰れたんだね。」
「ええ。
色々ありがとう。
あなたからもらった種があったから、本当に助かったのよ。
・・・でも、また行ってくるわ。
もちろん、ブラックと一緒だから。」
精霊は心配そうに話した。
「また危険な目に遭わなければいいですが。」
私は精霊に、この世界には人間などにとって毒となる植物があるか聞いてみたのだ。
すると、この森には存在しないが、草原の方にはあると言うのだ。
もちろん、それは魔人や魔獣には問題になるものでは無かった。
精霊はこの中にある生薬の畑を見て欲しいと言うのだ。
ここは、私やハナさんがこの森に使った薬の生薬を、精霊が育てている場所なのだ。
よく見ると写真でしか見たことが無かったが、明らかに舞の世界では猛毒の植物が育っていたのだ。
「これ、見たことあるわ。
この植物は加工しなければ、薬として使えないもののはず。
そのままであれば、全てが毒のはずよね。」
「その通りです。
これは草原にある植物と似ているのですが、ここにあるものは全く毒はありません。
私の中で育てるときに無くしてありますので、心配ありませんよ。
だから、ここ以外にこれに似た花を見かけたら、近寄らないようにしてくださいね。
舞にとっては危険ですからね。」
精霊はそんなことも出来るのかと感心していると、また私に種を3粒くれたのだ。
「お守りですよ。何かあったら呼んでください。」
「ありがとう。助かるわ。」
私はそう言い精霊に別れを告げて、木のトンネルをくぐり抜けた。
そして精霊の大木のところに出ると、見慣れた顔がそこにはあったのだ。
「精霊との話は終わりましたか?
迎えに来ましたよ。」
そこにはブラックとスピネル、アクアの三人が待っていた。
ブラックはいつものように紳士的で、優しく微笑んでいたのだ。
「ええ、行きましょうか。」
私達はあの湖の岩場から、黒翼人の世界へと再度向かったのだ。
その合間に、ヨクにこの世界で有毒な植物があるか聞いてみた。
黒翼人の世界のリオさんの病について色々考えたのだ。
毒物を定期的に摂取させられたと仮定すると、そのような害をもたらす植物があるか知りたかったのだ。
ヨクの話だと葉や花粉、根などに毒を有する植物は存在するようだ。
皮膚からも吸収されるとの事で、触っているだけで身体に取り込まれたり、花粉を知らずに吸い込むことで害があるようだ。
ただ、口からの摂取と違って持続的な吸入や接触が無ければ、大きな問題にはならないらしい。
舞の世界でも同じような植物は存在し、よく殺人事件のドラマや小説に使われる物がある。
きっと黒翼人の国に存在してもおかしくはないのだろう。
まあ、そう言うものが使われたのか、まだはっきりとはしないのだが。
ただ、食事に混入したならば、食べるたびに具合が悪くなるはずで、気付きそうなものなのだ。
初めは絶対に食べ物への混入と思っていたのだが、私は勘違いをしていたのかもしれない。
もしも、触れたり匂いを嗅いで身体に入る毒があるとしたら、気づかないうちに身体が弱ってくるのかもしれないのだ。
リオさんの部屋に何か怪しいものがなかったか思い出してみたが、全く覚えがなく、やっぱり行くしかないと思った。
それにブラックから、私を軟禁したアルゴンという老人が実は魔人の可能性が高いと聞いたのだ。
そうなると、私たちが行った地下の部屋にあった絵は、アルゴンによって描かれたと思われるのだ。
アクアの言った通り、魔人が黒翼人の世界にあの絵を持ち込んだと言うことなのだろう。
あの綺麗な女性と絶望的な絵・・・。
アルゴンがこちらの世界にいる理由があるのかもしれない。
私はカクに手伝ってもらい、何種類かの薬を作った。
光の鉱石は貴重ではあったが、ヨクが私が帰るのに使う分以外は全て使って良いと言うので、精神に働かせる薬や完全回復出来る薬もいくつか作ったのだ。
それ以外に怪我や痛みに効くもの、化膿や傷に効くもの、今まで作ったことがあるものを色々準備したのだ。
もちろん、これらの薬が使われずに帰って来れるのが一番であるのだが、ブラックにも言われていたが、万全の準備をする事にしたのだ。
それから数日後にブラックから連絡があり、私は準備を整えて魔人の国に行くことにした。
ブラックの話では、黒翼人の国が隣の国に今にも戦争を仕掛ける状況となっており、以前より危険な状態かもしれないというのだ。
カクはとても心配して、魔人の国への洞窟まで一緒に来てくれた。
「舞、本当に気をつけるんだよ。」
「大丈夫よ。
私が運がいいのは知ってるでしょう?」
カクは苦笑いをして私にある物を渡したのだ。
「戦いに巻き込まれたら大変だから、これを持って行って。
風の鉱石を使って作られているんだよ。
きっと舞を守ってくれるから。」
そう言って、私にフード付きのマントを渡したのだ。
風の鉱石で作られた盾は見たことがあるが、それに近い働きをしてくれると言うのだ。
「カク、ありがとう。
すぐに戻るから、ヨクと待っててね。」
私はそう言うと、魔人の国に繋がる洞窟に進んだのだ。
そしてブラックのところに行く前に、森の精霊に会って聞きたいことがあった。
前回と同じように森の入り口まで歩いて行った。
何度も通った森の小道を走り抜け、大木の前に急いだ。
すると、木のトンネルが作られ、それを抜けると精霊が待っていてくれたのだ。
「舞、無事でよかった。
ちゃんと帰れたんだね。」
「ええ。
色々ありがとう。
あなたからもらった種があったから、本当に助かったのよ。
・・・でも、また行ってくるわ。
もちろん、ブラックと一緒だから。」
精霊は心配そうに話した。
「また危険な目に遭わなければいいですが。」
私は精霊に、この世界には人間などにとって毒となる植物があるか聞いてみたのだ。
すると、この森には存在しないが、草原の方にはあると言うのだ。
もちろん、それは魔人や魔獣には問題になるものでは無かった。
精霊はこの中にある生薬の畑を見て欲しいと言うのだ。
ここは、私やハナさんがこの森に使った薬の生薬を、精霊が育てている場所なのだ。
よく見ると写真でしか見たことが無かったが、明らかに舞の世界では猛毒の植物が育っていたのだ。
「これ、見たことあるわ。
この植物は加工しなければ、薬として使えないもののはず。
そのままであれば、全てが毒のはずよね。」
「その通りです。
これは草原にある植物と似ているのですが、ここにあるものは全く毒はありません。
私の中で育てるときに無くしてありますので、心配ありませんよ。
だから、ここ以外にこれに似た花を見かけたら、近寄らないようにしてくださいね。
舞にとっては危険ですからね。」
精霊はそんなことも出来るのかと感心していると、また私に種を3粒くれたのだ。
「お守りですよ。何かあったら呼んでください。」
「ありがとう。助かるわ。」
私はそう言い精霊に別れを告げて、木のトンネルをくぐり抜けた。
そして精霊の大木のところに出ると、見慣れた顔がそこにはあったのだ。
「精霊との話は終わりましたか?
迎えに来ましたよ。」
そこにはブラックとスピネル、アクアの三人が待っていた。
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