99 / 181
第3章 翼国編
99話 青紫色の花
しおりを挟む
私が精霊を呼ぶと手に乗せた種が光り、小さな精霊が現れたのだ。
いつものように辺りをキョロキョロ見て話し出したのだ。
「舞、まだ帰ってきてないのですね。
ブラックも一緒ならいいですが。」
「ええ、一緒よ。
あの・・・あと一つだけお願いしたい事があるの。」
「今度は何ですか?」
そう言って、苦笑いをしたのだ。
精霊に自分の思う事を話すと、快く了解してくれたのだ。
私は先程ブロムに、後でリオさんのお見舞いに行く事を告げた。
アルゴンの件が落ち着いた事もあり、一度魔人の国に帰る事にするので、その前に会いに行ってくると話したのだ。
三兄弟とは後でリオさんの部屋で落ち合うことにしたのだ。
リオさんの部屋をノックして入ると、ベッドには横になってはいたものの元気そうな顔があったのだ。
「舞さん、もう行ってしまうのですね。
色々ありがとうございました。」
「元気そうで良かった。
また落ち着いたら、遊びにきますね。
それで、私からプレゼントがあるので受け取ってください。」
私は前もって精霊にお願いした通り、リオさんの部屋を綺麗な花で飾る事にしたのだ。
すでに私のポケットに入っていた精霊は私の手のひらに乗るとあっという間に緑色の蔓や草木を出現させ、色とりどりの花が部屋中に咲き乱れたのだ。
先程までは普通の部屋であったのが、ベッドがある私達のいる所以外は、まるで森の中にいるように草木や花で満たされたのだ。
「すごい、とても綺麗。
まるで森の中にいるみたい。」
リオさんはとても喜んではしゃいだのだ。
ここしばらくはベッドの上でしか過ごせず、外に出る事が出来なかったのだ。
よく見ると、精霊の大木のある広場と同じ雰囲気であった。
私も初めて見た時はとても素敵だと思ったのだ。
その時ドアをノックしてブロム達三人が入ってきたのだ。
「これはすごい。
まるで森の中にいるようですね。」
ブロムは笑いながら辺りを見回したのだ。
「リオ、良かったね。
ずっと部屋から出れなかったからね。
舞さん、本当にありがとう。
リオも外に出かけた気分になれたね。」
「いえ、私は森の精霊にお願いしただけですから。
すごいのは精霊ですよ。」
私の手のひらに乗っていた精霊は得意げな顔をしたのだ。
「では、皆さんが来たところで最後の仕上げをしましょう。」
私は精霊にお願いすると、精霊は部屋いっぱいに青紫色の綺麗な花で溢れさせたのだ。
それを見た1人の人物が叫んだのだ。
「この花は危険な植物ですよ!
外に出ないと。」
この部屋の扉は精霊の出した木や蔓で塞がれ、外に出る事が出来ないようになっていた。
私は声を上げた人物を見て、確信したのだ。
理由はわからないが、この人が毒を使いリオさんを弱らせた人物に違いないと思ったのだ。
「どうしてそう思うのですか?
綺麗な花じゃないですか?」
私はその人物の顔をまっすぐ見て話したのだ。
「ああ、以前その花を触った時にかぶれた事があって・・・」
その人物は居心地悪そうに答えたのだ。
「かぶれたくらいなら、そんな驚かなくても。
触らなければいいわけですから。
・・・でも、本当は知ってるんじゃないですか?
この花の花粉を吸い込むだけでも害があるという事を。
だからこそ、こんなに大量にあったら危険だと思ったんじゃないですか?」
周りにいる誰もが、私がこの話をすると焦って私に注目したのだ。
「ああ、安心してください。
この花は精霊の中で無毒化したものですから、危険はないですよ。
きっとリオさんに害を与えた者がいれば、焦るだろうなとは思いましたが。」
その人物は黙って言葉を発しなかった。
「この花、以前も私の部屋に置いてあった事があると思います。
舞さん、どう言うことかしら?」
リオさんは不安そうに話したのだ。
「これは私の住んでいる世界にある花なの。
魔人の国にも似たような花があって、同じように花粉や花、葉、根にいたるまで、猛毒なのよ。
ある加工をすれば、素晴らしい薬になるものでもあるの。
治癒能力の高い黒翼人であれば、たまたま摂取しただけなら問題ないと思うの。
でも、持続的に摂取させられたらどうかしら?
魔人と違って毒耐性があるわけじゃないわよね?
だからリオさんに初めて会った時、薬を使って異物として分離できたのだと思うの。
それに、あなたは他の兄弟と違って、魔人の国にも何回も訪れているでしょう。
魔人の国に薬草があると言ったことや、若くして王家の女性が亡くなっている話ももしかしたら、あなたが話し出したことじゃないかしら?」
私は一気に自分の考えを話したのだ。
「魔人の森に侵食していた黒い影が最後に黒翼人の姿になったのを覚えているわ。
黒翼人の方達も黒い影の存在は知っていたわよね?
あれは、魔獣達の記憶にあった姿。
魔獣達は森から草原に移動していて、その草原には沢山のこれと同じような青紫色の花が咲いていたはず。
そこに頻繁に訪れていたからこそ、魔獣達の記憶に残っていたのだと思うの。」
私は真っ直ぐにその者を見て話した。
「その黒い影が作った姿はクロル、あなただったわ。
私の話が違ってたら、違うと言ってほしい。」
クロルは下を向いたまま何も答えなかった。
二人の兄達は驚いて彼を見たのだ。
いつものように辺りをキョロキョロ見て話し出したのだ。
「舞、まだ帰ってきてないのですね。
ブラックも一緒ならいいですが。」
「ええ、一緒よ。
あの・・・あと一つだけお願いしたい事があるの。」
「今度は何ですか?」
そう言って、苦笑いをしたのだ。
精霊に自分の思う事を話すと、快く了解してくれたのだ。
私は先程ブロムに、後でリオさんのお見舞いに行く事を告げた。
アルゴンの件が落ち着いた事もあり、一度魔人の国に帰る事にするので、その前に会いに行ってくると話したのだ。
三兄弟とは後でリオさんの部屋で落ち合うことにしたのだ。
リオさんの部屋をノックして入ると、ベッドには横になってはいたものの元気そうな顔があったのだ。
「舞さん、もう行ってしまうのですね。
色々ありがとうございました。」
「元気そうで良かった。
また落ち着いたら、遊びにきますね。
それで、私からプレゼントがあるので受け取ってください。」
私は前もって精霊にお願いした通り、リオさんの部屋を綺麗な花で飾る事にしたのだ。
すでに私のポケットに入っていた精霊は私の手のひらに乗るとあっという間に緑色の蔓や草木を出現させ、色とりどりの花が部屋中に咲き乱れたのだ。
先程までは普通の部屋であったのが、ベッドがある私達のいる所以外は、まるで森の中にいるように草木や花で満たされたのだ。
「すごい、とても綺麗。
まるで森の中にいるみたい。」
リオさんはとても喜んではしゃいだのだ。
ここしばらくはベッドの上でしか過ごせず、外に出る事が出来なかったのだ。
よく見ると、精霊の大木のある広場と同じ雰囲気であった。
私も初めて見た時はとても素敵だと思ったのだ。
その時ドアをノックしてブロム達三人が入ってきたのだ。
「これはすごい。
まるで森の中にいるようですね。」
ブロムは笑いながら辺りを見回したのだ。
「リオ、良かったね。
ずっと部屋から出れなかったからね。
舞さん、本当にありがとう。
リオも外に出かけた気分になれたね。」
「いえ、私は森の精霊にお願いしただけですから。
すごいのは精霊ですよ。」
私の手のひらに乗っていた精霊は得意げな顔をしたのだ。
「では、皆さんが来たところで最後の仕上げをしましょう。」
私は精霊にお願いすると、精霊は部屋いっぱいに青紫色の綺麗な花で溢れさせたのだ。
それを見た1人の人物が叫んだのだ。
「この花は危険な植物ですよ!
外に出ないと。」
この部屋の扉は精霊の出した木や蔓で塞がれ、外に出る事が出来ないようになっていた。
私は声を上げた人物を見て、確信したのだ。
理由はわからないが、この人が毒を使いリオさんを弱らせた人物に違いないと思ったのだ。
「どうしてそう思うのですか?
綺麗な花じゃないですか?」
私はその人物の顔をまっすぐ見て話したのだ。
「ああ、以前その花を触った時にかぶれた事があって・・・」
その人物は居心地悪そうに答えたのだ。
「かぶれたくらいなら、そんな驚かなくても。
触らなければいいわけですから。
・・・でも、本当は知ってるんじゃないですか?
この花の花粉を吸い込むだけでも害があるという事を。
だからこそ、こんなに大量にあったら危険だと思ったんじゃないですか?」
周りにいる誰もが、私がこの話をすると焦って私に注目したのだ。
「ああ、安心してください。
この花は精霊の中で無毒化したものですから、危険はないですよ。
きっとリオさんに害を与えた者がいれば、焦るだろうなとは思いましたが。」
その人物は黙って言葉を発しなかった。
「この花、以前も私の部屋に置いてあった事があると思います。
舞さん、どう言うことかしら?」
リオさんは不安そうに話したのだ。
「これは私の住んでいる世界にある花なの。
魔人の国にも似たような花があって、同じように花粉や花、葉、根にいたるまで、猛毒なのよ。
ある加工をすれば、素晴らしい薬になるものでもあるの。
治癒能力の高い黒翼人であれば、たまたま摂取しただけなら問題ないと思うの。
でも、持続的に摂取させられたらどうかしら?
魔人と違って毒耐性があるわけじゃないわよね?
だからリオさんに初めて会った時、薬を使って異物として分離できたのだと思うの。
それに、あなたは他の兄弟と違って、魔人の国にも何回も訪れているでしょう。
魔人の国に薬草があると言ったことや、若くして王家の女性が亡くなっている話ももしかしたら、あなたが話し出したことじゃないかしら?」
私は一気に自分の考えを話したのだ。
「魔人の森に侵食していた黒い影が最後に黒翼人の姿になったのを覚えているわ。
黒翼人の方達も黒い影の存在は知っていたわよね?
あれは、魔獣達の記憶にあった姿。
魔獣達は森から草原に移動していて、その草原には沢山のこれと同じような青紫色の花が咲いていたはず。
そこに頻繁に訪れていたからこそ、魔獣達の記憶に残っていたのだと思うの。」
私は真っ直ぐにその者を見て話した。
「その黒い影が作った姿はクロル、あなただったわ。
私の話が違ってたら、違うと言ってほしい。」
クロルは下を向いたまま何も答えなかった。
二人の兄達は驚いて彼を見たのだ。
0
あなたにおすすめの小説
大根令嬢の雑学無双、王弟殿下を添えて。~ 前世を思い出したので、許婚をほったらかして人助けしまくります!!
古森真朝
恋愛
気弱な伯爵令嬢のカレンは、自分勝手な婚約者レナートに振り回されていた。耐え続けていたある日、舞踏会で何者かに突き飛ばされ、階段から落ちてしまう。
その傷が元で儚く……なるかと思いきや。衝撃で前世を思い出したカレンは一転、かの『ド根性大根』みたいな超・ポジティブ人間になっていた。
『モラハラ婚約者の思惑なんぞ知るか!! 今度こそ好きなことやって、目いっぱい幸せに長生きするんだから!!!』
昔ひたすら読書に耽って身に着けた『雑学』を武器に、うっかり採れ過ぎた作物や、開墾しようとすると不幸に見舞われる土地、不治の病にかかった王族、等々の問題をどんどん解決。
領地の内外で心強い友人が出来たり、いつの間にかものすごく有名になっていたり、何かと協力してくれる王弟ヴィクトルから好意を寄せられたり(注:気付いてない)する中、温かい家族と共に仕事に励んでいく。
一方、前世から因縁のある人々もまた、こちらに転生していて――
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
おばさん冒険者、職場復帰する
神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。
子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。
ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。
さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。
生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。
-----
剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。
一話ごとで一区切りの、連作短編。
リーナ視点が主です。
-----
また続けるかもしれませんが、一旦完結です。
※小説家になろう様にも掲載中。
転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
ヒロインですが、舞台にも上がれなかったので田舎暮らしをします
未羊
ファンタジー
レイチェル・ウィルソンは公爵令嬢
十二歳の時に王都にある魔法学園の入学試験を受けたものの、なんと不合格になってしまう
好きなヒロインとの交流を進める恋愛ゲームのヒロインの一人なのに、なんとその舞台に上がれることもできずに退場となってしまったのだ
傷つきはしたものの、公爵の治める領地へと移り住むことになったことをきっかけに、レイチェルは前世の夢を叶えることを計画する
今日もレイチェルは、公爵領の片隅で畑を耕したり、お店をしたりと気ままに暮らすのだった
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる